ショーヴァン, ジュリアン(1979-)
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【待望すぎる古楽器初録音! リュリとワーグナーを繋ぐグルック快挙の傑作】オーストリア出身のグルックによる《オーリードのイフィジェニー(アウリスのイフィゲニア)》は彼のパリ進出の成功を決定づけた重要作品で、リュリが確立したフランス・オペラにおいて新境地を拓いた傑作。ワーグナー編曲版で序曲だけ単独演奏されることも少なくありませんが、グルック自身の想定した姿に迫る古楽器での全曲録音CDはなぜか全くありませんでした(ミンコフスキ指揮は映像ソフトのみ、ERATOのガーディナー盤はリヨン国立歌劇場管弦楽団との現代楽器演奏、OEHMSのシュペリング盤はワーグナー編曲版)。その渇を潤して余りある当録音は、近年ハイドンの『パリ交響曲集』やモーツァルトの後期作品の録音でシーンを賑わせるフランスの古楽器集団ル・コンセール・ド・ラ・ロージュによるもの。指揮者ショーヴァンは細部まで徹底して作曲家の企図を読み解き、ソリストも初演歌手たちの個性をふまえて選出、後に付加された女神ディアーヌ降誕の場面は大道具での劇的効果をきらったグルックの考えに沿うよう排し、神官カルカスへの託宣でフィナーレが導き出される初演版を採用(この版も当盤が世界初録音)。随所で存在感をあらわす合唱もヴェルサイユの精鋭陣が見事に歌い上げます。レチタティーヴォとアリアが延々交互に続く形式を避け、オペラ全体を一続きの音楽として通作する「改革オペラ」の真骨頂、名歌手たちのドラマティックな歌唱と迫真の古楽器演奏でじっくりお楽しみ下さい。(2024/10/04 発売)
レーベル名 | :Alpha |
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カタログ番号 | :ALPHA1073 |
カリブ海に浮かぶ西インド諸島のひとつ、グアドループ島で、プランテーションを営む地主とウォロフ族出身の奴隷の女性の間に生まれたジョゼフ・ブローニュ・シュヴァリエ・ド・サン=ジョルジュ(1745-1799)。8歳の時にフランスへ移住し、ジャン=マリー・ルクレールにヴァイオリンを、フランソワ=ジョセフ・ゴセックに作曲を師事。1769年にはゴセックのオーケストラのメンバーとなりヴァイオリン奏者として卓越した腕前を披露。さらに歌劇、交響曲、室内楽など数多くの作品を作曲し人気を集めました。サン=ジョルジュは音楽にとどまらず剣術や乗馬にも優れた才能を示し、フランス革命に際しては革命政府の要請により、軍人として自身で編成した黒人部隊を率いて活躍。しかし革命前に王室と懇意であったことを理由に軍を追われた上、投獄され、ロベスピエールの失脚後に釈放されたものの病を得て没し、死後、その音楽は奴隷制の復活した第二帝政時代に急速に忘れられていきます…。このマルタン・ミラベル監督によるドキュメンタリーは、サン=ジョルジュの作品の演奏を交えながら、18世紀フランス音楽の研究家や音楽家の証言をもとに、その数奇な生涯と音楽作品に新たな光を当てています。特典映像としてサン=ジョルジュの楽曲を中心に、同時代のモーツァルト、ハイドンの作品を加えたコンサート映像を収録。カンビーニ=パリ四重奏団がオペレッタ、フランス歌曲をレパートリーとするソプラノ歌手マガリ・レジェとともにサン=ジョルジュが遺した音楽をみずみずしく奏でています。(2022/03/25 発売)
レーベル名 | :Bel Air Classiques |
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カタログ番号 | :BAC190 |
【新鮮解釈、ショーヴァンの「四季」と「ラ・フォリア」】モーツアルトの後期交響曲や「レクイエム」のような有名作をこれまでにない視点からの新解釈で披露し、世界中の音楽ファンを新鮮な驚きと共に楽しませてくれているジュリアン・ショーヴァンによる『四季』が登場。子供たちや俳優など様々な人々とこの作品で共演してきたという彼ら。特に、パリ五輪の公式ダンスでも話題のフランスの振付師ムラッド・メルズキのダンサー達からは大きな影響を受けたと言い、極端な独創性や誇張されたダイナミクスなどに頼ることなく、自然な身体的バランスと呼吸、自発性から今回の演奏が生まれたということです。とはいえ、ここに聴く演奏は十分に刺激的。曲順は通常の「春」からではなく「秋」から始められており、間に近年発見されたヴァイオリンのオブリガート付きアリアを挟み、最後にはフォリアを置くという構成となっています。弦楽を各パート一人ずつに絞った緊密なやり取りの中で映えるショーヴァンの緩急織り交ぜた妙技のほか、テオルボとバロック・ギターには名手キート・ガートも参加してアンサンブルを支え、時には煽るように先導することも。名盤あまたの『四季』ですが、異彩を放つ注目盤がまた一つ加わりました。(2024/03/15 発売)
レーベル名 | :Alpha |
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カタログ番号 | :ALPHA1005 |
【ピオーがピリオド楽器による管弦楽団と歌う、フランス近代歌曲集】「フランス音楽は管弦楽の色彩感」と言うなら、作曲家たちが思い描いていた当時のオーケストラの響きがどうだったか?とまず考えたい…その発想を最大限に活かして制作されたこのアルバムで、独唱者にサンドリーヌ・ピオーが迎えられているのはなんと喜ばしいことでしょう。「バロックの歌手として注目を集めてきた私ですが、実は子供の頃からフランス近代音楽がとくに好きで」と語る彼女と、モーツァルト以降の音楽を作曲当時の楽器と奏法で演奏し急速に注目を集めつつあるル・コンセール・ド・ラ・ロージュが披露するのは、19世紀中盤以降、近代フランス音楽がまさにオーケストラの色彩感において独特な存在感を発揮するようになっていた時代の音楽。1871年にサン=サーンスらが国民音楽協会を立ち上げて以降、フランスでは「管弦楽伴奏を活かした歌曲が少ない」という欠如を埋めるべく続々とこうした作品が生み出されましたが、本盤は1850年に管弦楽版が楽譜出版されたベルリオーズ『夏の夜』にまで遡りながら、フランス音楽における19世紀本来のオーケストラの響きを妥協なく追及していった好企画。デュボワやボルド、ギルマンなど近年注目を集めつつある「忘れられた重要作曲家」たちの傑作も多数収録されています。楽譜校訂を手がけた音楽学者ブノワ・ドラトヴィツキの記事をはじめ解説も充実。国内仕様は歌詞とともに日本語訳付です。(2019/06/14 発売)
レーベル名 | :Alpha |
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カタログ番号 | :ALPHA445 |
【バロック屈指の名画が並ぶパリの宮殿。フランスに愛された傑作を古楽器演奏で!】パリの只中、コンコルド広場にほど近い18世紀の宮殿。ルイ14世の治世末期にトゥールーズ伯の別邸として使われていたこの宮殿はナポレオン時代以降、現在にいたるまでフランス銀行の所有になっていますが、その「黄金の間」はグイード・レーニやピエトロ・ダ・コルトーナなど、西洋絵画史を語るうえでは欠かせないバロック大画家たちの傑作をあざやかな内装に組み込んだ、訪れる者を陶然とさせずにはおかない豪奢な内装が魅力。フランス古楽シーン最前線をゆく名手が揃うコンセール・ド・ラ・ロージュをこの大広間に招いての演奏会ライヴとその音楽を堪能しながら、細部に至るまで洗練された美を誇る宮殿内をじっくり鑑賞できる映像作品が登場します。演奏曲目には、この宮殿がアクティヴな社交の場として機能したであろうバロック~ロココ期のフランスで、とくに愛されていた内外の作曲家の名曲を中心に厳選。コンセール・ド・ラ・ロージュのメンバーで構成されているカンビーニ四重奏団(チェロは昨今クリストフ・ルセとの来日公演も大好評だった酒井淳)もモーツァルト、ボッケリーニなどの逸品で味わい豊かな演奏を聴かせ、欧州で古楽シーンのみならず歌劇界でも急速に注目を集めているジョディ・デヴォスの独唱も精妙。ハイドン作品は独奏パートが多く、18世紀そのままの内装をバックにした各パートの古楽器演奏を細部まで楽しめるショットが続々です。フランスの音楽映像監督として広範な活躍をみせてきたアンディ・ゾマーの視点はみごとなもので、古楽器演奏の粋をきわめた解釈を存分に味わいながら18世紀フランスへタイムスリップできる、夢のような一作に仕上がっています。(2020/01/17 発売)
レーベル名 | :Bel Air Classiques |
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カタログ番号 | :BAC571 |
【バロック屈指の名画が並ぶパリの宮殿。フランスに愛された傑作を古楽器演奏で!】パリの只中、コンコルド広場にほど近い18世紀の宮殿。ルイ14世の治世末期にトゥールーズ伯の別邸として使われていたこの宮殿はナポレオン時代以降、現在にいたるまでフランス銀行の所有になっていますが、その「黄金の間」はグイード・レーニやピエトロ・ダ・コルトーナなど、西洋絵画史を語るうえでは欠かせないバロック大画家たちの傑作をあざやかな内装に組み込んだ、訪れる者を陶然とさせずにはおかない豪奢な内装が魅力。フランス古楽シーン最前線をゆく名手が揃うコンセール・ド・ラ・ロージュをこの大広間に招いての演奏会ライヴとその音楽を堪能しながら、細部に至るまで洗練された美を誇る宮殿内をじっくり鑑賞できる映像作品が登場します。演奏曲目には、この宮殿がアクティヴな社交の場として機能したであろうバロック~ロココ期のフランスで、とくに愛されていた内外の作曲家の名曲を中心に厳選。コンセール・ド・ラ・ロージュのメンバーで構成されているカンビーニ四重奏団(チェロは昨今クリストフ・ルセとの来日公演も大好評だった酒井淳)もモーツァルト、ボッケリーニなどの逸品で味わい豊かな演奏を聴かせ、欧州で古楽シーンのみならず歌劇界でも急速に注目を集めているジョディ・デヴォスの独唱も精妙。ハイドン作品は独奏パートが多く、18世紀そのままの内装をバックにした各パートの古楽器演奏を細部まで楽しめるショットが続々です。フランスの音楽映像監督として広範な活躍をみせてきたアンディ・ゾマーの視点はみごとなもので、古楽器演奏の粋をきわめた解釈を存分に味わいながら18世紀フランスへタイムスリップできる、夢のような一作に仕上がっています。(2020/01/17 発売)
レーベル名 | :Bel Air Classiques |
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カタログ番号 | :BAC171 |
【ペルゴレージの「スターバト・マーテル」合唱付きと、ハイドンの教会音楽風交響曲の相性】フランスのシーン最前線で最もダイナミックな活躍をみせている古楽器オーケストラの一つで、とりわけ古典派以降の作品解釈で評価が高いル・コンセール・ド・ラ・ロージュ。ここで聴かせるのは競合多きペルゴレージの傑作『スターバト・マーテル』……と思いきや、演奏陣にはこちらも近年ますます存在感を強めつつあるフランス少年少女合唱団の名が。ごく一般的な独唱二人版と音楽そのものは同じでありながら、ここでは1769年にパリで楽譜出版された合唱入りヴァージョンを使用。随所で合唱が響きに膨らみを持たせ絶妙なアクセントとなっており、それは冒頭から素晴らしい効果をあげています。ナポリの作曲家ペルゴレージが1736年に早世した後も、彼の『スターバト・マーテル』は畢生の傑作として愛され、特にイタリア音楽の愛好者が増えつつあったパリでは定期演奏会コンセール・スピリチュエルの定番曲として、折々に編成を変えながら再演され続けました。指揮者ショーヴァンは今回グヮダニーニ1780年製オリジナルのヴァイオリンを携えコンサートマスターとして楽隊を率い、20名程度の合奏を40名規模の合唱と効果的に対話させながら、俊才デヴォスとシャルヴェの美声とともにメリハリある音楽作りを聴かせます。さらに興味深いことに、アルバム後半には当の楽譜がパリで出版される前年、ハイドンが古来の教会音楽作法を駆使して作曲した、交響曲第49番「受難」を併録(作品の性質をふまえ通奏低音楽器としてオルガンを導入)。演奏の精妙さとあいまって両作は驚くほど自然に繋がり、これらの作品が人気を誇った18世紀後半のパリの気配が鮮やかに甦るかのよう。ヴェルサイユ・バロック音楽センターのジュリアン・デュブリュクとショーヴァンによる、当時の演奏実践をふまえた解説も興味深い内容となっています。(2022/02/11 発売)
レーベル名 | :Alpha |
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カタログ番号 | :ALPHA784 |
【今フランスで最も注目すべき古楽器合奏団、満を持してのモーツァルトは傑作3作!】Aparteレーベルでの数々の名盤、特に一連のハイドン『パリ交響曲』の録音では、同時代の知られざる名作を次々と併せて紹介し、注目を浴びた古楽器合奏団コンセール・ド・ラ・ロージュ。古典派解釈の確かさは、それらのアルバムにフランスの批評メディアが続々絶賛を寄せてきたことからもわかります。シュシャーヌ・シラノシアン、ジュスタン・テイラー、タミ・クラウスといった新世代の古楽器奏者たちとの連携もさることながら、創設者・指揮者のジュリアン・ショーヴァンがピリオド奏法のヴァイオリン奏者としてもずば抜けた技量を誇っている点は見逃せません。サンドリーヌ・ピオーによるフランス19世紀オペラ・アリア集『恋の相手は...』(ALPHA445/NYCX-10063)でALPHAからもリリース実績のある彼らが、同レーベルでモーツァルトの重要作品を定期的に発表してゆくことになり、その記念すべき第一弾がこの申し分ない選曲の一枚となります。モーツァルトの全管弦楽曲中最も注目度の高い作品の一つ「ジュピター」をはじめ、隅々まで考え抜かれた解釈により各作品が驚くほどみずみずしく蘇る古楽器演奏で、細やかな音楽言語への徹底した読み込みがいたるところで効果を発揮。それでいて冒頭に掲げられた《フィガロの結婚》序曲の沸々と盛り上がる勢いといい、ヴァイオリン協奏曲におけるショーヴァンの濃密かつ圧倒的な「格」といい、一糸乱れぬ統率力と各奏者の自発性の絶妙なバランスといい、それらがまさに新時代の画期的名演と呼びうる強い存在感をこのアルバムに与えています。作曲家自身の手紙からの引用を多数盛り込んだ解説も興味深く、生の18世紀の音像に迫ろうという強い気概が演奏の上質さにみごと結実した、頼もしい新シリーズの始まりと言えるでしょう。(2021/10/22 発売)
レーベル名 | :Alpha |
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カタログ番号 | :ALPHA776 |
【古楽器の敏捷性と機微が光る堂々たる大作群、シュタイアーの即興性溢れるフォルテピアノも絶妙】Aparteレーベルでのハイドン「パリ交響曲」シリーズで注目すべき実績を上げた後、ALPHAでモーツァルトの重要な管弦楽作品を体系的に録音してゆくSimply Mozartシリーズを開始したフランス最前線の古楽器オーケストラ、ル・コンセール・ド・ラ・ロージュ。「ジュピター」などを収録し世界中で高い評価を博した第1弾(ALPHA776/NYCX-10256)に続き、第2作は同じ後期交響曲群中唯一の短調作品であるト短調の第40番と、パリに自筆譜が残っている2作(《ドン・ジョヴァンニ》序曲、ピアノ協奏曲第23番)という重要作揃いのプログラムです。協奏曲のソリストに迎えられたフォルテピアノの大御所アンドレアス・シュタイアーは、意外にもモーツァルト協奏曲の録音が決して多くはなく、20世紀終わりにTeldecからリリースされたコンチェルト・ケルンとの4曲(第9、17、18、19番)以来の満を持しての新録音!随所に聴こえる通奏低音としての即興含め、当時の演奏習慣を踏まえた装飾が盛り込まれた解釈の流麗さはますます冴えわたるばかり。シュタイアーとともに自筆譜を検討し演奏に反映させたというル・コンセール・ド・ラ・ロージュの各セクションも古楽器ならではの機微に満ちた解釈で、ヴァイオリンを弾きながら指揮するショーヴァンのもと意欲溢れる一体感で各作品の深みと迫力をあざやかに伝えてやみません。なおここではクラリネットの入った版を使用。終楽章の半音階的楽想をふまえ第40番にあえて添えられた「十二音技法」という副題(彼らのコンサートの聴衆から募集し、団員によって選ばれたものとのこと)にも現れている通り、作品本来の姿を徹底して見つめ直した先に垣間見えるモーツァルトの先進性に改めて驚かされます。自筆譜がパリに辿り着いた経緯やシュタイアーへのインタビューなど、解説も貴重な情報満載です(仏・英・独語/国内仕様盤は日本語訳付)。(2022/09/23 発売)
レーベル名 | :Alpha |
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カタログ番号 | :ALPHA875 |
【ナポレオン治世下で絶賛された傑作の異版を、最前線の古楽器演奏で】ソリストとしても活躍してきたヴァイオリン奏者ジュリアン・ショーヴァンと共に、フランスの古楽器演奏シーンの最前線をゆくル・コンセール・ド・ラ・ロージュ。ALPHAで好評のうちにスタートしたモーツァルト後期作品シリーズ第3弾は『レクイエム』が演目の中心ですが、革命期前後のフランスにおける演奏習慣を常に意識している団体だけに、一般的なジュスマイヤー補筆版に手を加えた1804年パリ初演版という意外なヴァージョンで臨みます。1800年前後は歿後間もないモーツァルトの作品復権が進み、フランスでも『フィガロの結婚』や『魔笛』が上演され話題を呼んでいた頃で、その成功を受け1804年12月21日にケルビーニ指揮によるこのヴァージョンで披露された『レクイエム』も熱狂をもって迎えられました。パリでも人気のあった18世紀ナポリ楽派の巨匠ヨンメッリの同題作冒頭が最初に盛り込まれているほか、ジュスマイヤーの手による後半を中心に大胆なカットも加えられて演奏時間は30分あまり。しかしながら、バセットホルンの代わりにコーラングレ(イングリッシュホルン)が使われ、「喇叭は不思議な響きをTuba mirum」のトロンボーン独奏が冒頭は堂々たる金管のユニゾン、その後はバスーンに置き換えられるなど随所に聴きどころが秘められており、その魅力をショーヴァンの元に集まった古楽器の名手たちがコントラスト豊かに伝えます。カップリングは人気オペラ作曲家として欧州を席巻した後、ナポレオンに忠誠を誓い、充実したイタリア歌劇様式でこのフランス皇帝を魅了した大御所パイジェッロが、同年12月2日のナポレオン皇位着任を祝う式典のために書いたミサ曲。こちらも当時流の管楽器が聴かせる豊かな響きと相俟って聴き応え充分。「クレド」に挿入されたハープ独奏も美しさに満ちています。ピオー、サントン=ジェフェリ、ヴィダル……とフランス最前線の実力派が揃った申し分ない独唱陣の立ちまわりも聴き逃せません。(2023/03/10 発売)
レーベル名 | :Alpha |
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カタログ番号 | :ALPHA919 |