スタッフォード, タラ
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「ウィリアム・テル」というと誰もが思い浮かべるのが、りんごを頭に載せて弓で射る場面。ではロッシーニ(1792-1868)の歌劇「ウィリアム・テル」というと、あの有名な序曲のみ。しかし、どちらもほんの一部でしかありません。このロッシーニの歌劇、もともとはシラーの戯曲を基にしたフランス語の台本によって書かれているので、歌唱は全てフランス語。そもそもタイトルも「ギョーム・テル」が正しく、エピソードがふんだんに盛り込まれた全4幕の4時間を越える作品です。物語は14世紀のスイス、指導者メルクタールの息子アルノールと敵対するオーストリアの王女マティルデの恋を軸に、政治的駆け引きをはさみながら物語が進んでいきます。弓の名手であるテルは伝説の人物であり、アルノールの友人です。彼はオーストリアの総督ジェスレルと敵対し、広場に飾られたジェスレルの帽子に敬礼することを拒み、その報復としてジェスレルは、テルの息子ジェミの頭上のりんごを弓で射抜くことを命ずるのです。もしかしたら、序曲とこの場面(第3幕)まででもオペラは成立するかもしれません。そう考えた周囲の人は、ロッシーニの同意を得て、第4幕を削除し、いくつかの曲を変更、追加して3幕版を作りパリで初演しました。しかし、どちらが良いのかは結局のところ永遠にわからないのです。このアルバムには、2曲の変更されたナンバーと、1831年に作られたパリ版(3幕短縮版)のフィナーレを含んでいます。(2015/04/22 発売)
レーベル名 | :Naxos |
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カタログ番号 | :8.660363-66 |