カスティーヨ, シンディ
Search results:2 件 見つかりました。
【修復後・火災前に行われた奇跡の録音! ベルギー近代の隠れた人気作曲家の素顔】ブリュッセル中央駅近く、王立音楽院にほど近いパレ・デ・ボザール(Bozar)は1928年に出来た老舗ホール。アール・ヌーヴォー装飾の大家ヴィクトール・オルタによる美しい内装に彩られ、オープン2年後の1930年には立派なオルガンも設置されました。同じフランス語圏でデュプレやヴィエルヌら、交響曲などの大規模なオルガン作品で知られる巨匠たちが活躍していた頃です。この楽器は1967年に火災に遭い半世紀の沈黙を余儀なくされた末、2017年に修復され両大戦間の佇まいと響きをみごと取り戻しました。しかし今年(2021年)1月18日に再度深刻な火災に見舞われ、消火活動の放水もあり再び使用不能な状態に。その前月に辛うじて録音された本盤は、2017年の修復の成果を示す最後の記録という意味でも重要ではありますが、そこで選ばれた演目がまさに楽器と同時代を生きた巨匠、日本でも密かなファンが少なくないジョゼフ・ジョンゲンの作品集であったのは喜ばしいことと言えるでしょう。ラフマニノフやレーガーと同い年のこの作曲家は、やはり彼らと同様に晩期ロマン派の音楽作りを軸としながらも、フランス近代様式にも大きく影響されつつ独特な作風を培いましたが、自身もピアニスト=オルガニストとして活躍していたことでも有名。LP時代からオーディオ・ファンを興奮させ、日本でも折りに触れ演奏されるオルガンと管弦楽のための協奏交響曲(1926)がよく知られますが、この1曲にとどまらないジョンゲンのオルガン芸術の多面的な魅力は、歴史的会場の響きとともに丁寧に収録された同時代の楽器による当録音でこそ、その真意に近づけるのではないでしょうか。フォーレやショーソンを思わせる若き日の小品群に聴く繊細な音色表現から、20世紀フランス流儀の響きでジョンゲン特有の堅固な曲構造が彩られる「英雄的ソナタ」「トッカータ」など後期の名品までを収録。ブリュッセルを拠点に、2008/09シーズンには札幌コンサートホール専属オルガニストを務めるなど、日本を含む世界を股にかけて活躍するシンディ・カスティーヨが歴史的楽器の美音そのままに魅力を伝えます。(2021/09/24 発売)
レーベル名 | :Musique en Wallonie |
---|---|
カタログ番号 | :MEW2001 |
【生誕200周年。フランクとゆかりの深い重要製作家2人の交響的オルガンで、19世紀当時の響きに迫る】2022年に生誕200周年を迎えたフランクは、後年フランスに帰化し近代フランス音楽の大きな礎を築きましたが、その故郷はフランス語圏ベルギーの古都リエージュ。同国のフランス語圏側(ワロン地方)の音楽遺産を丁寧に紹介するMusique en Wallonieレーベルはその記念年にあわせ、この作曲家の真髄ともいえるオルガン音楽の重要作品を網羅した2枚組アルバムをリリースします。札幌コンサートホールKitaraの第11代専属奏者もつとめ今や欧州最前線で活躍するシンディ・カスティーヨ、Ricercarレーベルでフランクのオルガン&ハルモニウム作品全集を成功させた実績もあるヨリス・ヴェルダン、その門下で着実に存在感を示しつつあるバルト・フェルヘイエンら3人のベルギー人奏者が演奏をくりひろげるのは、フランクともゆかりの深い2人の重要オルガン建造家による銘器2基。19世紀の交響派オルガン世界を大きく発展させたカヴァイエ=コル、晩年のフランクとの知遇で知られるメルクラン、いずれの楽器も作曲家の生前、演奏作品と同時期のもの。1860年代に相次いで発表されオルガン音楽に新境地をもたらした6作に、1878年の「3つの小品」と最晩年の傑作「3つのコラール」をあわせ、作曲家がイメージしたであろう音像に沿った理想的な演奏再現を追求した名演に出会えます。3人の奏者の微妙な個性の違いとともに、ダイナミックな表現も繊細な音色美も自由自在な銘器の響きを浴びるように堪能できるのは格別。レジストレーション詳細はもとより、同時代の貴重な図版も掲載の解説書(仏・蘭・英・独語)の充実度もまた、このレーベルのリリースならではの頼もしい魅力と言えるでしょう。(2022/10/14 発売)
レーベル名 | :Musique en Wallonie |
---|---|
カタログ番号 | :MEW2203 |