クック, キャスリーン
Search results:2 件 見つかりました。
2015年、シアトルのベナロヤホールで行われた「ホロコースト追悼コンサート」で演奏されたトム・チプロ(1956-)の「来世」は時と場所を越えて共鳴する2つの魂の物語です。一人はパブロ・ピカソ。もう一人はアメリカの詩人で美術収集家であるガートルード・スタインです。二人はどちらも20世紀初頭のパリで芸術を擁護し、また様々な形で戦争に対する考えを発表しています。二人が現代に甦ったらどのような対話をするのでしょうか?最初は不条理なコメディで始まるこの物語、フランス人孤児の少女が現れてからは少しずつ恐怖へと転換していきます。もう一つの作品、ライトマンの歌曲は、ルーマニアのユダヤ人家庭に生まれたメールバウム=アイジンガーの詩によるもので、彼女は15歳で詩を書き始めたものの、18歳の時にウクライナの労働収容所でチフスのために亡くなります。彼女の親戚がその詩を保存していたおかげで、現在でも残存し、この美しくも悲しい歌として甦りました。演奏は、退廃音楽のオーソリティ、ミュージック・オブ・リメンブランス。心が痛くなるような、何かを考えずにはいられない音楽です。(2016/03/30 発売)
レーベル名 | :Naxos |
---|---|
カタログ番号 | :8.669036 |
1998年に設立され、「退廃音楽」と呼ばれる一連の作品を積極的に演奏し、ホロコーストの犠牲となった存在を広めることを目的に活動しているアンサンブル“ミュージック・オブ・リメンブランス”による新作オペラ。このチプロの歌劇《告別》は2019年5月19日、シアトルのベナロヤホールで初演された作品です。チプロは前作《アフター・ライフ》で現代におけるパブロ・ピカソとガートルード・スタインの魂の邂逅を描き、全米オペラ協会から賞を授与されています。この《告別》の物語はやはりホロコーストで命を落としたハンガリーの詩人ラドノーティの詩に基づくもの。死後、彼が経験した悲惨な体験を記したノートが発見され、人々に戦争の恐ろしさを伝えています。この物語は死を覚悟したラドノーティ(ミクローシュ)が最後の夜を妻と分かち合う姿を描いたもの。愛するものや美しいものを作るために命が与えられると理解する2人の姿は、刻々と変化する音楽で描かれていきます。希望も絶望もなく、夫妻と「死の天使」が紡ぎだす神秘的な音楽は、聴き手に静かな感動をもたらします。(2020/04/24 発売)
レーベル名 | :Naxos |
---|---|
カタログ番号 | :8.669044 |