ニールンド, カミラ
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バイロイト音楽祭2014 ― 繊細かつ劇的な《タンホイザー》
前作「さまよえるオランダ人」と同様に、ワーグナー入門にふさわしい作品。永遠の愛による魂の救済という筋立てはもちろん、ライトモチーフの使用など、その後のワーグナー作品を特徴づける要素が形作られています。コーバーの指揮、そして合唱はとりわけ見事。ニュルンドの色彩感に満ちた歌唱はエリーザベトの役に結実し、ケルルは抒情性とヘルデン・テノールとしての性格の間で適切なバランスをとることに成功しました。この演奏は、ワーグナーの中でも最もロマンティックな音楽表現が聴かれるこの作品に描かれた、誤解に苦しみ追放の憂き目にあった芸術家の姿を、繊細かつ劇的に描出しています。(オペラ・ジャーナル)(2018/07/27 発売)
レーベル名 | :Opus Arte |
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カタログ番号 | :OACD9044D |
2010年までウィーン放送交響楽団の音楽監督を務め(後任はコーネリアス・マイスター)、この楽団の士気を飛躍的に高め、かつ意欲的な演奏を数多く聴かせた指揮者ベルトラン・ド・ビリー。現在は世界中のコンサートホールと歌劇場で優れた演奏を披露しています。そんな彼の最新作はフランクフルト歌劇場とのワーグナー「ローエングリン」です。ワーグナー(1813-1883)の初期から中期における作品で、10世紀前半のアントウェルペンを舞台に英雄的なテノール"ローエングリン"と、純真なソプラノ"エルザ"、そして老獪なメゾ・ソプラノ"オルトルート"を中心に陰謀と愛が蠢くストーリー、いつの時代も聴く人の胸を打つものです。歌手たちの力量はもちろんのこと、オーケストラにも高い技術と表現力を要求するこの歌劇、ド・ビリーは透明感溢れる色彩で、見事にワーグナーが望んだであろう響きを表出しています。エルザ役のニュルンドやハインリヒ王役のシュトルックマンの安定した歌唱はもちろんのこと、タイトル役のケーニヒ(風貌は若干こわもて)の堂々たる歌唱にも注目です。(2014/09/24 発売)
レーベル名 | :Oehms Classics |
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カタログ番号 | :OC946 |
常に意欲的なプログラムで聴衆を興奮と感銘に導く指揮者シュペリング。彼の最新作は2014年に生誕300年を迎える作曲家グルック(1714-1787)のオペラ「アウリスのイフィゲニア」。しかしこれは只者ではありません。今回の演奏に使われたのはワーグナーによる改訂版。何しろワーグナーは、E.T.A.ホフマンを通じて知ったこの大作曲家グルックの思想に強く感銘を受け、グルックの唱えた「神話的題材を使う作劇法」を自らの作風に取り入れていく上で、彼自身がグルックの作品を指揮しながら、その問題点などを探って行き、結果的にこの改訂版が出来上がったというわけです(できるだけ原作を尊重しながらも、ワーグナーが不要と思った場面を省き若干の響きを付け加えた「無理のない」改編であることを付け加えておきます)。なお、グルックの原作では、序曲から切れ目なく本編が続くため、ワーグナーが序曲が「終わる形」にした「演奏会用序曲」も、この盤には収録されています。ニュルンド、エルスナーらベテラン歌手がしっかりと全体を引き締めた素晴らしい演奏です。(2014/03/26 発売)
レーベル名 | :Oehms Classics |
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カタログ番号 | :OC953 |