アンサンブル・セツィオーネ・アウレア
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アントニオ・サリエリは当時の音楽先進国イタリアに生まれて当地で教育を受け、神聖ローマ帝国の宮廷楽長として高い評価を得ると共にウィーン音壇の隆盛に貢献しました。その没後200年に彼の鍵盤楽曲をまとめて紹介する貴重な1枚が登場。主要な業績はイタリア語によるオペラだったこともあり、現代に伝わる鍵盤楽器のための楽曲は極めて少なく、チェンバロとピアノのための作品はこのCD1枚に収まるのがすべて。2曲の協奏曲にはチッコリーニやシュタイアーなどの録音がありましたが、レーベルによれば2つの独奏曲はこれが初録音となります。協奏曲の楽譜はウィーンのオーストリア国立図書館に保存されていますが、誰のために書かれたのかなどの詳細は不明。ここで独奏はピアノで演奏されています。変ロ長調協奏曲は写本のみが現存し、2本のオーボエ、ホルン、弦楽器からなる編成で、演奏時間は約25分と当時としては比較的長めの作品です。ソナタ形式による第1楽章にはオリジナルのカデンツァも含まれています。J.C.バッハ作品を思わせる装飾的で繊細な第2楽章が続き、終楽章は変奏付きのテンポ・ディ・メヌエットで、軽快なトルコ風の最終変奏は、モーツァルトの「トルコ行進曲」K. 331を想起させます。ハ長調協奏曲は自筆譜が現存し、劇的なアレグロ・マエストーソの第1楽章、シチリア風のリズムを持つ抒情的な第2楽章、ロンド形式による優雅な第3楽章から成る、よりコンパクトな構成です。両作品は作曲時期が近いものの、形式や表現において顕著な違いがあり、サリエリの作曲家としての多様な側面を伝えています。ハ長調のソナタは組曲的性格を持ち、おそらく弟子のために書かれたものと考えられます。また「行進曲ニ長調」は非常に短い作品で、ベルリンに所蔵されていた唯一の写本で伝えられています。演奏は、ルカ・ジャルディーニとフィリッポ・パンティエーリにより設立されたアンサンブル・セツィオーネ・アウレア。17世紀から19世紀にかけてのイタリアの声楽および器楽レパートリーの復興を目的に、ヨーロッパ各地の精鋭たちが結集したアンサンブルで、歴史的背景に基づいた演奏解釈に定評があります。(2025/06/20 発売)
レーベル名 | :Dynamic |
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カタログ番号 | :CDS8060 |