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【クープラン一族以前の、フランス鍵盤芸術のルーツを解き明かす本場直送の好企画】太陽王ルイ14世がフランス王として君臨した17世紀後半、その文化政策でリュリやマレなど才能ある作曲家たちが活躍し、国際的に注目されたフランス様式の音楽が花開いたことは広く知られていますが、その発展は「無」から生まれたわけではありません。フランスの宮廷文化は先代のルイ13世の時代に新たな躍進を遂げていたのです。音楽面では、王室に弦楽合奏団「王の24のヴァイオリン」を創設させたのもルイ13世ですし、それまでリュートとオルガンが圧倒的に重要だった独奏器楽の世界にクラヴサンが参入、前二者の音楽様式を模倣しながら発展し始めたのもこの時期。その背景として、ルイ13世が自らクラヴサンを愛奏し、王室に楽器を置いていたことは見逃せません。近年フランス古楽界で通奏低音奏者として広範な活躍をみせているアルノー・ド・パスクアルがここで紹介するのは、そうした音楽文化振興者でもあった「頼れる名手」ルイ13世時代の作例を中心としたフランス・クラヴサン音楽の数々。声楽曲のアレンジのほか、リュート曲・オルガン曲の翻案も巧みで、同時代のイタリア初期バロックや英国の末期ルネサンスとも趣きがやや異なる、フランス特有の洗練のありようをつぶさに確かめられます。ルイ13世も一部作曲に加わったという、その治世下で演奏された宮廷舞踏のための合奏音楽は、後世の採譜をもとに演奏者ド・パスクアル自身が当時流に編曲。16世紀生まれのルジュヌやボエセーの歌曲の編曲からシャンボニエールやルイ・クープランの独奏曲に至るまで、広く知られたクラヴサン楽派の「前史」を、フランス式の楽器が発展する前であるこの時代に重宝されていたイタリア型やフランドル型のチェンバロを使った精妙な演奏でお楽しみ下さい。(2021/09/24 発売)
レーベル名 | :Château de Versailles Spectacles |
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カタログ番号 | :CVS047 |
【ヴェルサイユに新たな歴史を刻むヘンデル、新設オルガンによる協奏曲と注目歌手が歌うモテット】オルガンの名手であり、アンサンブル・マルグリット・ルイーズを率いてのフランス・バロック声楽作品演奏の数々で高く評価されるガエタン・ジャリが、ヴェルサイユ宮殿の礼拝堂でヘンデルのオルガン協奏曲を演奏したアルバム。しかし礼拝堂が誇る1710年建造の有名な大オルガンではなく、新たに据えられたカンタン・ブリューメンレーダー製造の大ぶりなポジティフ・オルガンを敢えて用いているのが特徴で、劇場での大規模な声楽作品の幕間にヘンデル自身がソロを担当して演奏されたという、これらの作品本来の親密な表情を上手く伝えています。協奏曲の間には、オラトリオの代わりに小規模な独唱モテットを収録。ソロを担当するキアラ・スケラートはスイス出身でパリ国立高等音楽院に学んだソプラノで、バロックから現代まで幅広いレパートリーを持ち、近年ヨーロッパを中心に注目されています。ボルドー国立歌劇場の《ペレアスとメリザンド》(ALPHA752/NYCX-10240)のメリザンド役でも大きな注目を浴びました。ここでも高い技術に裏打ちされた奥深い表現を聴くことが出来ます。これらの作品が英国で生まれたことに由来すると思われるジャケットも、遊び心が効いたもの。(2021/10/22 発売)
レーベル名 | :Château de Versailles Spectacles |
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カタログ番号 | :CVS049 |
【2つの歴史的楽器を使い分け、17世紀の英仏音楽の親和性と差異の真相へ】ルイ14世が生涯をかけて建造に情熱を傾け、ルイ15世の時代に現在の姿へと調えられていったヴェルサイユ宮殿。そこには1995年に18世紀当時の状態まで復元された王室礼拝堂の歴史的オルガンと、ルイ15世時代に愛奏されていた2台のクラヴサンがありますが、ここではそのクラヴサンのうち18世紀半ばに作られた方の楽器と、王室礼拝堂のオルガンとを同じ奏者が使い分け、英仏の作曲家たちが残したバロック期の鍵盤音楽の真相に迫ります。演奏は現在フランス語圏スイスの古楽拠点ジュネーヴで教鞭を取るコンスタンス・タヤール。選曲の軸にあるのは、17世紀英国の早世の天才ヘンリー・パーセル。宮廷の主たる英国王が王政復古前にフランスに亡命していたため、当時の英国王室ではルイ14世が好んだ様式に強く影響を受けた音楽が愛されていましたが、タヤールはブルボン王室の巨匠たちの音楽の只中にパーセルやその師匠ブロウの作品を配することにより、彼らの英国音楽がいかにフランス音楽と連続性のあるものだったかを鮮やかに浮き彫りにしてゆきます。オルガンだけでなく、適宜クラヴサンのための楽曲を交え、礼拝堂向けの音楽と俗世の劇場向けの音楽とを行き来する選曲になっているのも興味深いところ。それぞれに別扱いされやすい各種の音楽に一貫性を感じることができるのは、オルガンとクラヴサンをどちらも鮮やかに弾きこなせる名手タヤールの存在に負うところが大きいと言わなくてはなりません。精緻な解釈と周到なプログラムで、「国」と「文化」の感覚が今とはかなり違っていたバロック期の感覚を生々しく体感できる1枚です。(2022/01/28 発売)
レーベル名 | :Château de Versailles Spectacles |
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カタログ番号 | :CVS056 |
【フランス・オルガン芸術にみる聖と俗、打楽器を交えてヴェルサイユの楽器が活気づく!】ヴェルサイユ宮殿の王室礼拝堂には、ルイ14世の治世末期にようやく完成したオルガンがあります。その後、時代ごとに拡張改造が繰り返された後、この楽器は20世紀の終わり頃に18世紀の名工たちが手がけた姿に修復されました。Chateau de Versailles Spectaclesレーベルはこの楽器を使ったフランス・オルガン音楽の注目すべき録音を続々世に送り出してきましたが、まさかこの歴史的な楽器を使って、歴史的文脈をふまえながら打楽器を交えた録音がリリースされるとは誰が予想したでしょうか。ルイ14-15世の時代のフランスでは、礼拝のためのオルガン音楽が少しずつ俗世向けの音楽のスペクタキュラーな要素を取り込んでゆき、フランス革命前にはオペラそっくりのメロディアスな作品さえ珍しくなかったほど。一方、18世紀には(実態こそ多くの謎に包まれていながら)多くの音楽の場で打楽器が使われていたこともよく知られています。本盤はそうした状況を踏まえ、古楽器楽団ラ・シャペル・アルモニークによるラモー『遍歴の騎士』録音(CVS054/2022年1月発売予定)でも絶妙の打楽器演奏を聴かせたドイツの名手ミヒャエル・メッツラーが多くのトラックに参加。歴史的文脈をふまえたオルガンと打楽器の組み合わせを模索、バロックからロココに至るフランスの多彩なオルガン音楽を新たな角度から味わえる演奏を実現してみせました。その参与はポップなクロスオーヴァーとは全く違い、鐘や鈴のような煌びやかな音をさりげなく添えたり、オペラの行進曲風に太鼓の響きで彩ったりと、各作品本来の音作りをよくふまえた、歴史的銘器の響きに寄り添う精妙さ。17世紀生まれのアンドレ・レゾンによる古雅な小品からクラヴサン曲風の性格的小品、親しみやすい前古典派風の作品の数々にいたるまで、18世紀のパリやヴェルサイユの人々を喜ばせた秘曲を発見する喜びにも事欠かない1枚です。(2022/01/28 発売)
レーベル名 | :Château de Versailles Spectacles |
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カタログ番号 | :CVS057 |
【本場ヴェルサイユ発!傑作『ミゼレーレ』他、初期から晩期までリュリ教会音楽の神髄】「偉大なる世紀」と呼ばれるルイ14世治世下の17世紀フランスで、王の絶大な信頼のもとフランス宮廷音楽の理想形を作り上げた立役者ジャン=バティスト・リュリ。しかしながら、近年復権めざましい彼のオペラ群に対し、器楽と声楽が比類なく美しい交錯をみせるグラン・モテ(宗教曲)の数々は、後続世代の作曲家たちにも刺激を与えた重要な存在でありながら、意外なまでに録音が出てきません。その復権に意欲的な俊才ステファーヌ・フュジェは今回のアルバムで、最初期・中期・後期から3曲を厳選。フランス生粋の古楽器楽団による本格新録音はいずれも実に貴重です。復元型の大型ヴィオラやバス・ド・ヴィオロンが活躍する総勢24名の弦楽合奏や古雅な低音管楽器セルパン、2台ずつのテオルボと鍵盤の参加など、フランス17世紀流儀を妥協なく追求した彼らが作り上げる響きは『ミゼレーレ』の冒頭から本格的かつ圧倒的なもの。風格漂う歌唱も隅々まで美しく、折々ソロを交えながらの声楽陣には、アラルコン指揮の《セメレ》(RIC437)でもキューピッド役で登場しているグワンドリーヌ・ブロンデールや、実力派ブノワ・アルヌー、中世から現代まで歌いこなす異才マルク・モイヨンなど、新旧世代の才人も多数参加。さらに、2021年12月の寺神戸亮指揮によるラモー『アナクレオン』(北とぴあ)に出演した湯川亜也子、フランスとベルギーで多忙な活躍をみせる坂本久美など日本人歌手の参与も。ルイ14世の晩年に完成したヴェルサイユの礼拝堂に響きわたる充実解釈を、自然な場の佇まいとともに収めた名技師フレデリク・ブリアンのエンジニアリングも見事です。(2022/02/11 発売)
レーベル名 | :Château de Versailles Spectacles |
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カタログ番号 | :CVS059 |
【デュメストルがヴェルサイユで描く、ルイ14世の絢爛たる婚礼の儀】1660年6月9日にサン=ジャン=ド=リュズで行われたフランス王ルイ14世とスペイン王女マリー・テレーズとの結婚式から音楽部分を、ヴァンサン・デュメストル率いるル・ポエム・アルモニークが、篤い信頼を置くソリストたちを揃え、ヴェルサイユの礼拝堂で再現したアルバム。古楽を中心に様々なステージや録音で活躍する歌手たちが芸達者ぶりを発揮するほか、大オルガンを使用する独奏曲はジュスタン・テイラーが奏でています。(2022/05/27 発売)
レーベル名 | :Château de Versailles Spectacles |
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カタログ番号 | :CVS066 |
【みずみずしく伸びやかな解釈、充実した器楽編成付でバッハの多声音楽世界へ】2019年にバッハの『マニフィカト』初演版の録音(CVS009/NYCX-10097)で鮮烈なCDデビューを飾った、フランスの新世代指揮者ヴァランタン・トゥルネ率いるラ・シャペル・アルモニーク。Chateau de Versailles Spectaclesレーベルではその後ラモーの《優雅なインドの国々》(CVS031)や《レ・パラダン(遍歴騎士たち)》(CVS054)といったオペラのみずみずしい録音も聴かせてくれた彼らですが、今回のモテット録音もバッハ作品への深い愛が見事な結実を見せた注目すべき内容となっています。二重合唱で各パート2~3人となる小規模編成の声楽陣に、ヴァイオリン2・ヴィオラ2・チェロとコントラバス各1にオーボエ2・ターユ(中音域オーボエ)1・ファゴット1とオルガンからなる器楽が参加。ヴァイオリンのダヴィド・プランティエやオーボエのブノワ・ローラン、オルガンのフランソワ・ゲリエらヴェテラン勢が加わった充実の器楽陣が、合唱の単なる補助以上の効果をもたらし、色彩感溢れる多声部の絡み合いでア・カペラとは違う豊かな作品像を描き上げます。大バッハに大きな影響をもたらした親族ヨハン・クリストフ・バッハのモテットではバロック期の一部の習慣に従い、器楽にカンマートーン(A=390Hz)、合唱にコーアトーン(A=465Hz)とピッチを別々に設定、約短三度の音程差を音符の読みかえ(器楽陣が in E♭ 読み)することで補正し、当時の音響感覚に迫るという興味深い試みも。また大バッハ自身が筆写した17世紀の作曲家クニュプファーも収録し、ドイツの伝統とバッハの繋がりを浮き彫りにするプログラム構成も秀逸です。(2022/06/24 発売)
レーベル名 | :Château de Versailles Spectacles |
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カタログ番号 | :CVS067 |
【マドゥーフ兄弟らも参加! 大合奏に拡大されたコレッリ作品の響きに迫る】長きにわたる治世の間、ヨーロッパ全土に轟く覇権を確かなものとし続けたフランス王ルイ14世。カトリック総本山ローマは枢機卿マザランのかつての職場である上、中世のフランス王、ルイ聖王にちなんだサン・ルイージ・デイ・フランチェージ教会のような場所もあり、ルイ14世とは決して無縁の場所ではありませんでした。実際そこでは1686年にルイ14世に捧げられた音楽会も開かれており、フランスの古楽器奏者たちがヴェルサイユに集って収録されたこのアルバムは、そのローマでの音楽祝典の再現を目指したもの。ローマを拠点に全欧州に名を轟かせ、フランスの作曲家たちにも大きな影響を与えたコレッリの作品を中心に、サン・ルイージ・デイ・フランチェージ教会に仕えた作曲家メラーニのセレナータも交えて編まれたプログラムを、当時の記録や証言に基づき大編成で演奏しているのが大きな特色です。コレッリの室内編成向けトリオ・ソナタは当時から大きな編成でも演奏されており、彼が100人規模の大編成を指揮していた記録もあるほど。ここではバロック・アンサンブルとしてはかなり規模の大きい弦楽編成に充実した通奏低音陣、曲によってはトランペット群とティンパニも加え、かの「永遠の都」に響いた祝典の絢爛さを鮮やかに再現しており、その豪奢なサウンドがたまりません。金管陣には当時通りの指孔なしナチュラル・トランペットを吹きこなすマドゥーフ兄弟らも参加。オーケストラ演奏の原点ともいうべき17世紀の音像に迫った注目すべきアルバムです。(2022/06/24 発売)
レーベル名 | :Château de Versailles Spectacles |
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カタログ番号 | :CVS071 |
【ヴェルサイユの響きとヘンデル作品の思わぬ相性!フランス最前線の俊才たちによる傑作曲群】イタリアからドイツに戻った若きヘンデルは、ハノーファー宮廷での仕事を経て渡英、1710年代を通じて王都ロンドンの人々の心を着実に掴んでゆきました。その過程で、1717年からしばらく彼に作曲の場を与えたのが裕福な貴族のシャンドス公。当時ロンドン郊外に設営中だった公の邸宅キャノンズには、音楽演奏に向いた大広間や礼拝堂も徐々に調えられ、ヘンデルはそうした場で公が聴き楽しめる音楽を続々と作曲します。こうして仕上がった作品群の中でも、10曲あまりが残されている中規模声楽曲の数々は『シャンドス・アンセム』と総称され、イタリア風の声楽様式で英語の詩句があざやかに歌い上げられるその音楽内容は作曲者の歿後、19世紀に楽譜刊行され世界的に知られるようになりました。ヴィオラを省いた弦楽編成、アルトを省いた合唱が独特の平明な構成の面白さに繋がるこれらのアンセムに潜む、室内楽と大規模合唱の間をゆく独特の味わいを、ここではヴェルサイユ宮殿に集うフランス最前線の古楽アンサンブルがじっくり解釈。そもそもヘンデルの音楽はイタリア様式を下地にしていながら、序曲や舞曲などの形式、オーボエ群を活かした楽器編成などフランスからの影響も見られ、ガエタン・ジャリ率いるマルグリット・ルイーズの演奏解釈はそうした一面を玄妙な響きで浮き彫りにしてゆく味わい深さもあります。伸びやかなバロックオーボエのソロやテオルボを組み込んだ通奏低音の多彩さもさることながら、各パート5~6人からなる3声の合唱が織り上げてゆく一体感に満ちた歌唱も見事なもの。ヴォランタリーやシャコンヌでは指揮者ジャリのオルガン独奏で、18世紀オリジナルの形に復元されたヴェルサイユ王室礼拝堂の銘器の美音も味わえます。逞しさよりも優雅さが際立つヘンデルの一面にはっとさせられる新録音です。(2022/08/26 発売)
レーベル名 | :Château de Versailles Spectacles |
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カタログ番号 | :CVS072 |
【古楽器ハープの音色から紡ぎ出される、儚き時代の繊細な音楽の味わい】近年フランスでバロック作品を中心に歌劇シーンを賑わせているマイリス・ド・ヴィルトレが、古楽器ハープの弾き手クララ・イザンベールと提案するプログラムのテーマは第一帝政期、つまりナポレオンの時代。18世紀末にマリー=アントワネットが女性を中心とした文化談義の場を華やがせ、その中心でハープという楽器の立場を大きく向上させた後、ナポレオンがフランス皇帝となった時代にもハープは「太古から存在する楽器」として古代帝国への憧憬をつのらせる文化人たちを魅了。楽器製作者の息子ナーデルマンや名手ボクサら数多くの俊才たちの妙技が人々を虜にするとともに、繊細な恋歌のための伴奏楽器としてもハープは大きな人気を獲得しました。ヴィルトレとイザンベールは革命期から10代で作品を発表しはじめた早熟の女性作曲家ソフィー・ガーユの作品を中心に、この曲種にすぐれた手腕を発揮したジャダン兄や「愛の喜び」で知られるマルティーニ、ハープ奏者たちや歿後間もなく国際的名声を博したモーツァルトなど、19世紀初頭のフランスで動乱に戸惑う多くの人々の心を慰めた調べの数々を入念に選び、じっくり味わわせてくれます。使用されているハープも当時のもの。ケルビーニの救出オペラやベートーヴェンの交響曲の影で歴史に埋もれていったままにしておくには惜しすぎる、繊細そのものの音楽世界をじっくりご堪能ください。(2022/10/14 発売)
レーベル名 | :Château de Versailles Spectacles |
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カタログ番号 | :CVS077 |