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ラティア, サヒ

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  • グルック: 歌劇《エコーとナルシス》

    【大御所グルックが最後に放った不遇な傑作。ニケが精彩鮮やかに蘇らせる!】「驚愕の一言です!もう本当に。“パリでもウィーンでも失敗”と聞けば、グルックもさすがに晩年は霊感が枯渇してしまったに違いない……などと思ってしまいますが、実態は全くそうではありませんでした。あくまで当時の目まぐるしい流行の変化の中、人々が感じた第一印象の問題だったのです。」(エルヴェ・ニケ/原盤解説より)バロック期以来のイタリア・オペラ作法への違和感から、作品全編がオーケストラと共に一貫性ある物語を紡ぎ出す独特な歌劇を確立、後年のワーグナー楽劇の先駆ともいうべき「改革オペラ」の語法を大成させたグルック。ウィーンの神聖ローマ皇室で絶対的信頼を得た後、マリー=アントワネットの導きで訪れたパリでも注目され、フランス・オペラの世界でも新しい模範となりました。しかし最後の完成作《エコーとナルシス》はパリでもウィーンでも驚くほど上演回数が伸びず、失敗作との印象からか後世にも顧みられる機会が少なく録音物さえ滅多にありません。18世紀のフランス語オペラ復権に精力的なエルヴェ・ニケは今回、ルネ・ヤーコプス指揮の1987年録音以来40年近く全曲録音がなかったこの幻の重要作と正面から向き合ってみて、上に引用した通り作品本来の充実度に驚きを禁じ得なかったとのこと。神々の呪いによりナルシスは水面に映った自分の姿に恋焦がれ、エコーは他者の言葉をオウム返しに語る以外に話せなくされたがゆえにナルシスへの思いを伝えられない……物語を味わい深く描き取ったグルックの音楽はクラリネットを含む管楽器群を生かした色彩感にあふれ、ニケのタクトで起伏豊かな解釈を聴かせるル・コンセール・スピリチュエルの演奏はまさしく抒情的の一言。最前線歌手二人がつとめる表題役の頼もしさに加え、ニンフらを演じる女声歌手たちも精彩に富んだ音楽の機微をよく伝えてくれます。グルックの晩年を見直す好機となりそうな待望のリリースと言えるでしょう。(2023/08/25 発売)

    レーベル名:Château de Versailles Spectacles
    カタログ番号:CVS095

  • 詳細

    ビゼー:稀少作品集(ドゥルエ/ラティア/マルタン/リール歌劇場合唱団/レ・シエクル/ロト)

    【ビゼーの希少作品を豪華演奏陣で!その多面的な才能を読み解く好企画】2025年が歿後150周年にあたるビゼー。《カルメン》と『アルルの女』が極度に有名で演奏機会もきわめて多い一方、他の作品となると初期の交響曲、オペラ《真珠採り》や《美しきパースの娘》、ピアノ連弾のための『子供の遊び』などが比較的取り上げられるだけで、36年余の人生に比して多作と言ってよいほどの数に上る彼の音楽は、大半が忘却の淵に沈んだままと言っても過言ではありません。記念年に寄せてロマン派フランス音楽センター(Palazetto Bru Zane)から登場するこの4枚組は、幻の初期カンタータ『ヴィルジニの帰還』が2024年5月に初演(!)された際に収録された世界初録音を筆頭に、管弦楽を要する大作を含む活動初期から、早すぎた晩年までの演奏機会に恵まれていない作品を厳選しています。特に、ローマ賞受賞で若き作曲家に活路を拓いた『クローヴィスとクロティルド』、初演時に低評価だったもののビゼーが「我が道を見出した」と語ったオペラ=コミーク《ジャミレ》(台詞部分も音楽とトラックを分けて全て収録した全曲録音)は、僅かに存在する既存録音に比肩しうるドラマティックな演奏内容。前者はフランス近代音楽の古楽器演奏で優れた実績を重ねてきたロト指揮レ・シエクル、後者はALPHAのモーツァルト録音の数々で知られるショーヴァン&ル・コンセール・ド・ラ・ロージュという錚々たる演奏陣による解釈です。19世紀当時の奏法による古楽器録音はどちらも世界初です。ラロやデュパルクら同時代人の傑作に劣らぬどころかビゼー特有の個性が光る歌曲群は、シャルヴェ、ブーロンという名歌手に加えユニークな来日公演でも好評を博しているアンソニー・ロマニウクがピアノで参加。早世した第一級の声楽・劇音楽作曲家ビゼーの才能がいかに多面的であったか、錚々たる演奏陣による名演の数々とBru Zaneレーベルならではの充実解説(仏語、英語)でじっくり読み解ける好企画です。(2025/03/14 発売)

    レーベル名:Bru Zane
    カタログ番号:BZ1059