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Metier: アルバム一覧

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    シェーンベルク:架空庭園の書/ボドリー:少女(ケリガン/コリンズ)

    シェーベルクが「浄夜」や「グレの歌」など、後期ロマン派の作風にどっぷり浸かった作品を書いていたのは1900年代の初めの頃でした。その「グレの歌」が完成したのは1911年でしたが、それ以前にシェーンベルクは既に調性から脱却を図り、1908年にはソプラノ独唱を伴った「弦楽四重奏曲第2番」が作曲されています。ここで使われたゲオルゲの詩は、同時期に作曲された「架空庭園の書」でも用いられ、詩の内容を完全に表現するとともに、曲はほとんど無調となりつつも、官能的なイメージと抑制された熱情が表出された、シェーンベルクの傑作の一つとなっています。ボドリーの「少女」は1978年に初演された作品で、抑圧された社会の中で望まぬ子供を宿してしまった少女の苦悩が描かれており、少女の移り変わる感情が綿密に歌われていくという22曲からなる歌曲集です。ブレヒトを得意とする現代アイルランドの歌手、ケリガンとドイツ・リートの伴奏に長けているコリンズの演奏です。(2017/03/24 発売)

    レーベル名:Metier
    カタログ番号:MSV28560

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    シェルシ/ケージ/ブソッティ/ベリオ/カーゲル/ノーノ/カスティリョーニ:声楽作品集(ストウ)

    1960年代はクラシック音楽における実験音楽が盛んで、声楽のジャンルでも、作曲家たちが熱心に声の使い方の実験的な再構築を行いました。そこには作曲家たちのミューズとなる極めて優れた声楽家たちの存在がありました。アメリカのキャシー・バーベリアン(1925-83)は枠にとらわれない大胆なパフォーマンスで、ジョン・ケージ、ブソッティ、そして一時期婚姻関係にあったベリオなどから曲を献呈されています。さらに、日本人のソプラノの平山美智子(1923-2018)も、1953年よりローマやシエナで学び、欧州の劇場で100回以上「蝶々夫人」を歌った後、現代音楽演奏に身を捧げ、様々な作曲家と交流し、シェルシとは特に緊密なコラボレーションを行いました。ここでは、中世音楽から現代曲まで幅広いレパートリーを持つイギリス出身の演奏家サラ・ストウが、ソプラノのみならずハープシコードやパーカッションまでを担当。ストウは、イタリアでベリオのために歌い、平山美智子に師事してシェルシの声楽作品を勉強しており、ドラマティックで大胆な実験音楽の世界を体現しています。(2020/01/17 発売)

    レーベル名:Metier
    カタログ番号:MSV28593

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    シューマン:民謡風の5つの小品/幻想小曲集/ミュライユ:アトラクトゥール・エトランジェ(イティエ/ブリコールト/ヴェルムラン)

    フランスの現代作曲家トリスタン・ミュライユ。イタリアの先人ジャチント・シェルシに影響を受け、ジェラール・グリゼーらとともに独自の方法論を展開し「スペクトル楽派」の一員としてユニークな作品を発表しています(彼自身はスペクトル楽派という名前を嫌っているとも)。Metierレーベルでは2005年にピアニスト、マリリン・ノンケンによるミュライユ「ピアノ作品全集」(MSVCD92097)をリリース、ミュライユの音楽の普及に務めていますが、今作はミュライユの「抒情的な側面」に着目、シューマンの音楽とのコラボレーションという異色の組み合わせを試みています。中でもミュライユ自身が編曲した「子供の情景」が聴きどころ。演奏しているイティエはどんな時代の作品でも柔軟に弾きこなし、作曲家の難しい要求に応えています。(2019/07/19 発売)

    レーベル名:Metier
    カタログ番号:MSV28590

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    ジョンソン:弦楽四重奏曲第1番 - 第3番/ある風変わりな英国人芸術家のリフレクション(リクセンベルク/フィッツウィリアム弦楽四重奏団)

    英国の作曲家リズ・ジョンソンの作品集。その作品は前衛的な響きを持っていますが、決して異端なものではなく、むしろ舞踊の世界では積極的に使われていることで知られています。合唱作品や独奏曲など、多彩な作品がありますが、この2枚組には室内楽作品が収録されており、複雑な楽想を持つ4つの弦楽四重奏曲を含む15曲が楽しめます。(2017/06/30 発売)

    レーベル名:Metier
    カタログ番号:MSV77206

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    スケンプトン:室内楽作品集(The Man Hurdy-Gurdy & Me)(アンサンブル・シリヌ)

    過去50年以上にわたり、イギリスで最も国際的に認められた作曲家の一人として活動してきたハワード・スケンプトンは、伝統的な調性を使い叙情的な作品を生み出すかたわら、自身がアコーディオンやレアな楽器を演奏、これらの楽器のための作品を作ることに喜びを見出してきました。このアルバムで登場する「ハーディ・ガーディ」は中世ヨーロッパ発祥の手回しの弦楽器で、バグパイプのような独特な音色を持っています。このアルバムでは、古楽とワールド・ミュージックを専門として1992年に結成された「アンサンブル・シリヌ」が、創設メンバーのサラ・ストウやマシュー・スプリングの他、現代音楽とワールド・ミュージックのスペシャリスト、オーボエのクリス・レッドゲートやイザベル・カレ(フルート、リコーダー、ガムラン)にクリス・ブラニック(パーカッション)を招いて数々の曲を録音しています。モダン楽器と中世の楽器による独創的な音の世界をお楽しみください。(2020/03/20 発売)

    レーベル名:Metier
    カタログ番号:MSV28580

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    ストラヴィンスキー/ルトスワフスキ/リゲティ/フィニッシー:弦楽四重奏曲集(クロイツェル四重奏団)

    2012年にリリースされたDVD(MSVDX 101)と同じ収録内容を持つこのアルバム。最初はデジタル・ダウンロードのみの発売でしたが、CDとしての発売を待ち望んでいた人が多く、今回の発売となりました。近現代を代表する3人の作曲家の弦楽四重奏曲に、イギリスの現代作曲家フィニッシーの作品を加えたこの1枚は、現代英国作品のリリースに力を入れているMetierレーベルを象徴するにふさわしいアルバムです。スケアヴェズを筆頭に名手4人で構成されるクロイツェル弦楽四重奏団は、現代作品を得意とするアンサンブル。Metierレーベルの他、NAXOS、Toccataレーベルにおいて多彩な曲を録音しています。(2017/03/24 発売)

    レーベル名:Metier
    カタログ番号:MSVCD92105

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    スミス/チャイルズ/マンダート/ヴォルフ/ケージ/ジョンソン:クラリネット作品集(ミッチェル)

    なんとも挑発的で前衛的な曲ばかりを集めたこの「現代アメリカのクラリネット作品集」。演奏しているイアン・ミッチェルは主に現代作品を得意とするヨーロッパ有数のクラリネット奏者で、アンサンブル・ジェミニのディレクターであり、数多くの交響楽団やアンサンブルと共演、40を越える委嘱作の初演も行っている人です。このアルバム、冒頭から不思議な音が聞こえてきます。長く引き伸ばされた声をバックにクラリネットが自在に歌う「反射」、ウォーロックの少し古めかしい歌曲「眠り」をチャイルズがアレンジしたという後日譚のような作品…以降、ダブル・クラリネット(!)も含めた、超絶技術を極めつつ、詩の朗読もはさみながら、即興的な音楽が延々と続いていきます。(2015/10/28 発売)

    レーベル名:Metier
    カタログ番号:MSV28553

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    ハキム:オルガン作品集(マッカスカー/ターナー/ホーランド/リーチ)

    フランス=レバノンの作曲家ナジ・ハキムはオルガン曲の作曲家として知られています。彼はオルガン曲を書く際、ヴァイオリンと組み合わせたり、時にはリコーダーと組み合わせるなど、これまでになかった試みを多く行い、そのどれもが高く絶賛されています。このアルバムでも、テノールが歌う聖歌を導入としてヴァイオリンとオルガンの対話が繰り広げられる「サルヴェ・レジーナ」、同じくヴァイオリンとオルガンによる熱狂的な「カプリッチョ」を始め、リコーダーの素朴な響きとオルガンの重厚な音色が溶け合う「二部作」など、どれもオルガンが縦横無尽に使われた特徴的な作品ばかりです。(2018/11/28 発売)

    レーベル名:Metier
    カタログ番号:MSV28583

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    バレット:ヴェール/ジョンソン:エモワ/ポゼ:エウリディーチェ(シュマイザー/クレイグ/ディストラクトフォールド・アンサンブル)

    フルートの表現力と奏法の限界に挑戦したかのような作品を集めたこの1枚。6人の作曲家の作品は、独奏であったり、他の楽器、時には電子音と組み合わせたりと、どれも様々な工夫が凝らされており、その作風もコンテンポラリーからジャズ風のものまでと多彩です。まるで口笛を吹くかのように、自由自在にフルートを操るフルーティスト、リチャード・クレイグの妙技をお楽しみください。(2017/08/30 発売)

    レーベル名:Metier
    カタログ番号:MSV28540

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    バンクス/ヒスコックス/クーネ/マスランカ/ロックバーグ/スカルソープ:ピアノ作品集(マッケイブ)

    イギリスのピアニスト兼作曲家、ジョン・マッケイヴ(1939-2015)。ピアニストとしてはハイドン演奏のスペシャリストであるとともに、同時代の作品にも精通しており、数多くの作品を紹介、録音してきました。このアルバムは1985年に録音されたオーストラリアとアメリカの現代音楽を集めた1枚で、これを録音するためにマッケイヴはわざわざシドニーのEMIスタジオに出向いたのですが、出来上がったものは何故かリリースされることがありませんでした。このマスターは、スタジオが閉鎖された際に紛失したと思われていましたが、2018年に奇跡的にカセットコピーが発見され、これをリマスタリング。今回CDとして蘇りました。マッケイヴ自身が選んだ様々なスタイルによる作品は、どれもユニークで聴きごたえのあるものばかりです。(2019/07/19 発売)

    レーベル名:Metier
    カタログ番号:MSV28585