グソー, ジュリー
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ヘンデルの親友として知られ、数多くの声楽曲を遺し音楽理論家としても活躍したドイツ後期バロック音楽の作曲家ヨハン・マッテゾン。彼は生涯に8曲の歌劇を書きましたが、その中の一つがこの喜劇《ボリス・ゴドゥノフ》です。1710年、ハンブルク歌劇場のために書かれた歌劇で主人公はムソルグスキーの歌劇と同じく、実在したロシアのツァーリ、ボリス・ゴドゥノフ(在位1598-1605)をモデルにしています。ただし内容はムソルグスキーの歌劇のようにシリアスなものではなく、2人の皇帝の滑稽な陰謀に巻き込まれるロシア、デンマーク、スウェーデンの貴族の物語です。しかし、初演前に突然マッテゾン自身により取り下げられ、以降彼の存命中に上演されることはありませんでした。当時のハンブルクとロシアの関係悪化が理由と推測されていますが、真相は謎に包まれています。作品の総譜はハンブルク市立図書館に収められた後、第2次世界大戦時に紛失しましたが、かろうじてソ連に持ち込まれた写本がアルメニアで発見され、こちらがハンブルクに返却されたことで、2005年におよそ300年の年月を経てようやく初演が行われました。後にボストンにてスティーブン・スタッブスも作品の上演を行いましたが、この2021年のインスブルックでの新演出による上演はヨーロッパ初の舞台公演となります。指揮はチェンバロ奏者としても知られるアンドレア・マルキオル。素晴らしい歌手たちと古楽アンサンブル「テレジア」が鮮烈な演奏を披露しています。(2022/10/28 発売)
レーベル名 | :CPO |
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カタログ番号 | :555502-2 |