ミラー, ミナ
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この胸を切り裂くかのような悲痛な2つの歌曲集。どちらもナチスの迫害を生き延びた人々の激情、脆弱な希望、そして絞り出されるかのような幽かなユーモアを織り交ぜたテキストによるものです。2004年11月8日に英語ヴァージョンが世界初演された「キャンプの歌」は2003年のピューリッツァー賞のノミネート作品です。曲自体は、どこかマーラーの「子どもの不思議な角笛」を思わせる素朴でアイロニカルなもの。ちょっと聴いただけでは、どちらかというと明るさが勝っていているような印象を受けますが、「本当に悲しい時には涙も出ない」と言われるように、どの曲にも執拗なまでの生への渇望が込められているのです。2008年5月12日に世界初演された「ゲットーの歌」はユダヤの音楽家&詩人モルデカイ・ゲビルティヒの詩による歌。やはり静かな怒りに燃える、心がずっしり重くなる歌曲集です。(2010/01/27 発売)
レーベル名 | :Naxos |
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カタログ番号 | :8.559641 |
2015年、シアトルのベナロヤホールで行われた「ホロコースト追悼コンサート」で演奏されたトム・チプロ(1956-)の「来世」は時と場所を越えて共鳴する2つの魂の物語です。一人はパブロ・ピカソ。もう一人はアメリカの詩人で美術収集家であるガートルード・スタインです。二人はどちらも20世紀初頭のパリで芸術を擁護し、また様々な形で戦争に対する考えを発表しています。二人が現代に甦ったらどのような対話をするのでしょうか?最初は不条理なコメディで始まるこの物語、フランス人孤児の少女が現れてからは少しずつ恐怖へと転換していきます。もう一つの作品、ライトマンの歌曲は、ルーマニアのユダヤ人家庭に生まれたメールバウム=アイジンガーの詩によるもので、彼女は15歳で詩を書き始めたものの、18歳の時にウクライナの労働収容所でチフスのために亡くなります。彼女の親戚がその詩を保存していたおかげで、現在でも残存し、この美しくも悲しい歌として甦りました。演奏は、退廃音楽のオーソリティ、ミュージック・オブ・リメンブランス。心が痛くなるような、何かを考えずにはいられない音楽です。(2016/03/30 発売)
レーベル名 | :Naxos |
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カタログ番号 | :8.669036 |
コンポーザー・イン・レジデンスを務めたサンフランシスコ・オペラなど、アメリカのオペラハウスを中心に活躍するコンポーザー=ピアニスト、ジャック・ヘギー(1961-)と、同じくアメリカのソングライター、台本作家のジーン・シーア(1958-)のコラボレーションによる歌曲集。先ごろ起こった「図書館の蔵書破損」の件も含め、あの第三帝国によるホロコーストの悲劇が終わって、ほぼ70年が経過しているというのに、私たちはまだその事実に正面から向き合うことすら出来ていないのかもしれません。どのような理由があったにせよ、犠牲となった人々は、ある日突然「通常の生活」をする権利を奪われ、想像を絶する地獄に放り込まれ、生殺与奪の権も無くしたというのに・・・。このアルバムに収録された3つの作品は、その時代に確かに生きていた人たちの言葉を元に作られたもの。「他の日の出」と「さようならアウシュヴィッツ」では、ホロコーストを生き抜いたポーランド=ユダヤ人女性クリスチナ・ジウルスカの詩、「見る、もしくは触れるために」で同性愛者(当時の社会では禁止されていた)マンフレッド・ルウィンの詩をテキストに用いることで、自由と迫害についての考察を迫ります。アンサンブル"ミュージック・オブ・リメンブランス"は「頽廃音楽」のオーソリティであり、溢れる悲劇性を客観的に捉え、人々に送り届ける役割を担っているのです。(2014/06/25 発売)
レーベル名 | :Naxos |
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カタログ番号 | :8.559770 |