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ローマ交響楽団

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    カタラーニ:交響詩「エーロとレアンドロ」/スケルツォ/アンダンティーノ/コンテンプラツィオーネ/イル・マティーノ(ローマ響/ラ・ヴェッキア)

    カタラーニ(1854-1893)というと、悲恋オペラ「ワリー」の1曲のみで知られている作曲家と言っても過言ではありません。プッチーニやヴェルディと言った大御所の影に隠れてしまったとはいえ、その美しいメロディや劇的な管弦楽法は存分に人々の心を捉えるものであることは間違いありません。そんなカタラーニ、実はオペラ以外にもいくつかの作品を残していました。とりわけ、ギリシア神話を題材にした「エーロとレアンドロ」は1884年の夏に作曲された交響詩で、登場人物たちや情景の的確な描写と、音楽の構造の見事さが評価される作品です。塔に籠もり、愛する人レアンドロが海を泳いでくるのを待つエーロ。しかしある嵐の日、彼は波に呑まれてしまいます。彼らの逢瀬を描く音楽はまるでワーグナーを思わせる重厚なものです。これとは対照的なスケルツォ イ長調は簡素で古典的な音楽。そして彼の恐らく最初の作品の一つであるアンダンティーノには、若き作曲家の野心が満ち溢れています。フランス音楽の影響が感じられるコンテンプラツィオーネ、自由な楽想が魅力的な「シンフォニア・ロマンティカ」。どれも素晴らしい作品です。(2014/02/19 発売)

    レーベル名:Naxos
    カタログ番号:8.573072

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    クレメンティ:交響曲第3番、第4番/序曲 ハ長調(ローマ響/ラ・ヴェッキア)

    クレメンティ(1752-1832)の4つの交響曲は彼の生前に発表されることはなく、クレメンティ自身も「交響曲のスコアは全て破棄した」と述べていました。しかし1917年に競売を経て図書館に買い取られた手稿譜の中に、交響曲の断片が含まれているのが発見され、苦労して復元した結果、4曲の交響曲といくつかの断片としてまとめられることが判明したのです(あのアルフレード・カゼッラも復元作の研究を行い、第1番と第2番とおぼしき作品を演奏したという記録もあります)。実際、どのような校訂を行ったとしても完全な形を復元するのは不可能ですが、ここで聴ける形でも充分にクレメンティの「管弦楽作曲家」としての才能をかじることはできるはずです。洗練された筆致で描かれたバランスのよい作品は、ロマン派への架け橋として高く評価されるものです。(2013/10/23 発売)

    レーベル名:Naxos
    カタログ番号:8.573112

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    クレメンティ:ピアノ協奏曲 ハ長調(1796)/メヌエット・パストラーレ/交響曲集 Op. 18, Nos. 1, 2 (カニーノ/ローマ響/ラ・ヴェッキア)

    交響曲第1番&第2番(8.573071),交響曲第3番&第4番(8.573112)に続く、クレメンティ(1752-1832)の初期管弦楽作品のシリーズです。1780年代にいくつかの交響曲を作曲したクレメンティですが、いざ出版しようとした頃にハイドン登場。音楽界の人気を全て持って行ってしまったため、その他の作曲家たちは自作を出版することが難しくなってしまったのでした。1796年に作曲されたピアノ協奏曲は、通常ソナタとして弾かれるOp.33-3の「原型」とされています。自筆譜はなく、1796年にヨハン・シェンクが書き写した譜面が残されていますが、本当のところ、ソナタが先で協奏曲が後なのかはわかっていません。クレメンティの伝記作家プランティンガは、オケ・パートはシェンクによるもので、クレメンティの手によるものではないとも主張しています。Op.18の2つの交響曲は極めて古典的な様式を持つ整った美しさに満ちた作品です。変ロ長調の第1番は若干控えめですが、ニ長調の第2番は野心的な和声を持つ快活な音楽。ハイドンへの対抗意識もあったでしょうが、これはこれで素晴らしい作品になっています。(2014/09/24 発売)

    レーベル名:Naxos
    カタログ番号:8.573273

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    スガンバーティ:ピアノ協奏曲/シンフォニア・フェスティヴァ(ダメリーニ/ローマ響/ラ・ヴェッキア)

    イタリア人の父とイギリス人の母の下に生まれたジョヴァンニ・ズガンバーティ。トレヴィで初期の音楽教育を受けたあと、1860年にローマに移住。当時ローマに住んでいたフランツ・リストに師事するとともに親交を結び、師から多大な影響を受けました。またワーグナーの音楽にも接したことで、当時ベルカント・オペラが支配していたイタリアの音楽界にドイツ音楽を採り入れ、オーケストラ音楽の普及に力を尽くしたことでも知られています。このアルバムには、優れたピアニストでもあったズガンヴァーティの技巧がうかがえる華麗な「ピアノ協奏曲」と、短いながらも、ベートーヴェンの第7交響曲を彷彿させる舞踏的な性格を持つ「シンフォニア・フェスティヴァ」の2曲を収録。既発の交響曲第1番(8.573007)と同じく、フランチェスコ・ラ・ヴェッキアが指揮するローマ交響楽団の演奏です。(2023/12/08 発売)

    レーベル名:Naxos
    カタログ番号:8.573272

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    ペトラッシ:フルート協奏曲/ピアノ協奏曲/組曲「オルランドのフォリア」(アンチロッティ/カニーノ/ローマ響/ラ・ヴェッキア)

    イタリアの作曲家、ゴッフレード・ペトラッシ(1904-2003)。カゼッラやマリピエロ、レスピーギなどの「新音楽協会」を結成した世代より少し遅れて生まれた彼は、そのキャリアのはじめの頃は新古典主義や旋法を用いた作品を書いていましたが、時代の流れには逆らい難く、無調や十二音技法にも興味を持ち、結局はこれらをうまく融合した独自の作風を貫くことで自らの作曲語法を確立させた人でもあります。このアルバムにはフルート協奏曲とピアノ協奏曲、そして管弦楽曲の3つのジャンルの曲が収録されていて、彼の作風の変遷を辿ることができます。早い年代のピアノ協奏曲はまさに新古典主義の音楽で、プロコフィエフやヒンデミットを思わせるものですが、フルート協奏曲は明瞭な旋律線を感じさせない茫洋とした音楽。時折聞こえるパーカッションの音色が斬新です。バレ音楽はその中庸を行くもので、このまま映画音楽に仕えそうなほど、湧き立つような音の洪水が楽しめます。(2014/03/26 発売)

    レーベル名:Naxos
    カタログ番号:8.573073

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    マリピエロ:毎日の幻想曲/パッサカリア/協奏曲(ローマ響/ラ・ヴェッキア)

    最近、その復興が著しいイタリアの近代作曲家たちですが、その中の筆頭とも言えるマリピエロ(1882-1973)の珍しい作品の登場です。もともとモンテヴェルディとヴィヴァルディの校訂者としてその名を挙げたマリピエロですが、自作はかなり前衛的であり、フランスの印象派の影響を存分に受けていました。もちろん半音階、12音も積極的に用い、難解な作品も生み出していますが、ろでも仄かな叙情性も湛えた不思議な味わいを持っています。このアルバムには3つの作品が収録されていて、そのうち2曲は世界初録音というもの。「毎日の幻想曲」は彼が持っていた、走り書きのようなアイデアから生まれたものですが、これがまた見事な構造を持った音楽です。「パッサカリア」は、厳格な形式を嫌っていたマリピエロにしては珍しいもので、主題の反転、逆転などの手法を繰り返しながらも、少しずつ「ずれ」が生じていくのを見るのが怖いような楽しいような音楽です。協奏曲集はこのアルバムの白眉であり、小さな「前置き」と「結び」を持つ7つの部分からできています。各々の協奏曲で使われる楽器は複数で、いわばバロック期の「合奏協奏曲」のような構造を持った小さな協奏曲の集まりです。優雅なフルート、激しいドラム。そしてねっとりとしたコントラバスなど、楽器の特性も存分に生かされた見事な曲たち、これは本当に素晴らしいものです。(2014/11/26 発売)

    レーベル名:Naxos
    カタログ番号:8.573291

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    マンチネッリ:ヴェネツィアの風景/「クレオパトラの悲劇」のための6つの交響的間奏曲(ローマ響/ラ・ヴェッキア)

    19世紀から20世紀にかけて、イタリアを席捲していたのは華やかなオペラでした。そんな中「器楽音楽を復興しよう」と立ち上がったのがレスピーギやカセッラ、マルトゥッチであることはよく知られています。しかし、その少し前の世代であり、この運動を発足させた作曲家マンチネッリ(1848-1921)の名前を知っている人がどのくらいいるのでしょうか?彼はボローニャ音楽院院長を経て、ニューヨークのメトロポリタン歌劇場の指揮者に就任。イタリア故国ではヴェルディやプッチーニよりもワーグナーとその系譜にあたる作品を積極的に紹介した人であり、作曲家としてもやはりワーグナー風の壮大な作品を何曲か残しています。とは言え、どちらかというと指揮者としての活動が高く評価されているためか(生地オルヴィエーロの歌劇場には彼の名が冠されている)その作品については、あまり耳にする機会が持てないのが現状でしょう。しかしながら、ここで聴く2つの作品は、まさにレスピーギを先取りするものであり、色彩的で活力に溢れたもの。埋もれさせておくには心底惜しい作曲家です。(2013/05/22 発売)

    レーベル名:Naxos
    カタログ番号:8.573074

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    リチャード・イッター・アーカイヴからの偉大なソリストたち(D. オイストラフ/ヘンデル/デ・ヴィート/カンポーリ/ネルソヴァ/ブルショルリ/ブレイン)(1953-56)

    【リチャード・イッター・アーカイヴに残る巨匠たちの名演を一堂に!】英国音楽の録音を積極的に行い、知られざる作曲家の発掘にも貢献した「Lyrita Recorded Edition」レーベル創立者、リチャード・イッター(1928-2014)。彼が当時最先端のプロ用機材を用い、1952年からエアチェックしていたというBBC放送の音源を集めた貴重なコレクションから、BBCの正規ライセンスを受けCD化するシリーズ。今回の4枚組には、ヴァイオリン、チェロ、ピアノ、そしてホルンの巨人たちがソリストとして残した記録を集めています。指揮者やオケとの丁々発止のやり取り、いざとなれば他は置き去りにして一人で突っ走ることも辞さないという、往年の巨匠たちの妥協なき妙技をたっぷりと堪能することができます。近年再評価の機運高まっている幻のピアニスト・ブルショルリの貴重な録音と、天才デニス・ブレインの神業ホルンを収めたDISC4は特に注目です。(2019/07/12 発売)

    レーベル名:ICA Classics
    カタログ番号:ICAC5159