不詳
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【多様な技法が満載!丹念な楽譜校訂を経て名手たちが蘇らせる、正体不明の驚くべきポリフォニー名作】ルネサンス多声音楽の研究家たちには昔から存在が知られていながら、楽譜校訂の困難さと、何より作曲者が全く特定できないという問題ゆえに長く日の目を見ることがなかった15世紀のミサ曲が2編、古楽歌唱の世界での注目すべき活躍で知名度を上げつつある気鋭団体、カット・サークルによって待望のCDとなりました。どちらのミサ曲も残された手稿譜は1セットのみ、美しい筆致で記されていながら、そのまま読むと辻褄の合わない明らかな誤記も散見される状態だったものを、丹念な検証の末演奏可能な状態にまで校訂しました。その結果浮かび上がった作品はどちらも、曲中で絡み合う声部の組み合わせやテンポ、リズム、展開の細部に至るまで作曲技法の粋が尽くされた、驚くべき意欲作だったのです。しかも各作品はかなりの技量がなくては歌いこなせない困難な局面もそこかしこにあり(ミサ・グロス・セネンでは驚くほど長く息継ぎなしに歌わなくてはならない箇所も)、誰であれ作曲者が想定していたのが相当な技量の歌い手だったことも察せられます。今後の研究しだいでは驚くべき大作曲家の作品と判明するか、まだ知られていない天才がデュファイやオケゲムの時代に隠れていた!と話題になるか、いずれにせよルネサンス・ポリフォニーに注目している方々にとっては見逃せない画期的録音と言えるでしょう。ソリストとしての活躍も目立つソニア・デュトワ・テングブラッドをはじめ、4人の歌手は精緻な和声感覚のもと作品の美質を最大限に引き出しています。(2021/10/22 発売)
レーベル名 | :Musique en Wallonie |
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カタログ番号 | :MEW2097 |
プレクトラムリュート=中世リュートのデュオは、15世紀後半の西ヨーロッパで活躍していた楽器奏者たちにとって最も人気の高いアンサンブルの一つでした。このアルバムは、そんな名手の一人で、当時「世界一のリュート奏者」と評されたフェラーレのピエトロ・ダル・キタリーノ(1417-1497頃)にインスパイアされた1枚。残念ながら彼が仲間たちと演奏した音楽の記譜はほとんど残っていませんが、長年に渡って中世の音楽に命を吹き込んでいるマルク・レヴォンとパウル・キーファーが研究を重ね、ティンクトリスやアグリコラなど、キタリーノたちが演奏したであろうレパートリーを丁寧に再現しています。ほとんどの曲は歌を伴いますが、中には器楽だけのものもあり、15世紀のリュート音楽の多彩なアレンジを知ることができます。味わい深い歌を披露するグレース・ニューコムは、主として中世作品を演奏する“アンサンブル・ルモルム”の創設者兼ディレクターとしても活躍しています。(2020/02/21 発売)
レーベル名 | :Naxos |
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カタログ番号 | :8.573854 |
【北方に花開いたイタリア語ポリフォニーの粋を、イタリア最高の声楽集団の名解釈で】ヨーロッパ各地で多声音楽の全盛期を支えたネーデルラント(現在のベネルクス三国とその近辺に相当)の名匠たちが、16世紀後半にイタリアの作曲家たちから刺激を受けつつ地元ネーデルラントで出版したイタリア語重唱曲=マドリガーレを厳選。ナポリで活躍したデ・マッケ(ド・マック)や、ヴェネツィアのA. ガブリエーリ、ローマのマレンツィオなどイタリアに軸足を置いていた作曲家たちの作品も含め、全ての収録曲はこの地域の文化拠点アントウェルペンで出版されていながら(1603年に出版されたフェルドンクの1曲〔トラック7〕以外は全て1580~90年代に刊行)歌詞は全てイタリア語で、オランダ独立戦争の動乱をよそに、ヨーロッパの南と北をまたにかけた刺激的な文化活動のあったことが判ります。コルネやフェルドンクなど重点的に紹介される機会の少ない作曲家たちも興味深く、緻密なポリフォニーや歌詞を活かした音作りの機微を存分に味わえる内容。しかも演奏は、音楽監督の早世により惜しまれながら活動休止したイタリアの名団体ラ・ヴェネシアーナのメンバーを多く含む気鋭集団、ラ・コンパーニャ・デル・マドリガーレ。温もりをたたえながら曲構造を明瞭に聴かせる精緻な歌唱で、濃やかな和声変化や多声書法の味わいをよく伝える解釈の妙はさすがというほかありません。Musique en Wallonieレーベルの常通りブックレットも美麗図版の数々はじめ情報満載です(伊語歌詞、仏・英・蘭・独語歌詞訳&解説)。(2024/11/01 発売)
レーベル名 | :Musique en Wallonie |
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カタログ番号 | :MEW2410 |
【使用楽器まで徹底して300年前!バッハが耳にした響きに迫る】 ”音楽の父”こと大バッハが、亡くなるまで勤め上げたライプツィヒ聖トーマス教会の聖歌隊監督の座についたのが1723年。その年に作られた二つの古楽器を使い、ちょうど300年後にあたる2023年を記念すべく録音されたこのアルバムは、希代のオルガニストとして知られた一方で生涯ヴァイオリンも演奏し続けたバッハの作品を軸にプログラムが編まれています。他にはドイツ語圏南部とイタリアで17世紀に活躍をみせた作曲家たちや、バッハとも交友があり影響関係も指摘されているドレスデンの名手ピゼンデルらの名品をチョイス。チェンバロと違い音が減衰しないオルガンならではの音使いが効果的に用いられ、書法の緻密さが浮き彫りになるのも興味深いところ。ヴァイオリンと通奏低音のための二つのソナタの他、バッハ作品では室内楽の書法を応用したオルガン作品も味わえます。バロックから後期ロマン派まで広範なレパートリーを誇るヨハネス・ラングが楽器の特性をよく踏まえた音色変化を巧みに使いこなせば、英仏の古楽シーンで経験を積んできたドイツ人バロック・ヴァイオリン奏者ナディア・ツヴィーナーも銘器の美音を鮮やかに際立たせる音運びで、各作品の味わいを印象づけてやみません。当時の楽器であればこその説得力を随所で感じる高感度なバロック・アルバム。バッハ研究の大家クリストフ・ヴォルフとの共著もある音楽学者マルクス・ゼンプフによるライナーノート(英・独・仏語)も、深い作品愛と楽器愛を感じさせる充実した内容になっています。(2023/05/12 発売)
レーベル名 | :Ramee |
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カタログ番号 | :RAM2202 |
2013年にオーストリアで行われたH.I.F.ビーバー国際コンクールにおいて、日本出身のヴァイオリニスト鷲見明香と共にロマヌス・ヴァイヒライン賞を受賞したアンサンブル、ジランドーレ・アルモニケによる初CD。コンクールでの演奏された5曲(トラック1、2、5、6、12)を中心に、バロック期のイタリアとオーストリアで書かれた弦楽器のための作品を、沸き立つような若々しい感性で聴かせてくれます。バロックの本分とも言える「逸脱」を変則調弦などの書法で体現した弦楽芸術の数々が、イタリアの古楽器奏者たちの鮮烈な感性でどう料理されるのか聴きどころです。(2019/02/13 発売)
レーベル名 | :Arcana |
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カタログ番号 | :A113 |
【革命前のフランスで静かに流行したマンドリンの真相に迫る充実選曲!】今でこそ19世紀以降のイタリア観光ブームの影響で「マンドリンといえば南イタリア」のイメージが強いものの、この小ぶりの撥弦楽器が18世紀に一時ヴァイオリンや鍵盤楽器にも追い迫る人気を誇り、パリやウィーンなどの都市部で多くのアマチュア演奏者に求められていたことは意外に知られていません。近年の古楽器研究の成果でその栄華に迫る録音も増えてきましたが、歴史的マンドリンの研究と演奏実践で注目を集めてきたイタリアの名手アンナ・スキヴァザッパは今回、ルイ15世時代のフランスにおけるマンドリン人気に着目。ヴァイオリンとの調弦の共通性なども幸いし奏者人口を増やしていった頃、花の都パリでどのような音楽がこの楽器の妙音で奏でられていたかを多角的に解き明かします。ヴィオールの名手フォルクレの名曲「ラ・マンドリーヌ」やグレトリー他の声楽曲も盛り込みながら、マンドリンが蔭に日向に活躍する室内楽曲をバランスよく集め、特に編曲者不詳ながら往年の人気作曲家たちの音楽をセンス良くマンドリン向けにアレンジした一連のソナタには世界初録音の作品もあり。メロディアスで心地よい音作りの曲が多いだけに、歴史的に検証されたマンドリン(一部18世紀製のオリジナル楽器も使用)の軽やかで奥深い響きの魅力が、ひときわ際立つトラックの連続となっています。パリで絶大な人気を誇ったグレトリーの作ほか声楽曲では、ジョルディ・サヴァール指揮のモンテヴェルディ《オルフェオ》の表題役で聴かせた圧巻の名演の記憶も新しいマルク・モイヨンの歌唱が絶品。他にもリ・インコーニティの鍵盤奏者アンナ・フォンターナ、多様な歴史的ハープを弾きこなすマリア・クリスティナ・クリアリーらの共演も頼もしく、ポンパドゥール夫人やマリー=アントワネットらが生きた時代ならではの優雅な空気を存分に楽しめます。そこにマンドリンの響きがいかに自然に馴染むか、嬉しい驚きに出会える1枚です。(2023/10/20 発売)
レーベル名 | :Arcana |
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カタログ番号 | :A552 |