オルティス, クリスティーナ
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サン=サーンス(1835-1921)の室内楽作品は、フランス音楽の歴史の中でも重要な位置を占めています。魅力的な個性と溢れるほどの抒情性、そして決して激昂することのない穏やかな表情が多いため、時として「没個性」とレッテルを貼られてしまうこともありますが、やはり聴き手にとって「心を落ち着ける場所」になることは間違いありません。1875年に書かれた「ピアノ四重奏」はフォーレの雰囲気を湛えた音楽。よく練られた構成を持ち、しばし劇的な感情の高ぶりを見せています。「舟歌」は1897年の作品で、最初はヴァイオリン、ピアノ、チェロとハルモニウムのために書かれましたが、ここではサン=サーンス自身の編曲によるハルモニウムの代わりにヴィオラを用いたの編成で演奏されています。本当に舟に揺られているような優美な作品です。1854年から1855年にかけて作曲された「ピアノ五重奏曲」は、思いの他厳粛な音で始まりますが、すぐに美しい流れが現れます。シューマンのピアノ五重奏を思わせる内省的で、名ピアニストだった彼らしい充実したピアノ・パートをもっています。(2013/04/24 発売)
レーベル名 | :Naxos |
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カタログ番号 | :8.572904 |
独自の和声感と調性を追求したためか、晩年の作品はある意味「捉えどころのない美しさ」に満ちているフォーレの音楽。この2曲のピアノ五重奏曲もまさにそんな音楽です。第1番は中期から後期への過渡期に書かれていて、境目はぼやけていても、メロディラインはしっかりしています(もちろんそれを取り巻く音の流れはとめどなく流動的ですが)。晩年近くに書かれた第2番になると、更に音楽は晦渋の度合いを深めていくのです。さざめくピアノのアルペジョと、本来の拍子とずらした拍を用いることで感じる浮遊感(ヘミオラといいます)、そしてぼやけた調性。耳がなじむまでに少々時間を必要とするかも知れませんが、一度この世界に慣れてしまうと、まるで暖かい水の中で体を丸めているかのような安らぎを覚えることでしょう。(2009/08/26 発売)
レーベル名 | :Naxos |
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カタログ番号 | :8.570938 |
ただただ何も考えずに音楽だけを聴いていたい。そんな時にオススメしたいのがフランクの室内楽作品です。余計な表題や形式などにとらわれることなく、ひたすらゆったりとした時間に身を任せるという贅沢な気分になれること間違いありません。弦楽四重奏曲は1889年から1890年の間に書かれた作品で、ベートーヴェンやメンデルスゾーンの影響も受けてはいますが、随所に現れる独特な節回しは、少しでもフランクを知る人にとっては極めて懐かしいものとして耳に残ることでしょう。もちろん循環形式を用いて書かれています。1878年から79年にかけて書かれたピアノ五重奏曲はサン=サーンスに献呈されていますが彼は初演時のピアノ・パートを受け持ったものの、終演の際、献呈されたスコアを残したままステージから去ってしまったと言われています。恐らくサン=サーンスには晦渋過ぎたのかもしれませんが、一見冷たそうに見えるこの曲も聴きこめば聴きこむほどに味が増してきます。フォーレの五重奏曲と同じくオルツィスのピアノとファイン・アーツ四重奏団の演奏で。(2010/01/27 発売)
レーベル名 | :Naxos |
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カタログ番号 | :8.572009 |
「最も注目すべきイギリスの若き作曲家!」とサン=サーンスに絶賛されたこともある作曲家ボウエン(1884-1961)。彼はロンドンの王立音楽アカデミーで学び、ピアニストとしても名声を得ていました。彼の作品はモダンな和声を取り入れながらも、基本的に後期ロマン派の語法から外れることがなく、その慎重さが「古臭さ」として捉えられてしまい、その作品も少しずつ忘れられてしまったのです。このアルバムに収録された「24の前奏曲」は彼の代表作であり、あの"奇人"ソラブジに献呈され大絶賛されたことで知られています。この中にはボウエンの全てが詰まっていると言っても過言ではないほどに、多彩な表現が凝縮されています。奇妙で美しい作品群です。(2014/04/23 発売)
レーベル名 | :Grand Piano |
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カタログ番号 | :GP637 |