セレブリエール, ホセ(1938-)
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最近のビレットはますますその技巧に磨きをかけているようで、このアルバムから聞こえてくる音楽も芳醇の極みと言えるでしょう。まず、チャイコフスキーの秘曲、協奏的幻想曲は1884年に書かれた2楽章形式からなるピアノ協奏曲です。どうしても彼のピアノ協奏曲は第1番以外はあまり耳にする機会がないのだけれども、実はどれもなかなかの力作であり、なぜ人気が出ないのか不思議に思う人も多いのではないでしょうか。この演奏、とにかくセレブリエールが指揮するオーケストラが絶品。ひたすら力強く曲を盛り上げます。第2番は1879年から1880年にかけて作曲され、N.ルビンシテインに献呈されたもので、こちらもとても美しく技巧的なのですが、第2楽章のチェロとヴァイオリンの二重奏があまりにも長すぎて、ジロティがカットしてしまったりと、少々不幸な生い立ちを持つ曲です。ただ、少々残念なのは、どちらの曲も、美しいメロディが多すぎること。あまりの美メロの連続に、どこを「お気に入り」にすればよいのかわかりません。そんな毎日フレンチのフルコースを食べているかのような贅沢な悩みに浸るのもよいものです。(2011/12/14 発売)
レーベル名 | :Idil Biret Archive |
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カタログ番号 | :8.571280 |
ジュネーヴに生まれた早熟の天才、ブロッホ(1880-1959)はブリュッセル音楽院でウジェーヌ・イザイに師事しました。イザイは彼の才能をすぐさま見抜き、その音楽性を追求するように説得したといいます。このヴァイオリン協奏曲は、ブロッホがニューメキシコを訪問した時に耳にしたアメリカインディアンの歌を主題とし、そこに彼らしい「聖書を通じて感動し打ち震える魂の叫び」を加えた知られざる名曲です。この録音によってファンが増えることでしょう。(2008/01/16 発売)
レーベル名 | :Naxos |
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カタログ番号 | :8.557757 |
マドリードで生まれた作曲家トマス・マルコは、法律を学びつつ、音楽(作曲とヴァイオリン)を、彼曰く「少年のように」学んだという人。フランスでブーレーズとマデルナ、ドイツでシュトックハウゼンに就き、1967年には彼の助手にもなっています。心理学、社会学も取得、作曲だけでなく教師としても活躍しています。この交響曲集は、彼のインスピレーションの源を探るかのような曲集であり、第2番以外は世界初録音となっています。第9番「タラッサ」は神話の女神の名前であり、中世の旋律を素材とし、それらを念入りな色彩の音色で彩るというもの。また交響曲第8番は、各楽章に「幻の大陸」の名前が付けられていて、そのどれもが活発な舞曲のリズムで描かれています。スペイン風な音楽とは違った味わいですが、畳み掛けてくるような迫力に満ちた音とリズムは、一度聴くと病みつきになること間違いなしです。(2012/03/14 発売)
レーベル名 | :Naxos |
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カタログ番号 | :8.572684 |
原典尊重主義の行き過ぎは、本来演奏という行為と一体ともいえる「編曲」行為の価値を、過小評価するに至りました。ストコフスキーの生涯は、そんな風潮の隆盛と一致していたともいえますが、彼は敢然と編曲にこだわり続け、素晴らしい作品たちが残されました。満点を超える素晴らしい演奏効果を持ったストコフスキーの編曲は、自編自演の時代から、第三者の演奏へと世代を移し、編曲復活のトップリーダーとして、ますます活躍してもらいたいものです。「展覧会の絵」など、ラヴェル(なぜか編曲批判の対象から逃れた稀有な例)とまったく異なった味わいですが、並んでスタンダードな編曲として評価されてほしいものです。(2005/10/01 発売)
レーベル名 | :Naxos |
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カタログ番号 | :8.557645 |
歌曲の分野で名高いローレムが、1950年代に手掛けた交響曲3曲は、いずれもはっきりとした調性によっていますが、これ見よがしに面白さ、親しみやすさをアピールするタイプの曲ではなく、むしろ聴けば聴くほどに味わいの出てくる作品と申せましょう。各曲ともに、純度の高い抒情性の表出は素晴らしく(特に緩徐楽章)、息の長い旋律がしだいに熱を帯びて盛り上がってくるのはまさに感動的、作曲者の良心を感じる思いがします。一方で、弾けるようにリズミカルな展開を見せることもあり、例えば第2番の終楽章、轟くようなティンパニの乱舞と、交響曲としては珍しいピアノの導入が、絶大な演奏効果をあげています。(2003/10/01 発売)
レーベル名 | :Naxos |
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カタログ番号 | :8.559149 |