ザックス, ジョエル
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流石はアメリカ実験楽派の中でも、大物中の大物のアイヴズです。ピアノを核とした、小規模アンサンブルを中心とした当盤ですが、常人の発想を超越したそのサウンドの刺激度たるや、脳に心地のよい痺れが来るほどです。暴力的なまでに打ち付けられるピアノの音塊をバックに、絶叫するかのようなソプラノが絡んだり(3など)、弦楽器が狂ったように走り回ったり(6など)、物凄いとしかいいようがありません。4分音(通常の半音の中間)に調律したピアノを用いた15~17は、まさに調子が外れたような響きの連続で、慣れてくると気持ちがよい?ですが、それまでは体質によっては、気分が悪くなるかもしれませんのでご用心!(2005/06/01 発売)
レーベル名 | :Naxos |
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カタログ番号 | :8.559194 |
ブックレット表紙の作曲者自身の雄姿に見られるような、ピアノの弦から直接音を出す内部奏法、手のひらや腕を使って、多数の音を一度に鳴らすクラスター奏法は、カウエルのトレードマークともいうべきものでしょう。当盤のピアノ曲、ピアノパートの多くでも使用されており、「エレジー」「バンシー」など、ほとんどピアノ曲に聴こえないほどです。その他、「イランへの礼賛」でのアラブ系無国籍風?のなんともいえない調べや、ピアノ、ヴァイオリン、打楽器の編成の妙をカウエル流に発揮した「5つのセット」(無窮動的な第4曲など特に印象的)など、とにかく不可思議サウンドが満載で新鮮な驚きに満ちています。(2005/05/01 発売)
レーベル名 | :Naxos |
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カタログ番号 | :8.559193 |
アメリカ実験音楽を代表する一人であるカウエルは、実にさまざまな試みを行いました。その中でも特によく知られているのは、肘や手の平で、ピアノの鍵盤を一度にたくさん押さえて、文字通り「音の塊」を鳴らす、トーン・クラスター奏法や、鍵盤でなく内部の弦を直接触って音を鳴らす、内部奏法の大々的な使用です。当然ながら当盤収録のピアノ曲(やピアノパート)でも、トンデモないことになっています。そしてカウエルの音楽の素晴らしいところは、このような実験的要素が実験のための実験に堕することなく、表現のための技法として昇華されており、誰の耳にもわかりやすく楽しめるようなものとなっていることでしょう。(2005/03/01 発売)
レーベル名 | :Naxos |
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カタログ番号 | :8.559192 |
20世紀アメリカの名室内楽曲を辿る本シリーズ、今回はブルックリンに生まれ、シェーンベルク、ブロッホ、セッションズらに学び、ヨー・ヨー・マを指導したこともあるという、キルシュナーの登場です。彼の音楽は、耳当たりのよい旋律がほとんど見当たらないにもかかわらず、ダイレクトに聴衆に感情に訴えかけてくるような、力強い表現力を持っています。奏者には、それぞれの楽器の持っている特性を素直に引き出す範囲で、高度な要求が課されており、演奏効果も高い作品ばかりです。特にピアノ三重奏曲など、激しいリズムや、鋭い音のぶつかりによるテンションの高まりが凄まじく、ただひたすら圧倒されるばかりです。(2005/07/01 発売)
レーベル名 | :Naxos |
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カタログ番号 | :8.559195 |
アメリカ前衛音楽における女流として知られるシーガーの音楽は、特にその1920~30年代の作品が「いかにも前衛」な作風で刺激的です。中でもインパクト絶大なのは、「3つの歌」でしょう。メゾ・ソプラノ、オーボエ、打楽器、ピアノが独奏的な主要な役割を務める、室内オーケストラのための作品ですが、特に謎めいた超低音を終始奏し続ける打楽器の存在感は異様ですらあります。低音楽器2台によるディアホニック組曲第2番も、ユニークな楽器用法に驚かされます。またヴァイオリン・ソナタは、作曲者によって破棄された(写しが現存)若書きの作品ですが、後期ロマン派的要素を残しているところが魅力的です。Musical Heritage Society の再発売盤です。(2005/09/01 発売)
レーベル名 | :Naxos |
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カタログ番号 | :8.559197 |
プエルトリコ生まれの作曲家、シエッラの室内楽作品集。若い頃からカリブ海の伝統音楽に惹かれ、西洋音楽との融合を試み続けることで知られるシエッラですが、最近では伝統音楽以外の分野から素材を取ることにも興味を抱いており、このアルバムに収録されている「カンディンスキー」は、タイトル通り、ロシアの画家カンディンスキーの抽象画に触発された感覚的な組曲。トラック11ではサルサのリズムも登場。シエッラらしい作品として仕上がっています。この作品が完成する前、2002年には同じく画家ターナーに触発された「ターナー」も書き上げたシエッラ。絵画と音楽の融合によって生まれる音の追求に余念がありません。連弾のための「Formas de~」はシエッラの室内楽の中で最長の曲。シエッラと長年コラボレーションをしているアンサンブル「コンティヌム」の2人のメンバーのために書かれた特別な作品です。(2018/05/25 発売)
レーベル名 | :Naxos |
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カタログ番号 | :8.559849 |
ロバート・シエッラは現代アメリカの作曲家の中でも、最も新しい潮流に属します。彼は若い頃から、カリブ海の多様な伝統民族音楽に惹かれ、自作にそのエキスを取り入れ、更に洗練させました。ここに収録されているのもそのような曲ばかりで、最も初期の作品である「呪文」はアフリカ系キューバ人の儀式の合唱に基づくもの、クラリネット・ソロのための「5つのスケッチ」はプエルトリコやカリビアンポップス、そしてカタロニアの伝統音楽からインスピレーションを得るなど、どれもが不思議な情感に満ちています。(2008/03/05 発売)
レーベル名 | :Naxos |
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カタログ番号 | :8.559263 |
ヘラルド・トリビューン紙の毒舌評論家としても活躍し、「アメリカのサティ」ともいわれるヴァージル・トムソンの作風は、独特のワサビの効いたユーモア感覚が加わったものといえましょう。比較的キャリア初期に書かれた器楽曲、老境に差し掛かった頃の声楽曲のいずれとも、調子っぱずれを思わせるような不思議な音のぶつかり合いを見せながらも、素朴さすら感じさせる叙情性を持っているという点では、共通しているといえましょう。また、当シリーズで主流ともいえる、「過剰なまでの音の洪水」といった風情の作品たちとは、一味違っているともいえましょう。(2005/10/01 発売)
レーベル名 | :Naxos |
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カタログ番号 | :8.559198 |
ナンカロウといえば、人間には演奏不可能な超複雑なリズムや対位法、猛スピードのパッセージを駆使した、自動ピアノ用の作品群が有名ですが、当盤は「生身の人間」による演奏にこだわった内容となっています。そのため、収録曲の構想自体は、彼の作品の中では最も過激なものとはなっていませんが、そのリアライズ=生身の人間による表情豊かな演奏までを含めたトータルの面白度では、決して自動ピアノ作品に劣るものではありません。特に楽想の類似性が高い「小品第2番」などでは、強くその感を受けます。また、彼の音楽のもう一つの魅力であるジャズ、ブルース系の哀感も、生身の演奏ではより魅力的に引き出されているといえましょう。(2005/08/01 発売)
レーベル名 | :Naxos |
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カタログ番号 | :8.559196 |