レーナー, マンフレート・ヘルマン
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1990年代から始まった「頽廃音楽」の復興は、ナチスに迫害された多くの作曲家たちを歴史の闇から救い出しています。このカール・ヴァイグル(1881-1949)もその中の一人、まだまだ全貌を知るまでには至りませんが、このアルバムはその手がかりになることでしょう。彼はウィーンの裕福な家庭に生まれ、少年時代から音楽に親しんでいます。あのツェムリンスキーと家族ぐるみの付き合いがあり、作曲の手ほどきもツェムリンスキーから受けています。その後はウィーン大学に進み、音楽学をアドラーの元で学び、ウィーン音楽院ではローベルト・フックスに作曲を学んでいます。この頃にシェーンベルクとも知り合い、強く影響を受けましたが、結局ヴァイグル自身は十二音技法に同調することはなく、その作品も後期ロマン派の作風から外れることはありませんでした。彼の「左手のためのピアノ協奏曲」は、あの戦争で左手を失ったヴィトゲンシュタインのために書かれたものですが、なぜかヴァイグルの作品は演奏されることはなく、2002年にようやくウィーンで初演されたというものです。このアルバムには、同じく忘れられた作品である「ヴァイオリン協奏曲」がカップリングされています。(2015/10/28 発売)
レーベル名 | :Capriccio |
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カタログ番号 | :C5232 |