フルネゾン, アドリアン
Search results:6 件 見つかりました。
【作品に潜む普遍的魅力をスタイリッシュかつ精緻に伝える《アティス》新録音】フランス王ルイ14世の王室音楽監督リュリによる最大の傑作の一つ《アティス》新録音。1676年の初演以来ルイ14世が深く愛し「王のオペラ」の異名を持つ本作に、欧州歌劇界を賑わせるアルゼンチン出身の異才アラルコンによる最新録音が映像付きで登場。ヴェルディやワーグナーの大作でも活躍するマシュー・ニューリン演じる主役アティスと、イタリア・バロック作品解釈で知られるG.ブリデッリ、アラルコンの数々の名盤で重要な役柄を演じてきたA.キンタンスによる2人の女主人公との悲恋の物語を、精緻な解釈に脈々と情熱を宿した音作りでじっくり聴かせます。ルイ14世生前の度重なる再演時と同じく序幕を省き、作品に潜む普遍的魅力を追求した采配はコンテンポラリーダンスの名匠として有名な演出家プレルジョカージュの判断でもあり、付属の映像では日本の能にヒントを得たオーガニックで抽象的な舞台展開から企図がよく伝わることでしょう。演出家・指揮者へのインタビュー(1987年のW.クリスティ初録音にも触れています)を含む充実のブックレット(仏・英・独語)も読み応え充分。CD録音と映像は一部別キャストながら双方錚々たるソリストが揃い、深く温もりある声が印象的なニューリンの傍らユンカー、ブロンデール、オヴィティら古楽作品のスペシャリストたちも抜群の存在感で応えます。撥弦・鍵盤が各2人加わる充実のオーケストラは2023年に惜しまれながら亡くなったフローランス・マルゴワールがコンサートマスターを務め、アルバムは彼女の思い出に捧げられています。(2025/05/23 発売)
レーベル名 | :Château de Versailles Spectacles |
---|---|
カタログ番号 | :CVS113 |
【ラモーに追い迫り新時代を築いたフランス18世紀の名匠、象徴的傑作待望の全曲録音!】既に数多くのグラン・モテ(管弦楽付き教会声楽曲)や舞台音楽が録音されてきたモンドンヴィルは、巨匠ラモーと共にフランス王ルイ15世の公妾ポンパドゥール夫人の愛顧を受けた18世紀中盤の人気作曲家。《パルナス山の謝肉祭》はラモーと共に彼の名声も絶頂に達しつつあった1749年に初演されて大成功を収め、その後も1759年と1767年、そして作曲家歿後の1774年にもリヴァイヴァルされた金字塔的傑作。ニケやヴァシュヘーギら古楽シーンの俊才たちも折に触れ名場面をとりあげ録音もしていますが、全曲通しての録音はこれが初となります。26人の弦楽器奏者に対しフルート、オーボエ、バスーンをそれぞれ4人ずつ起用、一対のホルンとティンパニ、パイプ&テイバーが加わる充実編成。これを率いメロディアスで精彩に富んだ作品美を十全に引き出すのは、近年バロックから初期ロマン派まで広範なレパートリーの古楽器演奏で話題を呼んでいる指揮者アレクシス・コセンコ!ブロンデール、ギユメット、ヴィダルら今を時めく欧州歌劇界の名歌手たちと共に、羊飼いたちが暮らす理想郷で少女リコリスへ思いを寄せる太陽神アポロンを巡る物語を起伏豊かに現代に蘇らせます。「英雄舞踏劇」と銘打たれている通り、躍動感に富んだ舞曲ナンバーが多い点も魅力の一つ。モンドンヴィル随一の自然でメロディアスな音運びを通じ、古典派前夜の流麗な音楽を抜群の古楽器オーケストラと名歌唱で堪能できる録音です。(2024/04/12 発売)
レーベル名 | :Château de Versailles Spectacles |
---|---|
カタログ番号 | :CVS122 |
【ルイ14世最晩期を彩った気鋭デトゥーシュの充実作】ヴィヴァルディやヘンデルが注目を集め始めた頃、1714年11月にパリの王室音楽アカデミー劇場(オペラ座)で初演された《テレマークとカリプソ》は、翌年9月に亡くなることになる老王ルイ14世が最晩期に賞賛した人気作曲家デトゥーシュの充実作。前年にオペラ座の総監査役を任された彼は、王が愛した往年の大家リュリを彷彿とさせる活躍を劇音楽の世界で見せていました。古代ギリシャの英雄叙事詩『オデュッセイアー』に取材した、オデュッセウスの息子テレマーク(テレマコス)が父を探しにゆく途中で海難の末たどりついた島での顛末を描いた序幕付き全5幕の構成も、まさしくリュリの伝統を受け継ぐ正統派。全編を通じて合唱を効果的に用いつつ、いたるところに舞曲をふんだんに盛り込みながら、フランス語の韻律をイタリア流の歌心に沿わせるデトゥーシュの確かな作曲手腕が活きています。小ぶりのアンサンブルで驚くほど雄弁な音楽を織り上げてゆくのは、フランスのバロック・オペラ界で目覚ましい活躍を続ける才人集団レゾンブル!表題役のドリュエとロンドピエールを筆頭に、さまざまな役柄をこなすハスナア・ベナニや女主人公を演じるエマニュエル・ド・ネグリら独唱者には存在感ある歌手が揃い、名手揃いの器楽合奏(弦楽合奏にはレ・タンブルの名手・川久保洋子も参加)と緊密なアンサンブルを通じて正統派のフランス・バロック劇音楽世界を描き出します。再評価目覚ましいデトゥーシュの真髄に触れられる、本場ヴェルサイユ発の頼もしい全曲録音です。(2024/04/12 発売)
レーベル名 | :Château de Versailles Spectacles |
---|---|
カタログ番号 | :CVS128 |
【ルイ14世の楽団規模を凌駕? 精鋭大編成で織りなすフランス最新のシャルパンティエ像】フランス語による音楽劇の古典的形式(抒情悲劇)を創出したリュリ亡き後、後続世代の作曲家が続々発表したフランス語オペラの一つであるシャルパンティエの《メデ》。尽くした甲斐なく恋敵クレユーズの元へ去ったジャゾンへの憎悪から、彼との間に生まれた子供たちまで自らの手で殺してしまうメデの恐ろしい復讐劇です。1693年の初演こそ失敗に終わりましたが、その充実したドラマは20世紀に入ってシャルパンティエへの再評価が進む中で見直され、今や同作曲家の劇音楽への適性を示す重要作の一つに数えられています。それにもかかわらず滅多に出ない全曲録音が、劇的起伏と高雅な表現に長けたニケの指揮で待望のリリース!独唱陣はヴェロニク・ジャンスとシリル・デュボワという申し分ない主役二人を始め今のフランス歌劇界を代表する第一線の名歌手揃い。通奏低音陣はヴィオール(ガンバ)とチェロ、テオルボが二人ずつ配され、ヴィオールの齋藤由香やチェロのトゥルモー・ダレンら名手たちによる頼もしい声楽サポートが光ります。クラヴサン(チェンバロ)は大ベテランのエリザベート・ガイガー。リコーダーのエロイーズ・ガイヤール、無孔ナチュラル・トランペットのジャン=フランソワ・マドゥーフなど世界的ソリストの名も見られるオーケストラは弦だけで30名。いわばルイ14世の弦楽合奏団「24のヴァイオリン」を凌ぐ規模で、ニケの指揮の下での一体感と才気に満ちた音作りは管楽器勢の活躍と相俟って実に聴きごたえ充分です。(2024/01/12 発売)
レーベル名 | :Alpha |
---|---|
カタログ番号 | :ALPHA1020 |
【フランス語圏の最前線を担う才人歌手たちが聴かせる豊かな歌曲世界】フランス革命で中世以来の修道院としての役目を終え、19世紀に復活するも20世紀初頭以降は廃院、近年は古楽や現代音楽のワークショップや演奏会、録音などでも使われているロワイヨモン修道院。この歴史的建築を拠点とするロワイヨモン財団がオルセー美術館と共同で進めている新世代歌曲演奏家育成プロジェクトのアカデミー・オルセー=ロワイヨモンで学んだ歌手・ピアニストたちが集い、歌曲芸術のルーツともいうべきドイツ語歌曲の世界とフランス近代歌曲の傑作を聴かせます。「パリへの旅」の題にふさわしく、演奏家たちはそれぞれに多様なバックグラウンドを持ち、歌われる内容と相俟って今もなおパリが重要な文化交流の拠点であることを改めて実感できる内容。既にフランス各地の歌劇界での活躍が注目されているブレンダ・プパールやMIRAREでソロ録音をリリースしているシリエル・ンジキニャ&カオリ・オノなど、今後が期待される演奏家たちが既に現時点で比類ない歌曲解釈者であることを強く実感させてやみません。両言語とも詩句の濃やかな表現をじっくり聴き確かめられる録音エンジニアリングにも好感が持てます。(2023/09/08 発売)
レーベル名 | :B Records |
---|---|
カタログ番号 | :LBM053 |
【待望の新録音!大成期のマスネによる新機軸の名品オペラを最前線の演奏陣で】フランス革命期から第一次大戦前までの「長い19世紀」におけるフランス音楽の綿密な紹介に意欲を注ぐロマン派フランス音楽センター(Palazetto Bru Zane)が、継続的に光をあててきた巨匠マスネの歌劇世界。傘下のBru Zaneレーベルからは秘曲の全曲録音に加えて2024年には最重要作《ウェルテル》のバリトン版異稿もリリースされましたが(BZ1056)、今回はその少し後、国際的名声を盤石のものにしたマスネがさらなる新境地を探るべく世に問うた《グリゼルディス》(1901)の全曲録音です。南仏プロヴァンス地方を舞台に、起伏に富んだ中世物語に悲劇的要素と悪魔が活躍する滑稽な場面を織り交ぜてゆく実験的ともいえるドラマ作りがなされた本作は、初演時の成功にもかかわらず5年後の1906年を境に長く上演されませんでした。全曲録音はこれが初ではありませんが、21世紀最初の全曲録音がこうしてロマン派フランス音楽センターによる最新研究、フランス随一の演奏陣で行われたことは何より歓迎すべきことと言えるでしょう。サントニ、クリストヤニス、シャルヴェら気鋭歌手陣による聴き手をはっとさせる演技力豊かな歌唱を得て、カナダとフランスをまたにかけ活躍するゼトゥニが起伏に富んだドラマを精妙に解釈。同レーベルの常通り、図版満載で内容充実度抜群のブックレット(仏語、英語)も読みごたえがあります。(2025/01/24 発売)
レーベル名 | :Bru Zane |
---|---|
カタログ番号 | :BZ1058 |