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【古楽大国ベルギー発、ピリオド指揮者ニケが正面から向き合ったフランクの秘曲】ドイツ語圏にほど近いベルギー東部で生まれ育ったフランクの音楽は、若き日の作品群よりもむしろ、後年フランスに帰化し、パリでフランス国民音楽協会の一員として活躍するようになってからの大作群が有名です。交響曲やイ長調のヴァイオリン・ソナタがその代表ですが、しかし生前のフランクはむしろ、国民音楽協会発足の前から稀代のオルガン奏者として知られていました。リストやブラームスのように、19世紀の芸術家の目線でキリスト教と新たに向き合った中後期の重要作品もありながら、意外なほど録音はなされていません。この『贖罪』もまさにそうした作品のひとつで、たびたび演奏される間奏曲(“交響詩「贖罪」”という呼称でも知られる楽章)のほかは20世紀のプラッソン録音以降、ほとんど新録音が現れませんでした。フランクの『贖罪』は、メゾソプラノ独唱と合唱を中心に展開してゆく物語とともに、管弦楽が壮麗な音楽絵巻を織り上げてゆく内容。オラトリオと呼ばれることもありますが、フランク自身がこれを「詩曲=交響曲Poeme-Symphonie」と題しているところからも、管弦楽の扱いに主眼が置かれていることは明らかです。今回の指揮者は、NAXOSやALPHAでシャルパンティエやリュリなどバロック作品を手がけ、Glossaでもヘンデル『水上の音楽』を手がけたフランスの古楽器系指揮者エルヴェ・ニケ。近年サン=サーンスやデュカスなど、急速にフランス近代作品の録音で実績をあげるようになってきた名匠と、作曲家の故郷ベルギー随一の名団体王立リエージュ・フィルの演奏でこの知られざる傑作を聴けるのは貴重。図版多数の充実解説はMusique en Wallonieレーベルならでは。この秋とくに見逃せないリリースです。(2019/11/15 発売)
| レーベル名 | :Musique en Wallonie |
|---|---|
| カタログ番号 | :MEW1994 |
【内なる声、ベルギー・ピアノの系譜】19世紀から20世紀にかけて、ヴァイオリンのフランコ・ベルギー楽派はアンリ・ヴュータンやウジェーヌ・イザイらによって一時代を築きました。このアルバムは、同時期から現代までのベルギーにおける、ピアノの楽派とも言うべき流れを俯瞰する試みです。アルバム・タイトルのPIECES EGOISTESはギヨーム・ルクーの「自己愛の小品(「私自身のためだけの小品」といったようなニュアンス)」に由来し、作曲家自身の内面的な感情を表したもの。その豊かな伝統と師弟の絆へのオマージュとして、ここには様々な音楽が収められています。16歳でエリザベート王妃国際音楽コンクール第3位に入賞し、60年以上にわたり国際的なキャリアを築いた巨匠、ジャン=クロード・ヴァンデン・エインデンが奏でるフランク、ジョンゲン兄弟、デ・グレーフ、リサイト、ファン・ロッスム、ルクー、ウジェーヌの弟テオ・イザイといった作曲家たちの知られざる珠玉の作品群は、魂の奥底に触れる唯一無二の音楽体験をもたらします。(2025/09/05 発売)
| レーベル名 | :Musique en Wallonie |
|---|---|
| カタログ番号 | :MEW2511 |
【19世紀の歴史的ピアノと名歌手が解き明かす、後期ドイツ・ロマン派屈指の歌曲作曲家の真価!】録音技術発明以前、客間のピアノで演奏できる楽譜が私生活空間に音楽を伝える唯一の手段だった19世紀には、歌曲作曲家の存在意義は21世紀よりもずっと高いものでした。20世紀のモダニズム全盛の時代には、先進的な技法を積極的に使わなかった作曲家たちが不当に忘却へと追いやられてしまいましたが、本盤の主人公エドゥアルド・ラッセンはそうした流れの中で急速に忘れられてしまったものの、生前はドイツ歌曲の世界で絶大な人気を誇った重要作曲家でした。ブラームスと同世代のデンマーク生まれのベルギー人で、母語はフランス語ながら若くしてフランツ・リストに強い影響を受け、新ドイツ楽派の熱心な擁護者として独自の作風を養い、一時は世界で最も広く愛唱される歌曲作曲家の一人になったほど。作家トーマス・マン(1875-1955)も後年改めてその魅力に開眼したコメントを残していますが、ここに集められた歌曲の数々は実際、きわめて玄妙な後期ロマン派ならではの味わいに満ちた名旋律の連続。作品と同時代の1875年製スタインウェイの味わい深い響きが、古楽シーンで広く注目を集めてきたファン・メヘレンの名歌唱とともに作品の美質をこのうえなく引き立てます。ラッセンはまた19世紀にあって早くも古楽器を意識、ヴィオラ・ダモーレが伴奏に加わる作品も書いており、2曲がこのアルバムに収録されています。(2021/11/12 発売)
| レーベル名 | :Musique en Wallonie |
|---|---|
| カタログ番号 | :MEW2099 |
【ハプスブルク家とフランス王家に仕えたジョスカンの高弟の至芸】活躍初期と後期はハプスブルク家が治めるネーデルラント(現ベルギー)の諸都市で活躍、生涯の大半を通じルイ12世やブルターニュ出身の王妃アンヌ、ルイ12世の後を継いだ広範な文化擁護者フランソワ1世らフランス王室に仕えた名匠ジャン・リシャフォール。恩師と言われる大家ジョスカン・デ・プレの死を悼むレクイエムがつとに有名なこの作曲家の至芸を、ここでは2曲の多声ミサ曲とその源流となる作品を通じて紹介。演奏は日本でもバッハ・コレギウム・ジャパンとの名演で知られるハナ・ブラジコヴァーを筆頭に、彼女との共演による中世作品の名演が多いバルバラ・カバートコヴァー、古楽と近現代歌曲に抜群の適性をみせてきたトマーシュ・クラールら実力派が揃う8人編成のア・カペラ声楽アンサンブル。SUPRAPHONやACCENTでのチェコ系プレイヤーの声楽録音に実績の多い技師アレシュ・ドヴォジャークの敏腕により、教会堂のほどよい残響のなか各パートの動きが明瞭に伝わる録音になっているのも魅力です。師ジョスカンも模索したパロディ・ミサ(既存の特定旋律を全ての楽章の根幹に使ったミサ曲)の技法を縦横無尽に展開、時に特定パートをソロ的に活かし自在にくりひろげられるポリフォニーの妙をお楽しみ下さい。(2024/11/15 発売)
| レーベル名 | :Musique en Wallonie |
|---|---|
| カタログ番号 | :MEW2308 |
ベルギーの作曲家にして、リエージュ弦楽四重奏団などでも活躍したヴィオラ奏者、ジャン・ロジステルによる作品集。演奏者としての感性を大いに生かした無類のメロディ・メーカーであり、たいへんロマンティックな作風で知られます。このアルバムはかつてリリースされた音源から、第一次世界大戦中の作品を中心に編集されたもの。当時ロジステルはドイツ軍の侵攻からなんとか逃れたものの、身重であった若い妻を出産後に亡くしてしまいます。その深い悲しみの中で書かれた「ラメント」は、彼の作品の中でも最も悲痛なものの一つ。数十年後の第二次世界大戦中には、より動きのある「アレグロ・エネルジコ」が書かれ、この「ラメント」と組み合されました。小規模なヴィオラ協奏曲と弦楽四重奏曲第2番はほぼ同時に書かれ、リエージュ音楽院の学長ジュール・ロベールに捧げられたもの。世界大戦終結への思いが込められた「告別(Adiu)」は、その数か月後に再婚することになるリデ夫人に捧げられた美しい小品で、ソロはヴィオラのほかヴァイオリンとチェロ(リデ夫人はチェロ奏者でした)でも演奏できるようになっています。(2019/03/29 発売)
| レーベル名 | :Musique en Wallonie |
|---|---|
| カタログ番号 | :MEW1787 |