オルソップ, マリン(1956-)
Search results:80 件 見つかりました。
2012年、歌劇《きよしこの夜》でピューリッツァー賞を受賞したアメリカの作曲家ケヴィン・プッツ。メトロポリタン・オペラ、フィラデルフィア管弦楽団を含む世界の主要な団体から作品を委嘱され、そのどれもが高く評価されています。このアルバムには、彼の学生時代の「マリンバ協奏曲」から最近書かれた「オーボエ協奏曲」までの3作品を収録。イーストマン音楽学校の大学院に在籍していたプッツが、マリンバ奏者の名倉誠人とコラボレーションを組み書き上げたのが1997年の「マリンバ協奏曲」。冒頭の変ホ長調の旋律は、彼が愛するモーツァルトの変ホ長調のピアノ協奏曲をモデルとしているといい、これをマリンバが装飾的に彩っていきます。第2楽章は弦楽器の伴奏でマリンバがエレガントに歌い、第3楽章では激しいダンスの中に第1楽章の旋律が回帰し、全体をまとめています。「シティ」はボルティモアという都市にインスパイアされたカーネギーホールとの共同作品。2015年4月に起きた「フレディー・グレイの死」による騒乱事件を含む、この街のさまざまな側面が万華鏡のように描かれています。2016年の大統領選挙をきっかけにプッツが覚えたという動揺と深い幻滅感、これを解消した映画「ムーンライト」の印象が作品の根底にあるという「オーボエ協奏曲」には、プッツの今の思いがこめられています。(2023/02/24 発売)
レーベル名 | :Naxos |
---|---|
カタログ番号 | :8.559926 |
ティンパニと低弦の刻みに乗って、ヴァイオリンが高音域で悲劇的な旋律を全力で奏する、インパクト絶大の冒頭部、あるいは終楽章の「ベートーヴェンの第九に似た旋律」や、終結部における歓喜の爆発、さらには分かりやすい動機労作など、ブラームスの第1交響曲の魅力は、そのベタな展開にあるといえまえしょう。クラシックをかじりだした頃にこの曲と出会い、さらにクラシックの魅力に憑りつかれていったというような「過去」をお持ちの方も、多いのではないでしょうか。人気急上昇中の女流指揮者・オルソップが、この天下の名曲にがっぷり四つで正面から取り組みました。併録の序曲2曲ともども勇壮な熱演です!(2005/04/01 発売)
レーベル名 | :Naxos |
---|---|
カタログ番号 | :8.557428 |
苦節20年を経て交響曲第1番を完成させたブラームスですが、交響曲第2番はたったひと夏で書き上げられした。このことは、すっかり交響曲という形式に自信をつけた、ブラームスの気力、創作力の充実ぶりを示すものと申せましょう。特に第1楽章には牧歌的雰囲気が濃厚で、作曲当時滞在していた避暑地の雰囲気を反映したものともいわれ、「ブラームスの田園交響曲」との俗称もありますが、ベートーヴェンの「田園」とは、内容的に関連しているわけではありません。白熱というにふさわしい終楽章の終結部も大変に印象的ですが、ブラームスの全作品の中でも、とりわけ明るく快活な楽想に溢れた作品と申せましょう。(2005/12/01 発売)
レーベル名 | :Naxos |
---|---|
カタログ番号 | :8.557429 |
バーンスタインや小澤に師事し、今やアメリカを代表する指揮者となった女性オルソップ。彼女の英国での人気を証明するブラームス交響曲全集、その第3弾です。「交響曲第3番」は、第3楽章が映画やテレビで使用され、他に類例のないたそがれた音楽は聴き手をブラームス中毒に陥れます。その人気は、21世紀も変わることはないでしょう。もちろん他の3つの楽章もブラームスならではの傑作。「ハイドンの主題による変奏曲」も、演奏機会が多すぎるため、耳タコの作品とも言えますが、オルソップは全体のアンサンブルを見通しよく整理し、新鮮な感動をもって演奏に臨んでいます。(2007/03/01 発売)
レーベル名 | :Naxos |
---|---|
カタログ番号 | :8.557430 |
ブラームス(1833-1897)の「ドイツ・レクイエム」は1869年に作曲された宗教曲です。曲自体は1857年にシューマンが死去した時に構想されたと言われていますが、実際には1865年に彼の母が死去したことで完成に至りました。通常、カトリック教会のレクイエムはラテン語で歌われますが、この曲はブラームス自身が選んだテキスト(ルターが訳したドイツ語版聖書など)を用いて、全てドイツ語のテキストで書かれています。ブラームス自身は、この作品を教会で歌うのではなく、演奏会用として考えていて、テキストからは「キリストの復活に関わる部分」が外されているところも興味深いものです。穏やかな第1曲のメロディが全般に使われながらも、全体にポリフォニックで極めて構造的に書かれた中身の濃い音楽です。演奏しているのは、既にブラームスの交響曲全曲をリリースしているオルソップ。美声で知られるステファン・ゲンツと1990年生まれの新鋭ソプラノA.L.リヒターのソロが、ライプツィヒMDR放送交響楽団と合唱団の渋い音色に花を添えています。(2013/10/23 発売)
レーベル名 | :Naxos |
---|---|
カタログ番号 | :8.572996 |
ラトヴィア出身のヴァイオリニスト、バイバ・スクリデと名指揮者マリン・オルソップが共演。曲目はブリテンの「ヴァイオリン協奏曲」と、あまり演奏されることのない「二重協奏曲」という興味深いものです。ヴァイオリン協奏曲は1939年、ブリテン25歳の作品。高度な技巧が要求される、激しく創意に富んだ第2楽章を、内省的な第1楽章とパッサカリア形式による荘重な第3楽章で挟んだ構成となっており、第二次世界大戦の開戦による不安な心情と反戦意思が反映された曲と言われています。ブリテンは1950年に作品をハイフェッツが演奏することをきっかけに、最終楽章のヴァイオリン・パートを書き直すなどの改訂を行い、その後も小さな改訂を加え、現在の形に落ち着いています。かたや二重協奏曲は、ブリテンが王立音楽大学に在学していた時期の作品。克明に書き込まれたスケッチがあるものの、なぜか総譜としては完成しておらず、彼の生前に演奏されることもありませんでした。ブリテンの死後、コリン・マシューズがスケッチに基づいてオーケストレーションを補筆完成、1997年6月15日にようやく初演されたという作品です。スクリデの演奏は、どちらの曲でもブリテン作品の持つ内省的、神秘的な雰囲気を大切にしながら、技巧的な部分では鮮やかに楽器を駆使し、最後まで緊張感をゆるめることなく一気に弾き切っています。二重協奏曲でヴィオラを弾くのはスイス・イタリア語放送管弦楽団のソロ・ヴィオラ奏者を務めるイヴァン・ヴクチェヴィチ。スクリデと息のあった演奏を聴かせます。(2024/02/09 発売)
レーベル名 | :Orfeo |
---|---|
カタログ番号 | :C220021 |
1917年にプロコフィエフ(1891-1953)が完成させた「交響曲第1番」は、彼が学生時代にニコライ・チェレプニンの教室で研究したハイドンの技法をもとにして書かれたもの。ピアノ協奏曲第2番などの、それまでの革新的な作品に比べ、古典的で整然とした佇まいを持つ音楽であったため、周囲はとても驚いたと言います。確かにハイドンやモーツァルトを思わせる親しみやすい表情を持っていますが、様々なところに仕掛けたっぷりの「新古典派」そのもののいたずらっぽい顔がたまりません。それに引き換え、第2番のまあ難しいこと。これは作曲当時パリに住んでいたプロコフィエフが「6人組」の作品よりももっと前衛的な作品を書こうと試みた結果出来上がったもので、当然ながら初演を聴いたパリの聴衆は冷淡な反応をしたと言われています。しかし、大編成のオーケストラにピアノ、様々な打楽器を加えたカラフルな音楽、これこそがプロコフィエフの本領発揮と言えるのではないでしょうか。交響的絵画「夢」はスクリャービンからの影響が感じられる小さな作品。大きな起伏を伴う若干陰鬱な雰囲気を持った音楽です。(2014/11/26 発売)
レーベル名 | :Naxos |
---|---|
カタログ番号 | :8.573353 |
大好評!マリン・オルソップとサンパウロ交響楽団によるプロコフィエフ(1891-1953)の交響曲集第4集です。アルバムのメインとなる「交響曲第3番」は、その前年に完成された歌劇「炎の天使」の素材が用いられています。それは、この歌劇にはあまりにも問題が多かったため演奏会形式で上演されたものの、完全な初演の見通しが立たず、この作品の将来を鑑みたプロコフィエフが、その中の幾つかの主題を基に交響曲として再構築したためです。プロコフィエフはこの交響曲に絶大なる自信を持っていたと言い、確かに刺激的かつ堂々たる作品となっています。「スキタイ組曲」は、もともとバレエ音楽として作曲され、バレエ・リュスのディアギレフにスケッチを提示したところ、上演を拒否されたため、演奏会組曲として書き直されたものです。第2曲目の激しさは必聴です。「秋」は暗い雰囲気を有した作品ですが、タイトルと曲には直接の関係はないのだそうです。あまり演奏されることのないレアな作品です。(2015/06/24 発売)
レーベル名 | :Naxos |
---|---|
カタログ番号 | :8.573452 |