ヘイスティングス, ジョエル(1969-2016)
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1972年生まれの若き作曲家、ピアニスト、カーター・パン(1972-)は既に数々の作品で国際的に高い評価を受けています。このピアノ曲集「12のサイド」は、彼の友人であるカナダのピアニスト、ジョエル・ヘイスティングとのコラボレーションから生まれた作品で、おのおのの曲にはタイトルと、彼に影響を与えた名ピアニストの名前が記されているという興味深いものです。全ての曲は違った表情を持ち、ある曲は沈静し、ある曲はまるで埃のように、空気中を音符が漂います。ジャズ風な曲や大胆不敵な妙技の炸裂、そして不気味さ。捉えどころのない不思議な音楽ですが、妙に耳に残る強い存在感も有しています。遊び心たっぷりの「ビルズ」、チーズおろし器でうっかり指を切ってしまったというアクシデントから生まれた作品、そしてピアノ協奏曲(8.559043)へのカデンツァとして書かれた「ユア・タッチ」は、アンニュイなジャズ。うーん、なかなか面白い作曲家なのです。(2014/09/24 発売)
レーベル名 | :Naxos |
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カタログ番号 | :8.559751 |
リストのピアノ曲全集第44集は「声楽曲のトランスクリプション」集。リストが残した膨大なピアノ曲の中でも、とりわけ異彩を放つのが一連の編曲物であり、このアルバムでも、同時代の作曲家の歌曲と、リスト自身の歌曲をピアノ用に編曲した興味深い作品を聞くことができます。リスト自身の曲と、1曲だけ含まれたショパンの作品以外は、原作の作曲家名すら知られておらず、この編曲によって後世に名が残った人もいるという貴重な作品集。共感に溢れた「ハンガリー賛歌」(トラック6)での荘厳な響きは、ハンガリー生まれのリストの心意気の表明です。またショパンの作品「わが喜び」(トラック4)は、すでにリリースされている「ポーランドの歌」(8.553656)の第5曲とは違うヴァージョンというのも面白いところです。リスト自身の作品の中では「ノンネンヴェルトの僧房」の4つの異稿版が聴きもの。お気に入りの作品には何度も手を加えたリストならではの、作品の微妙な違いを聞き分けるのも面白いでしょう。この録音の4ヵ月後にこの世を去ってしまったカナダ人ピアニスト、ジョエル・ヘイスティングスの追悼盤です。(2017/01/25 発売)
レーベル名 | :Naxos |
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カタログ番号 | :8.573557 |
フォーレの弟子として知られるジャン・ロジェ=デュカス。あの「魔法使いの弟子」のポール・デュカスとは全く血縁関係がありませんが、師フォーレから受け継いだ、いかにもフランスの印象派的な作風には、別デュカスとも共通する雰囲気が感じられます。ドビュッシーとも親しい友人であった彼の作品には、豊かな想像力と、鮮明な色彩感があり、例えばトラック5の「ソノリテ」は、まさしく音の響きそのものが徹底的に追求された音楽が展開されています。もともとはフォーレの「ドリー」から影響を受けたと思われる「小組曲」でも、緩やかな音楽を聞くことができますが、全体に漲る力強さは、フォーレとはまた違う世界を形作っています。演奏しているジョエル・ヘイスティングスは、この録音の前日にNAXOSのリスト全集第44集(8.573557)を録音、残念なことにその4ヶ月後に突然この世を去ってしまいました。語りかけるような優しい演奏を聞かせます。(2017/03/24 発売)
レーベル名 | :Grand Piano |
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カタログ番号 | :GP724 |