ビンガム四重奏団
Search results:2 件 見つかりました。
数多いイギリスの作曲家の中でも「独自の前衛音楽」を書くことに拘ったとされるフランク・ブリッジ。その理由は、他の作曲家たちがイギリス民謡に依拠しても、彼はヨーロッパの新音楽を好み、こちらから着想を得ていたからだとされているようです。しかし彼の作風が前衛的になったのは、第1次世界大戦の後のことであり、若い頃はスタンフォードやブラームスなどの影響がよくわかる極めてロマンティックな作品を書いていました。このピアノ五重奏もそんな作品の一つで、全編抒情的で、時にはラフマニノフを思わせるような力強いロマンティシズムが漲っています。ブリッジと同じ年に生まれたシリル・スコットは、生前あまり顧みられなかった人ですが、最近になって評価が高まっていることで知られています。彼の作品はどれも控えめな美しさに満ちていて、幾分ドビュッシーを思わせる印象派風の和声があったりと、なかなか侮れないものばかりです。この「ピアノ五重奏曲」も冒頭では静かな水面を思わせる音楽なのですが、曲が進むにつれ、少しずつ不可解な世界が形成されていきます。この境目はとても曖昧で、いつしか迷いの森に足を踏み入れてしまったかのよう。神秘的なものを愛したという作曲家の、好みの片鱗が見えるような極めて豊かな音楽です。(2016/01/27 発売)
レーベル名 | :Naxos |
---|---|
カタログ番号 | :8.571355 |