カガン, スーザン
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現在ではベートーヴェンの最初の教師として、その名が知られているネーフェ。彼は1748年、ケムニッツの歴史ある職人の家に生まれました。学生時代から才能豊かで、1771年にはライプツィヒの音楽学校で学びます。1776年には、指揮者として楽団を率い、各地を演奏旅行するのですが、楽団の経済的失敗により職を失い、ボンの劇場に作曲家、音楽監督として採用されるのです。以降、作曲の教師を始め、多くの弟子をとるようになり、その中の「優秀な一人」がかのベートーヴェンだったというわけです。バッハ・ファミリーの熱烈なファンであったネーフェは、弟子たちの教材にバッハの平均律や、C.P.E.バッハの作品を積極的に取り込んだようで、ベートーヴェンも間違いなくその影響を受けています。アルバムの最後に収録された「変奏曲」は12歳のベートーヴェンがネーフェの勧めにより作曲、出版したものですが、この端正な響きはまちがいなく師譲りのものと言えるでしょう。そんなネーフェ自身の作品が聴ける貴重な2枚組です。(2012/05/16 発売)
レーベル名 | :Grand Piano |
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カタログ番号 | :GP615-16 |
NAXOSスタッフの丹念な布教活動(?)のおかげで、ようやくフェルディナント・リース(1784-1838)の名前がクラシック業界内に浸透してきた昨今ですが、まだまだ知られざる作品が山のようにあります。このヴァイオリン・ソナタもそんな曲。こんなにステキな作品がこれまで録音されなかったとは、なんという損失でしょう。ご存知の通り、一時期ベートーヴェンに師事し、生涯を通じて親友であり、また伝記を執筆したリースですが、残した作品は膨大であり、またその作風はベートーヴェンと似ているようであり、実はかなり異質な雰囲気を備えたものなのです。彼は18曲のヴァイオリン・ソナタを描いていますが、これらのほとんどは1807年から1809年、パリに滞在した2年の間に書かれています。当時のフランス国民はオペラに取りつかれていて、これらの作品には全く関心を示すことがありませんでした。そこで彼はヨーロッパ・ツアーにソナタを携えていったのでした。モーツァルトを思わせるウィーン風の優雅なスタイルで書かれていますが、なかなかひっかけどころの多い興味深いソナタです。(2015/03/25 発売)
レーベル名 | :Naxos |
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カタログ番号 | :8.573193 |
最近、熱心なファンのおかげで知名度が高まってきたフェルディナント・リース。ベートーヴェンの弟子、友人としてのみ知られていましたが、その作品の独自性にも注目が集まり、少しずつ演奏される機会も増えてきています。とは言え、このアルバムに収録されているヴァイオリン・ソナタはどれも世界初録音。まだまだ知られざる作品が数多く眠っている作曲家と言えるでしょう。この3曲のソナタは、まだベートーヴェンよりもモーツァルトの影響が強く感じられますが、決して規則に縛られるのではなく、自由な息吹が感じられるユニークな作品。ベートーヴェン風のフレーズも登場したりと興味深い箇所が見受けられます。作曲年代は彼自身が作成したカタログに準拠しています。(2017/09/29 発売)
レーベル名 | :Naxos |
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カタログ番号 | :8.573717 |
これまではベートーヴェンの弟子、友人としてのみ知られていたフェルディナント・リース。最近になって作品の独自性にも注目が集まり、少しずつ演奏される機会も増えてきています。とは言え、ヴァイオリン・ソナタはまだ未知の領域であり、第1集、第2集、そして今作である第3集、どれもが世界初となる貴重な録音です。このアルバムには3つのソナタを収録。1810年に書かれたOp.18は、ベートーヴェンの影響を色濃く受け継いでいますが、開始部はかなり斬新な和声に基づいています。その8年後に作曲され、こなれた作風を持つOp.83はシューベルトを思わせる長調と短調の交替が聴きどころ。伸びやかな旋律の美しさも魅力的です。
(2018/10/31 発売)
レーベル名 | :Naxos |
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カタログ番号 | :8.573862 |
NAXOSレーベルではすっかりおなじみ、ベートーヴェンの弟子であり友人であったフェルディナント・リース(1784-1838)のピアノ・ソナタ&ソナチネ集の第6集は、彼の連弾のための3つのソナタ(ソナチネ)です。彼の作品の中におけるピアノ・ソナタは特別な意味を持つことは間違いなく、初期のものは師であるベートーヴェンの影響を受けつつも、後期の作品はロマン派の作曲家たち、メンデルスゾーンやシューマンに強い影響を与えるほどに熟成したものとなっていました。このアルバムに収録された3曲は、どれもが個性的な表情を湛えた素晴らしい音楽です。規模が小さく単純な構造を持つOp.6のソナチネの主題は、一瞬ベートーヴェンを思わせますが、もっともっと無邪気で楽しい音楽です。作曲されたのは意外に遅くリース自身のカタログによると1825年とされていますが、これは恐らく教育用に書かれているため、ことさら易しく作られているのでしょう。Op.47のソナタは1816年の作品で、リースがヨーロッパ・ツアーを成功させた後、ロンドンで新しく地位を築いた頃の作品です。1831年頃に作曲されたOp.160のソナタは「グランド(大)・ソナタ」として出版され、カール・チェルニーに献呈されました。ピアノの鍵盤を隅から隅までフルに使い、オーケストラを凌駕する厚い響きを追求。またイ長調と銘打たれているものの、音楽は長調と短調を行き来するなど、想像を遙かに超えた充実した音楽が展開されていきます。(2013/09/25 発売)
レーベル名 | :Naxos |
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カタログ番号 | :8.573063 |
名ピアニストであり、ベートーヴェンの友人、そして伝記制作者として知られるフェルディナント・リースのピアノ・ソナタ集です。彼はクレメンティからハイドン、モーツァルトへとピアノ音楽が変遷していく中、独自の方法でピアノ・ソナタを作曲し始めました。彼の作風はそのままシューベルトやメンデルスゾーンなどのロマン派へと続いて行くものです。ハ長調のソナタは威厳のあるポロネーズで始まり、情緒的な第2楽章、悲痛な第3楽章を経て、快活な終楽章へと続きます。巧みな転調などは、古典派の作品には見られないものです。「不運」と題された嬰ヘ短調のソナタは、ベートーヴェンからの影響が見て取れます。第1楽章の構成などはほとんどそのまま「悲愴ソナタ」ですし、第2楽章にも第3楽章からも「ベートーヴェンらしさ」が漂います。ただ、リースはベートーヴェンほどの破壊力を持つことはなく、あくまでも上品な嘆きに留まってしまったところが不運だったと言えるでしょう。単一楽章で書かれた「夢」は6つの部分からなる事実上のソナタです。1813年に訪れたロンドンで自身の活動を広く知らしめるために書いた作品で、翌年に発表したところ大きな成功を収めることになりました。(2010/09/15 発売)
レーベル名 | :Naxos |
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カタログ番号 | :8.572204 |
NAXOSではおなじみのリースのシリーズです。リースはベートーヴェンにピアノを学び、ピアニストとしてヨーロッパ各地を演奏旅行しました。彼の作品は師の影響を受けつつも、とても独創的であり、また確立された個性を有しています。ニ長調のソナタは、1808年に作曲された若き頃の作品です。フランス滞在時の1811年に出版されています。ニ長調という明るい調性を見事に生かした快活な第1楽章は、確かに古典派とロマン派を繋ぐ豊かな発想が感じられます。特徴的なリズムを持つ第2楽章、そして終楽章は見事な変奏曲となっています。この曲の中に「18世紀の良き音」を聴くことができるでしょう。変イ長調のソナタはリースの最後から2番目のソナタです。1826年に書かれ、彼の作曲技法の頂点を極めるものとして聴きどころの多い作品です。静けさと平穏に満たされたように見える第1楽章にも様々なドラマが隠されています。今作も名手カガンによる明晰な解釈でお楽しみください。(2011/02/16 発売)
レーベル名 | :Naxos |
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カタログ番号 | :8.572299 |
スーザン・カガンによるリース(1784-1838)のソナタ・ソナチネ第5集です。全部で14曲あるこれらの作品中、今作は1823年頃に書かれたOp.114と最後の作品であるOp.176(1832年作)、そして恐らく1800年代初頭に書かれたであろう最初の作品WoO11の3曲を収録しています。ロ短調ソナタは明らかにベートーヴェンの影響が感じられますが、どことなく未熟な感が否めないのは仕方ないところでしょう。やはり後期の作品は練られたもので安心して耳を傾けることができるというものです。かのロベルト・シューマンは1835年に「新音楽雑誌」で、フェルディナント・リースと、ベートーヴェンについて言及。リースについては「注目に値する独創性」と称賛しています。古典派からロマン派へ。この時代に生きた作曲家は誰しも多かれ少なかれ、この波に揉まれたに違いありません。(2011/07/13 発売)
レーベル名 | :Naxos |
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カタログ番号 | :8.572300 |