ペンデレツキ, クシシュトフ(1933-2020)
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「すっかりロマン派の作風に回帰した」と言われるポーランドを代表する作曲家、ペンデレツキ(1933-)。多くの人はあの「ヒロシマ」の頃の鮮烈な音楽を知っているだけに、今の作風には違和感を覚えるのでしょう。しかし、今の彼の音楽がつまらないかと言われると、そんなことは全くありません。どの作品にも普遍の美しさが宿っているのです。この歌曲集は2010年のショパン生誕200周年の記念行事のために書かれたもので(初演の指揮はゲルギエフが担った)、作品としては「交響曲第8番」(8.570450)と同じ世界に属する夢幻的な響きを有しています。全体は大きく3部に分かれ、各々の曲にはロマン派と現代のポーランドの詩人の詩が用いられ、曲によって最もふさわしい声域で歌われるように工夫されています。切れ切れのショパンの音楽の残滓から、ほろ苦い郷愁を感じ取ることができるでしょうか。(2015/11/25 発売)
レーベル名 | :Naxos |
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カタログ番号 | :8.573062 |
ポーランドの巨匠、ペンデレツキの作品群の中で、必ずしも室内楽曲、器楽曲は大きなウェイトを占めていませんが、彼自身ヴァイオリンに堪能なこともあり、当盤にはなかなか興味深い作品が集まっています。ソナタ第1番は学生の頃の作で、20世紀の先達の影響が感じられるものとなっています。3つのミニアチュアは最も先鋭的な作品で、点描的な書法と、高度で多彩なヴァイオリン技法が、緊張感の高い音楽を織りなしており、名人芸的なカデンツァとともに、演奏効果抜群です。最も大規模なソナタ第2番は、まさに円熟の作、多彩な響きが次々に飛び出すとともに、自然にこなれた感情表現の豊かさが目立ちます。(2004/06/01 発売)
レーベル名 | :Naxos |
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カタログ番号 | :8.557253 |
韓国に生まれ、ソウル芸術高等学校卒業後、アメリカに留学し、カーティス音楽院にて、アーロン・ローザンドに師事した才能ある若手ヴァイオリニスト、ペク・ジュヤン。もちろん数々のコンクール受賞歴を持ち、世界中のオーケストラとの共演を重ね、名門ソウル大学音楽学部では20歳代で教授職に就任、こちらも韓国国内で大きな話題を呼びました。新日本フィルハーモニーとブラームス&ブルックの協奏曲を録音し、また無伴奏作品のアルバムもリリースしている彼女ですが、今回はロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団と、ペンデレツキとシマノフスキという2つのポーランドの近現代作品を演奏しています。1995年に書かれたペンデレツキの作品はもともとアンネ=ゾフィ・ムターのために書かれた作品で、すでに作風がロマン派に回帰した時期の曲で、難解さを取り除いてしまった現代曲といった風情であり、ヴァイオリニストの持ち味が存分に生かされるといえるでしょう。シマノフスキの作品は、きらびやかで捉えどころのない始まり方に魅了されます。こちらは妖艶な魅力に溢れた曲といえるでしょうか。(2014/11/26 発売)
レーベル名 | :Royal Philharmonic Orchestra |
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カタログ番号 | :RPOSP047 |
かのレディオ・ヘッドのトム・ヨークが「ペンデレツキのチェロ協奏曲いいじゃん」と言ったとかで、一時期CDの売り切れが続いたというのは本当の話ですが、さて彼は第1番と第2番、どちらが良いと言ったのでしょうか?このアルバムに収録された第2番は1982年に名チェリスト、ロストロポーヴィチのために書かれたもので、ベルリン・フィル創立100周年記念の委嘱作品となっています。切れ目なく演奏される1楽章形式の作品で、刺激的な音は影をひそめ、豊かな調和と劇的な力は感じられるものの、やはり不安な感情を拭うことはできません。その1年後に書かれたヴィオラ協奏曲は、冒頭の表現力豊かなモノローグが耳に残る緊張感溢れる作品です。20分ほどの短い時間にぎっしり中身が詰まっています。60年代の尖がった作風を捨て、ネオ・ロマンに回帰しつつある作曲家の変遷の跡が見えてきませんか?(2011/11/16 発売)
レーベル名 | :Naxos |
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カタログ番号 | :8.572211 |
1962年に発表された「スターバト・マーテル」、そして1963年の「ルカ受難曲」に連なるペンデレツキの宗教的合唱作品である「ウトレーニャ」の登場です。始めてこの曲を聴いた人は、地の底から響くような合唱に身震いすることでしょう。しかし用いられた詩は、ロシア正教の早朝礼拝の典礼文だというから驚きです(この曲を朝から聴くのは少々勇気がいることでしょう)。第1部(名指揮者オーマンディに捧げられた)でキリストの埋葬を描き、第2部ではその復活を描いています。衝撃的な大音量に圧倒される部分も多いのですが、根底を貫いているのは静かな神への祈り。聴き終わった時の脱力感がたまりません。(2009/06/24 発売)
レーベル名 | :Naxos |
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カタログ番号 | :8.572031 |
この音楽の恐ろしいまでの悲痛さを何と表現したらよいのでしょうか?弦楽オーケストラのための「広島の犠牲者に捧げる哀歌」はまさに阿鼻叫喚、20世紀最悪の地獄絵図を雑音をたてるなどの特殊奏法や、集団によるクラスター、グリッサンドといった技法を大胆に駆使することによって描きつくした究極の音楽です。実のところ当初ペンデレツキは、抽象的なタイトルを与えることを想定してこの作品の創作に当たったということですが、できあがってみてビックリ、余りにおどろおどろしい音楽となっていたため現行のタイトルとなったという裏話もあるようですが、この凄まじさはホンモノです。心臓に悪い一曲ですので、十分に覚悟を決めてお聴きになられてください。(2000/04/01 発売)
レーベル名 | :Naxos |
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カタログ番号 | :8.554491 |
92年にソウルで初演(韓国民謡も織り込み)された「第5番」は単一楽章形式により、緩急や強弱のコントラストを特徴とします。80年代以降の作曲者は自ら頻繁に指揮したショスタコーヴィチ作品に影響を受け、それはここでも明らかです。クライマックスが明確で、マーラー的な金管の咆哮もあり、もっと近現代管弦楽曲ファンに聴かれてよいのではないでしょうか。73年に初演された「第1番」は続けて演奏される4つの部分から成ります。作風の転換期にあり、過去の激烈な音響の試みの刻印を残しているため、現代音楽ファン向けです。(2000/04/01 発売)
レーベル名 | :Naxos |
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カタログ番号 | :8.554567 |
79年のクリスマスイブに作曲開始、翌年初頭に完成した交響曲第2番は、ペンデレツキの中で最も親しみやすい作品、という評さえありますが、果たしてどうでしょうか。うっかりしてると、「きよしこの夜」の引用にも全く気づかないかも。結局クリスマスっぽい雰囲気とは無縁で親しみやすくはないけれど、作曲後のポーランドの不安定な政情を予見させる、真摯な力作なのです。仏革命二百周年のために書かれ89年にパリで初演された第4番は、80年代後半の作曲者の作風を代表する作品。楽想は落ち着かず変転し、アイロニカルな雰囲気(そこがいい)に支配されます。(2000/05/01 発売)
レーベル名 | :Naxos |
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カタログ番号 | :8.554492 |
かつては前衛の旗手として活躍したペンデレツキは、70年代に作風を変えます。「ネオ・ロマン主義」などと呼ばれた作曲手法によりペンデレツキは、古い形式で新しい音楽表現が可能であることを示したのです。アイザック・スターンにより初演された、画期的な「ヴァイオリン協奏曲第1番」は、全編を暗いムードが支配します。どの部分をとっても音楽は極めて真摯で、聴き手は金縛りにあうかのような緊張感を強いられます。ムターにより初演された「第2番」は動きがより激しく、管弦楽はより色彩的で性格は第1番と異なりますが、緊張感の持続は変わりません。両曲とも単一楽章制を採用しています。(2003/06/01 発売)
レーベル名 | :Naxos |
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カタログ番号 | :8.555265 |
現在ポーランドで高く評価されている現代作曲家の一人、クシシシュトフ・メイエル。彼の作品の中では13曲ある弦楽四重奏が良く知られていますが、この80年代に書かれた「カプリッチョ」もなかなかの意欲作。難解な作風ではありますが、刺激的であり、楽器の使い方にも目を見張るものがあります。それに対し、スウォヴィニスキのバロック時代のスタイルを意識して書かれた「王宮のための組曲」は、古典的な枠組みの中にモダンな響きを封じ込めたもの。ペンデレツキの作品は個人的な思い出の中に、シューベルトの弦楽五重奏からの雰囲気を封じ込めたと作曲家自身が語っています。緊密なアンサンブルをお聞きください。(2014/04/23 発売)
レーベル名 | :CD Accord |
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カタログ番号 | :CDAccordACD187 |