フロリダ管弦楽団
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「人生のミサ」では、イギリス精神とドイツ精神のどちらもを高らかに歌い上げたディーリアス(1862-1934)ですが、この「アパラチア」では彼が若い頃に過ごしたフロリダでの豊かな経験が反映されています。1880年代に「オレンジの栽培をする」と言ってアメリカに渡ったディーリアスは、そこで黒人たちの労働歌に触れ、帰国後にこの「アパラチア」を書き上げます。出来上がった音楽は、W.ホイットマンに触発された彼独特の自然崇拝と、アメリカの親しげな雰囲気が混在する神秘的で繊細なもの。あくまでも英国人の目を通した「アメリカ文化」が感じられる、あのドヴォルザークの曲にも似た郷愁たっぷりの音楽です。「海流」は、やはりホイットマンの詩集「草の葉」から取られた「ゆりかごの中から」という詩に基づいて書かれた曲で、つがいのカモメたちに自らの心を映し出す少年の物語を、時には激しく、時には優しく包み込むように描きだしたもの。少年のナイーヴな心に残された、小さな別離の悲しみは、やがて死へと繋がるであろうことを否応なく意識させられる感動的な作品です。(2012/11/21 発売)
レーベル名 | :Naxos |
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カタログ番号 | :8.572764 |