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フィルクシュニー, ルドルフ(1912-1994)

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    ドヴォルザーク:ヴァイオリン協奏曲/ピアノ協奏曲(リッチ/フィルクシュニー/セントルイス響/ジュスキント)

    ドヴォルザークの没後120年を記念して、VOX音源の中でも特に評価の高いアルバムが新リマスターで登場!VOXが1975年に3枚組LPでリリースした「独奏楽器と管弦楽のための協奏的作品全集」は、 その演奏・録音両面で高い評価を得、 形態を変えつつ再発売を重ねて来ました。このCDには、LP2枚目からヴァイオリン協奏曲とLP3枚目のピアノ協奏曲を収録しています。前者のソリストは1918年生まれのルッジェーロ・リッチ。11歳でカーネギーホール・デビューを成功させ、1947年にはパガニーニの24のカプリースを世界で初めて録音したことでも知られます。ここではロマン派ヴァイオリン協奏曲の王道を行く、朗々とした歌い回しと明るく美しい音が印象的。リッチ自身の1961年Decca録音よりも第1楽章と第2楽章はやや速めのテンポを取り、前者の演奏時間32分余りに対して当盤は29分余り。音質も含めて、聴き比べも大いに楽しめることでしょう。ピアノ協奏曲のソリストはチェコ生まれで生前は来日も多かったフィルクシュニー。「外連味が無い」と評されることから地味という先入観を持たれがちですが、曲本来のブリリアントな聞かせどころはしっかりと決め、民俗舞曲風のリズムの弾みは自然体、高揚感も穏やかな抒情もオケと一体化して見事です。フィルクシュニーと1歳違いでやはりチェコ生まれのジュスキントが、首席指揮者として6シーズン目を迎えていたセントルイス響から深みのある響きを引き出し、個性の異なる各ソリストに当意即妙に付けているのも聴きどころ。録音エンジニアのマーク・オーボートは自らの録音イメージを「ホールの4列目か5列目で客席から10フィート(約3m)ほど宙に浮いてオーケストラを見渡す」と語っていましたが、その言葉が実感できるような広がりと奥行きのあるサウンドステージが展開されます。前回のCD化(CDX-5015)も録音の優秀さは伝わりましたが、マイク・クレメンツによる24bit192kHzリマスターではオーケストラの響きがより豊かに、個々の楽器の質感がより明瞭になり、高域に伸びと潤いが加わって硬さが取れているのが収穫です。尚、ブックレットには初出LPに掲載されていた曲目解説と初出時のLPジャケットが掲載されています。(2024/02/23 発売)

    レーベル名:Vox
    カタログ番号:VOX-NX-3035CD