ハッキネン, アーポ
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チェコ生まれの作曲家、チェンバロ奏者フランツ・クサヴァー・ドゥシェク(1731-1799 ヤン・ラディスラフ・ドゥシークとは別人です)のシンフォニア集です。彼はモーツァルトの友人であり、当時のプラハにおける管弦楽作品の主要な作曲家でした。彼の作品はホフマン、ディッタースドルフなどと同等の影響力を有していたもので、まさに“正統派18世紀音楽”たる風情を醸し出しています。各々の楽器の使い方も特徴的で、この独特な響きはモーツァルト作品にはあまり見られないものでしょう。彼の作品は8.555878でも「3つのシンフォニア」が聴けますが、オーケストラ、指揮者の違いが際立つところがとても面白く、この点での聴き比べも興味深いところです。(2012/08/22 発売)
レーベル名 | :Naxos |
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カタログ番号 | :8.572683 |
バッハ(1685-1750)の鍵盤作品は、もともと「精神的なリフレッシュ」をするためのものでした。彼はパルティータの序文にも「愛好人士の心の憂いを晴らし、喜びをもたらさんことを願って」と入れたように、この種の音楽は、指導目的であり、また楽しみのためでもあったのです。もちろんバッハ自身が比類なき鍵盤奏者であったことは疑うべくもなく、それは彼の死後、テレマンがバッハのオルガン演奏について賛辞を送っていたことでも明らかです。そんなバッハ、1703年には音楽の学習を終え、ワイマールの宮廷で最初の仕事に就いています。ここではヴァイオリンを担当していましたが、代役で奏したオルガン演奏が話題となり、そのままアルンシュタットの新しい教会のオルガニストに採用されています。その後、1705年にはアルンシュタットからリューベックまで、およそ500kmの長距離を徒歩で旅行し、ブクステフーデの教えを仰いでいたことでも知られています。このアルバムに収録されている作品のほとんどは、この激動の時代(というか血気盛んな時代)に書かれた「初期の曲」で、晩年のような練りに練られた対位法というよりは、溢れてくるような流麗なフォームで書かれています。いくつかの作品は、組曲として数えたほうがよいのかという議論は尽きませんが、それはとりあえず置いておいて、流麗な若いバッハの姿を垣間見る楽しみに浸ってみたいと思います。ハッキネンの演奏は、多彩な音色を駆使した納得のできるもの。創造性と表現力の限界に挑むような素晴らしい演奏です。(2015/06/24 発売)
レーベル名 | :Naxos |
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カタログ番号 | :8.573087 |
ボブ・ファン・アスペレンやピエール・アンタイに師事し、今や北欧を代表する古楽鍵盤奏者・指揮者として目覚ましい活躍を繰り広げるハッキネンがフーガの技法を録音しました。ハッキネンはバッハの死後出された出版譜ではなく1740年代に書かれた自筆譜の順番で演奏しており、その理由を「作品の持つ周期性と対称性がわかり易いから」としています。同時に、部分的には出版譜の解釈を採用し、未完のコントラプンクトゥス14は含まず、古風なコンソート・スタイルに通じるコントラプンクトゥス12はヴィオール・コンソートで(ハッキネンは参加せず)、トリオ・ソナタの書法を採り入れたコントラプンクトゥス13はヴァオリンとチェンバロのデュオで演奏しています。使われた楽器はアンドレアス・ルッカースが1614年に製作した2段鍵盤のオリジナルで、後に作曲家ジョン・ブロウの手に渡り、ヘンデルも演奏した記録も残っています。録音で聴くと、非常に豊かな響きを持つ楽器のようです。原盤ブックレットの作品解説にはバッハの伝記作者でもある音楽史家フィリップ・シュピッタ(1841-1894)が1880年に書いたものを採用しています(英語・ドイツ語)。(2024/04/12 発売)
レーベル名 | :Ondine |
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カタログ番号 | :ODE1437-2 |
J.S.バッハ(1685-1750)の6曲の「フルートとハープシコードのためのソナタ」は非常に有名ですが、その起源については数多くの議論がなされています。またBWV1032の第1楽章の一部は消失しているため、演奏する時には後世の人によって修復された楽譜が使われることになります。さらに、現在ではBWV1031とBWV1033はバッハ以外の作曲家(恐らく彼の息子)の作品であると考えられており、すでに「バッハの作品」としてその位置を確立しているBWV1031の第2楽章のあの美しい「シチリアーノ」も、本当はバッハの作品ではないのです。またBWV1033から1035までの3曲は、もともと無伴奏フルートに通奏低音が添えられたものとも言われていますが、こちらもフルートの華麗な旋律が広く愛されています。どの曲も出典に謎の多い作品ではありますが、完成度は非常に高く、フルート奏者たちのこの上なく大切なレパートリーとなっています。曲によって変えられた楽器の響きの違いにも注目してください。※日本語帯付き(2016/08/26 発売)
レーベル名 | :Naxos |
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カタログ番号 | :8.573376 |
アーポ・ハッキネンとヘルシンキ・バロックオーケストラが演奏するベートーヴェン「エグモント」の全曲盤が登場。1809年、ウィーン宮廷劇場の支配人であるヨゼフ・ハルトルの依頼によって作曲された「エグモント」は、ベートーヴェンが崇拝するゲーテの戯曲が基になっており、主人公エフモント(エグモント)伯ラモラールの圧政に対する抵抗と英雄的行為に、町娘クレールヒェンの恋心と、ベートーヴェン自らの政治的関心を絡めた意欲的な作品です。序曲のみがよく知られていますが、ベートーヴェンはソプラノ独唱を含む全10曲を劇のために作曲。今回の録音はドイツ語でのナレーションも付いた完全版であるとともに、ピリオド楽器での演奏でもあり、ベートーヴェンが当初意図した作品像を忠実に再現しているといえるでしょう。素朴な響きのオーケストラ、清楚なソプラノ独唱、ストーリーを語るナレーションが一体となって、若きベートーヴェンが描いた世界を見事に表出しています。(2019/09/20 発売)
レーベル名 | :Ondine |
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カタログ番号 | :ODE1331-2 |
シンフォニア集(8.557818)でその典雅な世界へ聴き手を誘った、マンハイム楽派の作曲家フランツ・クサヴァー・リヒター(1709-1789)の室内ソナタ集です。時代的には複雑なバロック様式から、装飾の少ないギャラント様式へと移り変わる頃に活躍した人ですが、この1764年にニュルンベルクで公表された一連のソナタ集は、まだバロックのトリオ・ソナタの伝統に基づくものです。この12のソナタはヴァイオリン(もしくはフルート)、チェロの序奏付きのチェンバロ・ソナタとして書かれたものですが、実際に演奏してみるとヴァイオリンでは若干演奏不能な個所があり、これらの曲はフルートで演奏するべきではないかと思われます。北欧の名手たちによる春の陽だまりのようなどこもかしこも柔らかく美しい音楽です。(2011/03/16 発売)
レーベル名 | :Naxos |
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カタログ番号 | :8.572029 |
マンハイムの作曲家 F.X.リヒター(1709-1789)の最も脂の乗った時期の大交響曲を6 曲収録しました(第1 集8.557818 も好評発売中)。1744 年に発表されたこれらの作品は、極めて整ったゆったりした楽章と、見事な対位法の粋を極めた早い楽章から出来ています。少しだけ遅く生まれたワーゲンザイル(1715-77)が当時の先端を行くスタイルを模索したのに比べ、リヒターはバロックの伝統を熟成させることに力を注ぎ、確固たる作品を作り上げて行きました。ハッキネンとヘルシンキ・バロックは作品の美質をこの上ないほど素晴らしく再現することに成功したのです。(2009/07/29 発売)
レーベル名 | :Naxos |
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カタログ番号 | :8.570597 |
フランツ・クサーヴァー・リヒターは、18世紀の作曲家でマンハイム楽派の最も重要な代表者の一人です。彼の作品はこの時代としては、かなり独創的であり、声部の処理や表情豊かなハーモニーには驚かされるばかりです。このソナタ集は第1集(8.572029)に続くもので、ここでもバロックのトリオ・ソナタの伝統に根差しつつも、それだけに留まることのない新しい時代の息吹を感じさせるソナタを聴くことができます。またこのアルバムには、彼の2つの鍵盤作品も収録。これらの作品は、どの楽器のために書かれたのかは不明ですが、当時の南ドイツやオーストリアのオルガンは足鍵盤を持たない簡便なものが多かったため、こういったオルガンの練習用に書かれたものではないか?と考える人もいます。ただし、このアルバムではハープシコードで演奏されています。まだまだ研究余地の多い作曲家だけに、これから先が楽しみです。(2012/02/15 発売)
レーベル名 | :Naxos |
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カタログ番号 | :8.572030 |