グスタフソン, ヨアキム
Search results:6 件 見つかりました。
(2016/11/23 発売)
レーベル名 | :Dacapo |
---|---|
カタログ番号 | :2.110415 |
デンマークでシチリア系の家庭に生まれ、19世紀後半から20世紀前半を生きたアウゴスト・エナの大作2編を収めたアルバム。メロディアスで分厚いサウンドが魅力です。ワーグナーとフランス近代音楽に影響を受けた重厚なサウンドと次々と湧き出る親しみやすい楽想を持ち、国際的・普遍的なスタイルを目指したエナの作品は、民族色が希薄なこともあって、デンマークよりもアメリカやオーストラリアで好評を博しました。このアルバムに収められた2曲ともエナ作品の特徴である美しいメロディが特徴です。エナ自身がヴァイオリニストだったこともあり、高度な技巧と情感豊かな表現を結び付けたヴァイオリン協奏曲は彼の代表作とされることの多い充実した出来栄え。急緩急の3楽章構成で、第2楽章アンダンテが悲劇的な和音で始まるのが強い印象を残します。アレグロ・スケルツァンドの終楽章にシベリウス作品に通じるものを感じる人もいることでしょう。交響曲第2番は伝統的な4楽章構成で、ブルックナーのようにもワーグナーのようにも聞こえるところがあります。この「初めて聴くのに既視感がある」というのはエナ作品の特徴かもしれません。後期ロマン派のオーケストラ作品を開拓したい人にお勧めです。コロンビアのボゴタ・フィルがホットな演奏を展開しています。(2023/08/18 発売)
レーベル名 | :Dacapo |
---|---|
カタログ番号 | :8.224753 |
スウェーデン出身の作曲家ニクラス・シーヴェレフ。若い頃から優れたピアニストとして活躍してきましたが、近年は作曲家としても注目が高まり、作品を耳にする機会が増えました。このアルバムには2010年代に書かれた3つの管弦楽作品が収録されており、冒頭の「春」と題された交響曲第3番は伝統的なソナタ形式を持つ作品で、湧き上がる喜びが活発なリズムで表現されています。第2楽章でさまざまな楽器が旋律を歌い継ぐ場面での牧歌的な雰囲気も聴きどころ。「5つの小品」は、TOCCATAレーベルの主宰者マーティン・アンダーソンの亡き妻に捧げた音楽。強い悲しみと慰めの心が表現されています。「交響曲第4番」は、シーヴェレフが学生だった1980年代に、課題として作曲したパッサカリアを発展させた曲。とはいえ、主題は巧妙に隠されており判別は容易ではありません。シーヴェレフの広範な作曲技法が伺える少し難解な作品です。(2020/11/13 発売)
レーベル名 | :Toccata Classics |
---|---|
カタログ番号 | :TOCC0571 |
スウェーデン出身のピアニスト・作曲家ニクラス・シーヴェレフによる2曲の交響曲。6歳からオルガンを学び、14歳でピアノに転向、17歳の時にストックホルム王立音楽院に入学し、作曲とピアノを学んだシーヴェレフは演奏家として活躍するかたわら、交響曲も積極的に作曲。この10年間で6曲を完成させ、現在7作目に取り掛かっているということです。2013年に書かれた交響曲第1番は、この年に息子が生まれたことで創作意欲を高めたシーヴェレフによる作品で、彼の故郷であるスウェーデン北部の風景と、シベリウスの影響が感じられる色彩的な音楽です。パワフルな打楽器セクションとピアノ・パートを持ち、激しいリズムの応酬と金管楽器のコラールを特徴とします。交響曲第5番は「オーケストラのための協奏曲」。とはいえ各楽器に名人芸が求められるのではなく、2つの楽章はAdagioのゆったりしたテンポで進み、あくまでも内省的に静かな楽想が発展します。第2楽章の主題は、彼が愛猫のために作曲したジャズ・バラードが元になっており、ブルースの影響を受けたハーモニーが心地よく耳に残ります。(2022/12/09 発売)
レーベル名 | :Naxos |
---|---|
カタログ番号 | :8.574508 |
デンマーク初の女性電子音楽家と言われるエルセ・マリー・パーゼ。ピエール・シェフェールやカールハインツ・シュットックハウゼンらと共同制作を行い、優れた作品を世に送り出していた彼女ですが、2016年1月18日にこの世を去りました。このアルバムでは、これまでほとんど知られることのなかった「オーケストラ作品の作曲家」としてのパーゼの一面が紹介されています。彼女の代表作「エチュード」と同名のヴァイオリン協奏曲はリゲティを思わせる曲調による4つの部分からなる作品。各々の部分にはニールセンの交響曲第2番「4つの気質」にちなんだタイトルが付されています。弦楽オーケストラのための「パラメーター」は3つの楽章で構成され、グリッサンドを多用するバルトークを思わせる音楽。「色についての7つの作品」は、一人の作曲家の作品とは思えないほど多彩な作風による小品の集まり。7つの音列が使用されており、これは1958年に書かれた電子音楽のための作品「セブンサークル」と共通するものです。そして、恐らく彼女の最初の管弦楽作品と推測されるトランペット協奏曲は、特殊奏法による様々な音色が必要で、12音技法で書かれながらも、時にはジャズ風な雰囲気を感じさせるユーモラスな曲調をもっています。(2022/12/16 発売)
レーベル名 | :Dacapo |
---|---|
カタログ番号 | :8.226719 |
デンマーク交響楽の近代化に貢献したヴィクトー・ベンディクスの2作品が登場。ベンディクスはコペンハーゲンに生まれニルス・ゲーゼとJ.P.E.ハルトマンに師事した後、リストとワーグナーの「新しい音楽」に傾倒し、ワイマールでリストに師事。《ローエングリン》と《ニュルンベルクのマイスタージンガー》のデンマーク初演に携わり、1872年にはバイロイトでワーグナーが指揮する「第九」の演奏会に出席しました。彼が遺した4曲の交響曲から、このアルバムには第1番と第3番を収録。彼の初の管弦楽作品である第1番は山頂の神殿に向う過程での登山者の内面の変容、人智を超えた高次元の存在への覚醒をテーマにした交響詩的な作品で、構想、形式、作曲技法のあらゆる面でデンマーク作曲界にブレークスルーをもたらし、ランゴーの交響曲第1番にも影響を与えたと言われています。第3番には表題はありませんが、幻想曲と題された第1楽章、ドイツ語で「Bunte Bilder=多彩な絵」と名付けられた第2楽章、作品の核心とも言えるメランコリックな第3楽章からは、諦観にも通じる内省的な思考が感じられます。スウィトナー、セーゲルスタムらに学んだスウェーデンの指揮者ヨアキム・グスタフソンとマルメ交響楽団が起伏に富んだ演奏を聴かせ、作品の魅力を引き出しています。(2024/08/30 発売)
レーベル名 | :Dacapo |
---|---|
カタログ番号 | :8.224742 |