不詳
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「高貴なる殺人者」として歴史に名を残す大作曲家、ジェズアルド(1566-1613)のマドリガル集の第4集です。この曲集には、妻とその恋人を殺害するという大事件を起こした後に書かれた、ジェズアルドの苦悩が伺われる曲が含まれており、他にも死の影に覆われた作品など、全体的に暗く重々しい色調となっています。もちろん彼特有の予期せぬ不協和音や、激しい感情表現、半音階的語法が顕著であり、時代の流れからはみだしてしまった悲しい天才を物語るかのような、ドラマティックな音楽が奏でられます。今作もデリティエ・ムジケによる迫真の演奏です。(2012/08/22 発売)
レーベル名 | :Naxos |
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カタログ番号 | :8.572137 |
【ヘレヴェッヘがその重要性を見出した、異才ジェズアルドの過渡期を示す重要曲集】イタリア南部ナポリ王国の貴族として生まれ、名家出身の妻の不貞現場を押さえ惨殺させた事件が有名な作曲家カルロ・ジェズアルド。彼は再婚相手の実家であるフェラーラで極度に洗練された宮廷文化に触れ、所領に戻った後は妻を遠ざけ孤独のうちに創作に没頭、フェラーラ宮廷の影響を色濃く感じさせる精緻な和音語法を駆使した異形の傑作を数多く残しました。その作品の中では、人間不信から居城に印刷機を持ち込ませて目の前で刷らせたという晩年のマドリガーレ(重唱曲)集第5、6巻や宗教曲集が特に有名ですが、フェラーラからナポリ王国に戻って間もない1596年に刊行した4集のマドリガーレ集のうち最後の第4巻もまた、暗中模索の初期からジェズアルド特有の晩年の語法へと向かう作風発展が示された注目作揃い。2017年、70歳の時インタビューに答え「残された時間は本当に意義あると思える音楽とだけ向き合う」と語ったヘレヴェッヘは今回、2021年のレコード・アカデミー賞音楽史部門を受賞した第5巻及び後続の第6巻と同じように、僅か数人の信頼できる歌手たちと一人のリュート奏者だけをメンバーにこの「第4巻」を演奏、隅々まで磨き抜かれた解釈の新名盤を世に送り出しました。圧倒的なアンサンブルの一体感はもちろん、詩句のニュアンスに合わせ自在に伸縮する各歌手の歌声はどこまでも美しく、その交錯が紡ぎ出すポリフォニーの綾はジェズアルド特有の和声変化に振り回されることなく、きわめて説得力豊かに音の動きの企図を伝えてくれます。この曲集に親しむ意義を教えてくれる画期的な名演の登場です。(2024/09/20 発売)
レーベル名 | :PHI |
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カタログ番号 | :LPH043 |
【彼らだからこその真相に迫る、作曲家晩年の異形の和声感覚再び】2013年の『レスポンソリウム集』(LPH010)、2016年の『マドリガーレ集 第6巻』(LPH024)に続き、ヘレヴェッヘ&コレギウム・ヴォカーレ・ヘントの厳選メンバーによる、ジェズアルド晩年の異形の傑作三部作の録音が遂に完結しました。ナポリ王国の貴族として生まれ、最初の結婚で妻の不義密通に怒り相手方の男とともに惨殺させたことで有名なカルロ・ジェズアルドは、晩年に偏執狂的細密さで独自の和声語法を追求し、同時代の音楽の通念を大きく踏み越えた作風に行きつきました。亡くなる前には極度の被害妄想と人間不信に陥り、居城にこもりきりで、第5・第6マドリガーレ集と『レスポンソリウム集』は印刷業者を印刷機ともども城に呼び入れて楽譜刊行したほど。後世の感覚では歪んだ不協和音だらけの音楽とも感じられるこれら3つの曲集でも、本盤の『マドリガーレ集 第5巻』は20世紀にストラヴィンスキーがいち早くその魅力に開眼、自作品にも引用したことで知られています。通常の合唱でも用いられる4声部に加え、さまざまな音域で自在な動きを見せる第5パートを加えての全5声部からなる音作りの綾を丁寧に読み解き、歌詞も十分に読み込んだ細かな解釈をもって、驚異的な演奏能力で異質な和声感覚の真相に迫り得るのは、ハーモニーを徹底しておろそかにしないことで有名なヘレヴェッヘが、少数精鋭チームとともに正面から臨んだからこそ。「残された人生は本当に必要と思える曲としか向き合わない」と言明した古楽合唱の名匠が放つ、決定的と言ってもよい新名盤の誕生です。(2021/09/24 発売)
レーベル名 | :PHI |
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カタログ番号 | :LPH036 |
【異才ジェズアルドとリュートを結ぶ、知られざる糸を手繰る好企画】1987年スロヴェニア生まれのボル・ズリヤン。リュートはもちろんビウエラ、ウードといった撥弦古楽器を弾くかたわら、ギターを操ってジャズのインプロビゼーションもこなす新世代のミュージシャンが贈るソロ・アルバム第2弾のテーマは、なんとジェズアルド。ヴェノーザの君主でもあったジェズアルドといえば、不貞の妻を殺害したというスキャンダラスな前半生と、居城に籠り異形のマドリガーレを書いた晩年がよく知られる作曲家ですが、実はリュートの演奏に関してもかなりの腕前であったという証言が残っています。16世紀の末には、彼の再婚相手の父であるフェラーラ君主アルフォンソ2世を通じ、同い年のリュートの名手アレッサンドロ・ピッチニーニよりアーチリュートの原型となる楽器を譲り受けました。このアルバムはこの時のものに近いと考えられる楽器を用い、当時のリュート作品のほか、ジェズアルドのものを含むマドリガーレをリュートの譜面に置き換えた写本を元に、ボル・ズリヤン自身が編曲したものも収録しています。冒頭のピッチニーニの作品を始め、ジェズアルドを思わせる半音階技法を用いた作品が多数選曲されており、知られざるその関係性に思いを馳せるに十分な内容となっています。(2022/05/27 発売)
レーベル名 | :Ricercar |
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カタログ番号 | :RIC434 |
コーネル大学グリークラブとコーネル大学合唱団の創立100年記念曲「カンタレス」の作曲を依頼されたプエルトリコ出身の作曲家、ロベルト・シエッラ(1959-)は“失われた声”を呼び起こす音楽を書こうと決意したといいます。まず彼は、17世紀の祈りの本からケチュア語(インカ帝国の祖となった民族の言葉)のテキスト「Hanacpachap cussicuinin」を探し出し、4声のポリフォニーによるモダンな音楽を付けました。第2曲はアフロキューバンの儀式音楽とスペイン語の呪文の融合。独特なリズムと浮遊感は謎めいた雰囲気を盛り上げます。オーケストラによる第3曲「Interludio 間奏曲」は瞑想的でありながら、やはりユニークなリズムで彩られています。最後の曲は16世紀のスペインの作家ベルナル・ディアス・デル・カスティリョが書いたアステカ帝国征服の悲劇的な物語。侵略するもの、されるもの、双方の視点が錯綜する激しい戦いの音楽です。カリブ海の雰囲気を映し出した「三重協奏曲」と「ロイサ」も民族色豊かな楽しい作品です。(2020/05/22 発売)
レーベル名 | :Naxos |
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カタログ番号 | :8.559876 |
【オックスフォード・ニュー・カレッジ合唱団、英国ルネサンスの名作でLINN初登場!】1379年、オックスフォード・ニュー・カレッジの創設と共に設立された合唱団。ルネサンス期の大作曲家ジョン・シェパードが、モードリン・カレッジの聖歌隊長としてオックスフォードに赴任した頃には、その歴史はすでに150年以上も経っていました。少年のトレブルのみによる最高音域が作り出す安定した美しいハーモニーは、現在も世界中の人々を虜にしています。このアルバムは美しい大作「われら生のただ中にありて」のほか、所縁あるシェパードのモテットを収めたもので、今回が初録音となる作品を含み、その美しさを十二分に堪能できる内容となっています。(2020/10/23 発売)
レーベル名 | :Linn Records |
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カタログ番号 | :CKD632 |
18世紀ポーランドで活躍したヴァイオリニスト・作曲家マルチン・ユゼフ・ジェブロフスキ(ゼブロフスキ)。彼のソナタは国外のアムステルダムでも出版されるほどの人気がありました。このアルバムには「聖母マリアの訪問の祝日のための晩課」と「マニフィカト」を収録。作品には 1645年にクラクフで出版された17世紀のアンティフォナが引用されるとともに、当時イタリアで流行していた、付点を多用した変化に富んだリズムも用いられています。要所要所でソプラノのソロと巧妙な対話を聴かせるトランペットの精妙な演奏も聴きどころ。知られざるポーランド・バロック作品を存分に堪能できる1枚です。 (2022/12/23 発売)
レーベル名 | :CD Accord |
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カタログ番号 | :CDAccordACD294 |
ソル、ジェラールとロドリーゴ、このスペイン生まれの3人の作曲家による歌曲集。ジェラールはカタロニア出身。ウィーンとベルリンでシェーンベルクに師事、一旦はスペインに戻るも、その後イギリスに移住、亡くなるまでこの地を離れることはありませんでした。民族音楽を取り入れた彼の「カンタレス」は現代的な雰囲気を持ちながらも、熱い心情を反映させています。ソルとロドリーゴの歌曲はギターの持ち味を存分に生かしたもの。郷愁溢れる雰囲気が心に迫る美しい歌曲です。ジョン・タヴァナーやマクミランなどの現代声楽曲を得意とするソプラノ、パトリシア・ロザリオが強烈な存在感を持つ歌唱を聴かせています。(2019/03/29 発売)
レーベル名 | :SOMM Recordings |
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カタログ番号 | :SOMMCD078 |