ゴールドスタイン, ベンディク
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1912年に作曲が始められ、その翌年12月に完成されるも、実際に上演されたのは9年後の1922年という、いわばシベリウス(1865-1957)の"不遇の作品"ともいえる劇音楽「スカラムーシュ」です。クヌーセンの台本は、対話を含むパントマイム形式のもので、レイロンという男の妻をせむしのヴィオラ弾き「スカラムーシュ」が誘惑、怒ったレイロンに殺されてしまうという悲劇ですが、当時のウィーンの劇作家アーサー・シュニッツラーが書いた「ピエロのヴェール」(エルノ・フォン・ドホナーニが音楽をつけた)の模倣とされてしまったのです。もちろんクヌーセンは、シュニッツラーよりも前にこの物語を計画していたと主張しましたが、シベリウス自身は「この仕事を引き受けたために神経がぼろぼろになった」と日記に記すほど消耗していたようです。しかし、この音楽は見事なもので、弦楽器中心のオーケストラをバックに独奏ヴィオラが活躍、そこにチェロが絡みながら、明快な情景を描き出していくのです。しきりに現れる舞曲が印象的で、時にはスペイン風のボレロのリズムを刻んでみたり、幻想的なゆったりとした音楽になったりと、変幻自在です。そして、その響きは常にシベリウスのもの。まるでオペラのように物語と音楽が融合した壮大な作品となっています。(2015/12/23 発売)
レーベル名 | :Naxos |
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カタログ番号 | :8.573511 |