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オケンフェルス, ティボール

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    ブスマンス:歌劇「かわいい我が子に下剤を!」(ブー/デヴォス/デラーレ/モネ響/アキキ)

    【フィリップ・ブスマンス最後のオペラはナンセンス喜劇!出演歌手も豪華!】2005年のモネ劇場において、大野和士の指揮で上演され大きな話題となった歌劇《ジュリー》(原作はストリンドベリの戯曲『令嬢ジュリー』)。それ以降世界から注目されていたオペラ作曲家フィリップ・ブスマンスですが、2022年4月に惜しくも亡くなりました。彼が最後に残した作品が今回初録音となった《かわいい我が子に下剤を!》。死の2か月前にはこれが最後のオペラになるであろうことを予期し、「私はもう悲劇やシリアスなオペラは書きたくない、最後は純粋な喜劇にしたいと考えた」と語っています。ジョルジュ・フェドーの原作となるストーリーは、その言葉通りナンセンスなもの。陶器職人バスティアン・フォラヴォワーヌ氏は「絶対割れない便器」を作れると吹聴して、アリスティード・シュイユー氏の仲介でフランス軍の専属契約を取ろうとしています。フォラヴォワーヌの子である7歳の「ベベ」(仏語で赤ちゃんの意)ことトトは便秘なのに下剤を飲みたがらず、氏の妻=母ジュリーはそれをどうにかしてくれと氏に詰め寄ります。そうこうするうちに仲介者シュイユー氏が来るのですが、息子が便秘という話をすると偶然シュイユー氏も消化器で悩んでいると告白、逆に腸が緩くなる病気だとか。なのにドタバタしているうちにトトの下剤を誤って口に入れてしまい…女性の主人公の名がジュリーというのも自らのヒット作との呼応を感じさせます。最終的には、やはりモネ劇場とは絆の篤いブノワ・メルニエが作品の完成を担当。ジャン=セバスティアン・ブ、ジョディ・デヴォスといった、フランス・オペラ界を牽引する歌手たちが素晴らしい演技と歌唱で作品を彩ります。モネ劇場と同じく現代オペラに力を入れているリヨン歌劇場との共同制作になっている点も、作品への期待値の高さを感じさせるところです。(2023/09/08 発売)

    レーベル名:Fuga Libera
    カタログ番号:FUG818