ヴァインベルク, ミェチスワフ(1919-1996)
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ポーランドに生まれ、ショスタコーヴィチの友人としても知られる20世紀の最大の作曲家の一人、ワインベルクの2つの作品です。1949年、彼が30歳の時に作曲した「モルダヴィアの主題によるラプソディ」は物憂い風情を湛えた前半部と、興奮の坩堝と化した後半部のコントラストが見事です。民謡を多用したこの「親しみやすい」作品は、当時の社会情勢の求めで書いた曲であり、必ずしも彼の本意が表出されているとはいえませんが、人々の賞賛を集めたことは間違いありません。1949年11月30日にアレクサンドル・ガウク指揮、モスクワ放送交響楽団によって初演されました。交響曲第6番は、児童合唱を用いる描写的な音楽で、初演を聴いたショスタコーヴィチが大絶賛したと言います。確かにショスタコの一連の作品を上回るほどの凶暴性を持つスケルツォはロシア好きでなくとも、一聴の価値ありです。(2012/05/16 発売)
レーベル名 | :Naxos |
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カタログ番号 | :8.572779 |
チェロの作品などで最近めきめき知名度を上げている作曲家、ヴァインベルクのピアノ作品集です。彼は20歳の時に最初のピアノ・ソナタを作曲しましたが、それは若者の作品としては恐ろしいまでの完成度を持ち、情緒的な深さと音楽的な成熟を宿したものでした。このアルバムでその才能を感じてみてください。3冊からなる「子どものための手帳」は1944年から45年にかけて作曲されたもので、彼の12歳の娘、ビクトリアに捧げられています。古今東西の「子どものために」書かれた曲集を凌駕する内容を持ち、技術的な難易度は(それほど)高くなくとも、内容の充実度はばっちり。聴いているだけでも楽しいちょっとムソルグスキーを思わせる曲集です。(2011/02/16 発売)
レーベル名 | :CPO |
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カタログ番号 | :777517-2 |
「Resonance=共鳴」のタイトルの通り、選曲と演奏において様々な響き合いを聴かせるアルバム。ヴァインベルクのトランペット協奏曲は、軍楽におけるトランペットの歴史が反映されており、マーラーやメンデルスゾーン、ストラヴィンスキーの音楽を引用しながらも、それらを暗く歪めたグロテスクなものに変えています。シェーンベルガーの協奏曲はネオロマンティックであり、ロマン派の作曲家たちの影響が見られます。ラフマニノフの「ヴォカリーズ」は、音楽が呼び起こす感情や記憶を表現し、トランペットがその抒情性を引き立てます。アルバムの最後の作品、ゲディケの「演奏会用練習曲」は、ロイドのお気に入りの作品。もともとピアノとトランペットの曲で、彼女はしばしばアンコールで演奏していましたが、今作ではリー・レイノルズによる管弦楽伴奏版での演奏です。マティルダ・ロイドは、ケンブリッジ大学、英国王立音楽アカデミーで研鑽を積み、マルメ音楽大学では、現代最高峰のトランペット奏者の一人であるホーカン・ハーデンベルガーに師事。2014年にBBC Young Musician of the Year Brass Finalを受賞し、2016年にはBBCプロムスでデビュー。翌年にはフランスで開催されたエリック・オービエ国際トランペット・コンクールで第一位に輝くなど、大いに期待されている若手です。古典派から現代まで幅広いレパートリーを持ち、委嘱作品の初演を積極的に行うなどトランペットのレパートリー拡大にも力を注いでいます。このアルバムは、彼女の華麗な音色を高音質録音で伝えるSACDハイブリッド盤での発売です。(2024/11/22 発売)
レーベル名 | :Chandos |
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カタログ番号 | :CHSA5339 |
ヴァィンベルクはポーランドで生まれソ連に亡命、ショスタコーヴィチと親交を結ぶも戦後はスターリンの「反ユダヤ主義運動」に巻き込まれたことで、自身は逮捕されたうえ、作品の上演も禁止されるなど苦難の日々を送りました。親友のショスタコーヴィチから強い影響を受けましたが、晩年になるに従い、若き日への郷愁と、反戦への強い思いが反映された抒情的な作風へと移行し、独自の作品を書き上げています。このアルバムには弦楽オーケストラのための2曲の「室内交響曲」を収録。どちらも若き日の弦楽四重奏曲を改訂したもので、第1番はもともと1940年に作曲された「弦楽四重奏曲第2番」が原曲。冒頭のさわやかな旋律は若きヴァインベルクの意気込みを雄弁に物語っています。第3番は同じく「弦楽四重奏曲第5番」を改訂した曲で、ヴァインベルクは第2楽章を除いた全4楽章を採用、こちらも青春時代を懐古するかのような雰囲気に満ちています。演奏する「イースト・ウエスト室内管弦楽団」はユーリ・バシュメットが主宰する国際音楽祭のためのアンサンブル。各地から集った名手たちで構成された凄腕の集団です。(2019/09/27 発売)
レーベル名 | :Naxos |
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カタログ番号 | :8.574063 |
1999年設立、2024年に結成25周年を迎えるトリオ・コン・ブリオ・コペンハーゲン。デンマークを拠点に世界中で活躍し、これまでにベートーヴェンやチャイコフスキー、ショスタコーヴィチなどの録音で高く評価されるアンサンブルの最新録音は、ヴァインベルクとシューベルトのピアノ三重奏曲集。第二次世界大戦の混乱の中で書かれ、不安や絶望の影がよぎるヴァインベルクの三重奏曲、短い生涯の最晩年に書かれ、寂寥と晴れやかさの相半ばするシューベルトの曲。アンサンブルのメンバーは作品に漲る細やかな感情の動きを丁寧になぞっていきます。(2024/02/16 発売)
レーベル名 | :Orchid Classics |
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カタログ番号 | :ORC100282 |
2016年「第20回タンスマン祝祭音楽祭」でデビューした「ヴァインベルク三重奏団」。ポーランドを代表する3人の奏者たちによって結成された弦楽三重奏団です彼らが最も敬愛するのは、アンサンブルに名を冠する作曲家ヴァインベルクの作品。このアルバムで彼らは、そのヴァインベルクと同じくポーランド出身の作曲家タンスマンとアンジェイ・チャイコフスキーの作品を演奏。心地よいテンポと漲る緊張感が作品を際立たせています。(2019/12/13 発売)
レーベル名 | :CD Accord |
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カタログ番号 | :CDAccordACD247 |
ワルシャワのユダヤ人家庭に生まれたワインベルク(1919-1996)は、最初ワルシャワ音楽院で学びますが、1939年、ナチス・ドイツのポーランド侵攻のためにソヴィエト連邦へ亡命することとなります。ミンスクからタシュケント、そして最後はモスクワに定住し、亡くなる直前にロシア正教会に改宗しました。彼のチェロ・ソナタ(第2番はロストロポーヴィチのために作曲された)は、チェロの表現能力の限界までを使用しており、憂鬱さと抒情性、そして激しさを兼ね備えたもので、しばしばショスタコーヴィチの作品と比較されます。また無伴奏ソナタの第1番と第3番もやはりロストロポーヴィチに捧げられています。第1番は比較的コンパクトな作品ですが、第3番は規模、楽想ともに大きく、これは確かにJ.S.バッハの作品に比肩するものと言えるでしょう。(2010/05/12 発売)
レーベル名 | :Naxos |
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カタログ番号 | :8.570333 |
シリーズ「亡命ユダヤ人作曲家たちのチェロ協奏曲集」をリリース、好評を博しているラファエル・ウォルフィッシュの新しいアルバムは、近年注目が高まる作曲家ヴァインベルクの作品集。ワルシャワで育ち、自らをポーランド人と見做していたというヴァインベルクですが、ルーツはユダヤにあり、作品にもポーランドとユダヤの伝統が織り込まれています。1948年に作曲されたチェロ協奏曲では、全編にわたりユダヤ伝統の「クレズマー」風の哀愁に満ちた旋律が使われていますが、第3楽章はポーランドの舞曲風であるところがユニーク。力強いリズムに心が躍ります。長い間紛失していて2016年に発見された「コンチェルティーノ」はチェロ協奏曲の下敷きとなった作品。合奏協奏曲のような雰囲気を持ち、オーケストラ・パートが充実していますが、ヴァインベルクはチェロを更に活躍させるためにこれを「チェロ協奏曲」へと改作したようです。幻想曲は陰鬱な雰囲気で始まりますが、中間部は賑やかな旋律がたっぷり含まれた聴きどころの多い作品です。(2020/01/31 発売)
レーベル名 | :CPO |
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カタログ番号 | :555234-2 |
ショスタコーヴィチの友人であり、その作品から強い影響を受けたとされるポーランド出身の作曲家ヴァインベルク。前衛的な手法を試みながらも、作風は過去に向かっているものが多く、その作品からは戦争への不安、哀しみ、平和への憧れが強く感じられます。このアルバムには1940年代から50年代にかけての3作品を収録。なかでも、25歳のヴァインベルクによるロシアモダニズムの頂点を成す「ピアノ五重奏曲」が聴きもの。第3楽章の荒れ狂う疾走感が特異な雰囲気を出しています。一転、1959年のチェロ・ソナタ 第2番は瞑想的な楽想が漲る美しい作品。アタッカ四重奏団の創設メンバーの一人、ロンドン出身のチェリスト、アンドリュー・イーが耽美的な演奏を聴かせます。(2018/08/24 発売)
レーベル名 | :Steinway and Sons |
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カタログ番号 | :Steinway30072 |