トムラン, ジャック=ドニ(1640-1693)
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【充実した内容の2つの写本と正面から向き合った、名手ロバンの好企画】フランス・バロック作品の演奏解釈で高い評価を得てきた同国の名手ジャン=バティスト・ロバンが、ルイ14世の治世末期、1711年に完成したヴェルサイユ宮殿王室礼拝堂のオルガンを使い、当時記された二つの筆写譜にある作曲者名が判っていない作品ばかりを集めて演奏。典拠に用いたのは、鍵盤曲研究で知られ自身も演奏家として多くの録音を残しているダヴィット・モロニーが教授を務める、カリフォルニア大学バークレー校が所有する写本Ms776と、クラヴサン奏者カトリーヌ・コーモンが2008年に購入し専門家たちの間で注目された1707年の年記がある写本。前者はフランス・バロック期の礼拝習慣に合わせ、聖職者や聖歌隊が唱える祈りの詩句と交互に演奏されるオルガン小品が讃歌5編分記されており、後者には111曲のオルガン曲が記されルベーグやボワヴァンなど17世紀の作曲家たちの作品もありつつ、実に81曲までが無記名かつ他の史料には見つからない楽曲。ロバンは後者から曲を選んで二つの組曲を編み、前述の写本Ms776に記されている讃歌全てと共に録音しました。鍵盤ごとに異なる音色の管を使い、多声の綾をわかりやすく描いてゆくフランス・バロック特有の語法は大クープランやマルシャンら同時代の作曲家たちの作品にも通じるものがあり、無記名なのが惜しまれる充実した小品の数々は発見の喜びをどこまでも堪能させてくれます。多くの音栓を同時に鳴らす「プラン・ジュ」の迫力も見事なもの。18世紀当時の状態に復元された楽器から導き出されるヴェルサイユ宮殿の音響空間で、知られざる昔日の空気をお楽しみください。(2023/07/07 発売)
レーベル名 | :Château de Versailles Spectacles |
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カタログ番号 | :CVS097 |