クングスバッカ・ピアノ三重奏団
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D.929はシューベルトは晩年に作曲した、2曲のピアノ三重奏曲のうちの一曲です。歌心溢れる優美な美しさと、時に漂う寂寥感といった、晩年の彼ならではの魅力と深みに満ちています。また、決して名人芸的なものではありませんが、ピアニズムの面でも注目すべき書法を多く含んでいると申せましょう。最終楽章は、シューベルトの晩年の作品について言われる、所謂「天国的な長大さ」の好例となっていますが、当盤ではシューベルトが出版時にカットした99小節を省かずに演奏しており、より長大さを満喫していただけます。一方D.28は、サリエリらの指導を受けていた修業時代の作品ですが、弱冠15歳の少年の作とは思えない完成度の高さには驚かされます。(2006/10/01 発売)
レーベル名 | :Naxos |
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カタログ番号 | :8.555700 |
ショパンは「ピアノの詩人」と称されますが、ほんの一握りの室内楽作品も書いています。そのほとんどは、10代に書かれたもので、晩年の作品のような深みは薄いものの、甘美で抒情的なメロディに満ちています。ピアノ三重奏曲は19歳の作品で、チェロの名手であったポズナニ皇太子、アントニ・ラジヴィウに献呈されています。2台のピアノのためのロンドは18歳の時の作品。夏の休暇を友人宅で過ごしたショパンが着想したといわれています。こちらは彼の死後、友人のフォンタナが出版したものです。フルートのための変奏曲は、14歳頃に着想されたもので、ロッシーニの歌劇「チェネレントラ」のアリア「悲しみと涙のうちに生まれ」を主題としています。ここでフルートを演奏しているのは名手バイノン。なんと贅沢なことでしょう。2曲のワルツとマズルカも18歳頃の作品です。ちょっぴりメランコリーで、きらきら輝く若きショパンの青春譜です。(2012/01/18 発売)
レーベル名 | :Naxos |
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カタログ番号 | :8.572585 |
ハイドン(1732-1809)はその生涯にピアノ三重奏曲を41曲以上書いたとされています。ここに収録された4曲は、ハイドンの創作の絶頂期である1794年から1795年にかけて作曲されたもので、2回目のロンドン訪問を行った時期です。小規模ながらも、熟達の書法を見せるこれらの作品はロンドン在住の未亡人レベッカ・シュレーターのために書かれ、彼女に捧げられています。彼女の存在は、60歳を越えたハイドンの創作意欲を高め、作品の上にも大いなる実りをもたらした事は間違いありません。事情が許せば、結婚も考えていたというハイドンですが、残念ながら彼には「本妻」がいたため、それは叶うことのない夢に終わりました。全曲に漂う夢のような甘い雰囲気は、そんな気持ちを現わしているのかもしれません。(2011/10/19 発売)
レーベル名 | :Naxos |
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カタログ番号 | :8.572040 |
第1集(8.572040)、第2集(8.572062)に続くクングスバッカ・ピアノ三重奏団によるハイドン(1732-1809)のピアノ三重奏曲、第3集です。第21番から第23番までは1793年から94年にかけて作曲されたとされていて、出版は訪問先のロンドンで行われました。一度はエステルハージ家から離れるも、結局は楽長に再就任したハイドンですが、この2つの曲も、当時のエステルハージ公ニクラウス2世の妻マリーに捧げられています。円熟した曲想とピアニスティックな書法が見られる整った作品群です。第14番はその少し前に書かれたもので、ピアノ・パートに比重が置かれた作品です。第2楽章のアダージョの美しさは絶品です。(2012/10/24 発売)
レーベル名 | :Naxos |
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カタログ番号 | :8.572063 |
ハイドンの室内楽作品は、その巧み過ぎる作曲語法が却って音楽ファンを遠ざけている傾向があり、これらのピアノ三重奏曲も「好きな人にはたまらない」曲集であっても、大抵の人は「ちょっとねぇ」と敬遠してしまうのではないでしょうか。しかし、実際に聞いてみると、その独創性と多様性にはまることは間違いありません。このクングスバッカ・ピアノ三重奏団の演奏は第1集(8.572040)でも見事なハイドン像を構築していましたが、この第2集でも、4つの作品の関連性を紐解きながら、素晴らしい解釈でこれらを演奏しています。
第27番から29番までは、第1集と同じく、ロンドンで出版されたもの。ロンドンで名ピアニストとして評判をとっていたテレーズ・ジャンセン(当時25歳?)に献呈されています。第30番はイギリスからウィーンに戻ってきた1796年に書かれたもので、熟練の香りが漂う名品です。この曲は誰にも献呈されていません。(2012/06/20 発売)
レーベル名 | :Naxos |
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カタログ番号 | :8.572062 |
フォーレ(1845-1924)の初期の名作であるピアノ四重奏曲第1番は1879年に書かれました。その頃のフォーレは婚約を一方的に破棄されるなど精神的に疲れていましたが、この曲の冒頭はとても荒々しく挑戦的。転調や音色の変化などに実験的要素も多くみられますが、基本的には優しいアルペッジョと流麗なパッセージが現れては消えていくフォーレらしい音楽です。第3楽章の悲痛なメロディには失恋への思いがこもっているとも言われています。対してピアノ三重奏曲は、1922年から1923年、フォーレの最晩年に書かれた作品で、全くムダのない構成を彩る漣のような音型と、チェロ、ヴァイオリンの美しい歌。弟子のフローラン・シュミットが「これこそが音楽だ。そして音楽以外の何者でもない。」と評したほどの完璧な音楽です。晩年のフォーレのメロディは時として、薄暮の中に沈むような揺らぎを持ちますが、この曲は豊かな旋律性を湛えています。添えられた3曲はどれもお馴染みの作品で、フォーレ入門にもふさわしい彩りを持っています。(2013/11/20 発売)
レーベル名 | :Naxos |
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カタログ番号 | :8.573042 |
フォーレ(1845-1924)の音楽と言うと、あの美しいレクイエムを思い起こす人も多いのではないでしょうか?あくまでも清らかであり、一切の夾雑物を削ぎ落としたかのような柔和な優しさに溢れた響きは、永遠の名曲と呼ばれるにふさわしいものです。そんなフォーレは室内楽の分野にも数多くの名作を残しています。このピアノ四重奏曲第2番は1885年頃から1886年、レクイエムと同時期に書かれたものと推測されています。レクイエムの作曲への直接の動機は彼の父の死と言われていますが(フォーレ自身は否定している)この作品全体にも仄かな悲しさが漂っています。第1楽章、冒頭の激しく打ち付けるピアノの音は、まるで雨粒のような切なさを呼び起こします。クングスバッハ・ピアノ三重奏団によるこの演奏、カップリングされている他の曲も魅力的。元々はピアノ独奏曲である"ドリー"の子守歌、続く「3つの無言歌」のしっとりとした編曲版と、後期の作品であるピアノ三重奏曲のヴァイオリン・パートをクラリネットに置き換えた印象的な編曲。これは他では聴くことのできないユニークなものです。(2014/08/27 発売)
レーベル名 | :Naxos |
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カタログ番号 | :8.573223 |
ここに収録された3曲のピアノ三重奏曲は1788年に作曲されました。この年には最後の3曲の交響曲も書かれており、まさに円熟期の傑作と呼ぶに相応しい情熱溢れる名作と言えるでしょう。K.442の三重奏曲は未完に終わったものを、彼の没後友人であるシュタッドラーが補筆したものです。もともと1つの作品として書かれたものではなさそうですが、作曲時期はほぼ同じ頃とされています。この第1楽章における中間部の転調の妙はまさに天才の技に他なりません。演奏は第1集と同じ、クングスバッカ・ピアノ三重奏団。第3回メルボルン国際室内楽コンクールの覇者たちです。(2009/04/22 発売)
レーベル名 | :Naxos |
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カタログ番号 | :8.570519 |