パワー, ローレンス(1977-)
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【若手の名手たちによる、ハンガリーの室内楽作品】アルファ・レーベルとロッケンハウス室内楽フェスティヴァルとの共同制作アルバム。2012年よりクレーメルからロッケンハウスの芸術監督を引き継いだドイツ・フランス系チェリスト ニコラ・アルトシュテットを中心に、躍進著しいノルウェーのヴァイオリニスト ヴィルデ・フラング、英国のヴィオラ奏者ローレンス・パワー、そしてハンガリーからヴァイオリンのバルナバーシュ・ケレメンとヴィオラの(ヴァイオリン奏者でもある)カタリン・コカシュというメンバーが、近代ハンガリー音楽史にとって重要な2人、バルトークとヴェレシュの作品を収録しています。1907年に当時ハンガリー王国領であったコロジュヴァール(現ルーマニア、クルジュ=ナポカ)に生まれ、バルトークやコダーイに学んだヴェレシュ。戦後、当時の前衛に傾倒したため政府の弾圧を受けスイスに亡命し、当地で長く活動を続けました。その後しばらくは知られざる作曲家でしたが、近年はその教え子であったリゲティ、クルターク、ホリガーらとバルトークの世代を繋ぐ重要な役回りとして注目されています。ここに収められた弦楽三重奏曲は、十二音階に複雑なリズム、自由な楽想といった前衛要素を多分に含みながらも、ハンガリーの田園風景を思わせるフォーク・ミュージックがその下地となっていることも十分感じさせる興味深いものです。23歳のバルトークが作曲、自らピアノを務めて初演を行ったピアノ五重奏曲は、若々しい野心が迸る聴き応えのある作品。第4楽章ではハンガリー舞曲風の楽想まで飛び出します。いずれも芸術監督アルトシュテットが長年録音を目論んでいた作品で、若手を中心としたメンバーが瑞々しく躍動的な快演を聴かせます。(2019/08/23 発売)
レーベル名 | :Alpha |
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カタログ番号 | :ALPHA458 |
【アルトシュテットとロッケンハウス音楽祭のメンバーによる、シェーンベルクの名作と知られざるレガメイの注目作】1946年、心筋梗塞で倒れ生死をさまよったシェーンベルクがその直後に書き始め、身体的心象的状況を反映させた弦楽三重奏曲は、通しても20分に満たない演奏時間ながら、3挺の弦楽器のみによる表現の限界に挑むかのような起伏の激しい難曲。クリンゴルツ、パワーそしてアルトシュテットの3人が、息もつかせぬ緊張感の高い演奏を聴かせています。1907年、現ウクライナのキーウにスイス・ポーランド系のユダヤ人として生まれたコンスタンティン・レガメイは、作曲家のほか、ピアニスト、音楽評論家としても活躍し、1936年からはワルシャワ大学でインド言語学の講師も務めていたという多才な人物。収録された五重奏曲は彼がポーランドのレジスタンス運動に加わった1942年に作曲が始められ、ノルマンディー上陸作戦当日の1944年6月6日、秘密裏に初演されました。特異な編成であることも含めてメシアンの「世の終わりのための四重奏曲」を連想させますが、時代の重い空気を帯びているものの動きある作品で、メンバーの妙技が随所で発揮されています。(2023/03/24 発売)
レーベル名 | :Alpha |
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カタログ番号 | :ALPHA948 |
エストニア生まれの作曲家スヴェン・トゥール。若いころにロック・グループ「In Spe」を率いた経験を生かし、9曲の交響曲、声楽曲をはじめとした「クラシックとプログレ・ロックの融合」による刺激的な作品を多く生み出すことで知られています。このアルバムではロンドン生まれのヴィオラ奏者ローレンス・パワーをソリストに据えたヴィオラ協奏曲と、同じく高名なリコーダー奏者ジェネヴィーヴ・レイシーの独奏によるリコーダー協奏曲、2010年に作曲された交響曲第8番を聴くことができます。トゥールの生まれ故郷ヒーウマー島の作曲小屋でインスピレーションを受けた「リコーダー協奏曲」、神秘的な雰囲気に彩られた「ヴィオラ協奏曲」。この2曲でのトゥールの音楽は、常に変化、発展し、ソリストとの関係性も深まっています。小規模な編成のための「交響曲」もトゥールらしいジャンルボーダーレスな音楽です。(2018/02/23 発売)
レーベル名 | :Ondine |
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カタログ番号 | :ODE1303-2 |
1978年、イギリス生まれの作曲家ベッドフォードは、王立音楽大学で作曲を学び、2008年にイギリスの作曲家賞を受賞、2010年にはハレ管が彼の作品を世界初演し注目を浴びました。2009年から2012年にはウィグモア・ホールのコンポーザー・イン・レジデンスを務めるなど、イギリス現代音楽の牽引者として活躍しています。「集中と拡大」、これはベッドフォードの音楽に浸透している基本理念です。伝統からの脱却を図りながらも、伝統に固執するという正反対の作風を採り、その音楽は複雑でありながらも決して難解ではありません。このアルバムにはユニークなタイトルを持つ5曲を収録。ドラマティックな歌曲集「OrvoitToutenAventure」が聴きものです。(2019/05/24 発売)
レーベル名 | :col legno |
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カタログ番号 | :WWE1CD40404 |
今や母国フィンランドにとどまらず世界の現代音楽シーンの重鎮的存在となっているマグヌス・リンドベルイの近作を集めたアルバム。リンドベルイはパルシヴかつ激しく、時に爆発的なサウンドを用いた先鋭的な作風で知られてきましたが、近年は重厚なサウンドはそのままに調性感を持ちロマンティックな趣を加えたスタイルに変化しつつあり、その動向がますます注目されています。ヴィオラ協奏曲は7つの部分からなる演奏時間33分ほどの大作。ソリストは分厚いオーケストラと渡り合いつつ、随所で高度なテクニックを求められます。ここではローレンス・パワーが見事に重責を果たしています。ベートーヴェン生誕250年の記念にロッテルダム・フィルから委嘱された「不在」は、ベートーヴェンの楽曲のモチーフを随所に引用した演奏時間11分余りの作品。特に「不在」をテーマにしたピアノ・ソナタ第26番「告別」の旋律が効果的に使われています。シカゴ交響楽団の委嘱作「セレナード」についてリンドベルイは、ゆったりとした穏やかな音楽ではなく「ワイルドなセレナードだ」と語っています。マーラーの「夜の歌」のスケルツォを参照したとも語り、また曲の終わり近くにはベートーヴェン作品の引用も聞かれます。演奏時間17分余り、大規模で力強く起伏に富んだ異色のセレナード。フィンランド放送交響楽団と2021年から楽団の首席指揮者を務めるニコラス・コロンがパワフルかつ切れ味の良い演奏を展開。優秀録音で評価の高いベテラン、エンノ・マエメツが録音とマスタリングを担当しており、オーディオ的にも楽しみな1枚です。(2024/09/06 発売)
レーベル名 | :Ondine |
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カタログ番号 | :ODE1436-2 |