マレ, マラン(1656-1728)
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もともとはイタリア人であったリュリですが、フランスでの活躍を機に、ジョヴァンニ・バッティスタから「ジャン=バティスト」とフランス風の名前に変え、1661年には国籍も取得。ルイ14世の宮廷楽長としてフランスの貴族社会を席捲しました。彼はダンサーとしても優れた才能があり、やはり踊り手であったルイ14世としばしば同じ舞台に立つために、数多くのバレエ=バレ音楽を作曲し聴衆を魅了、王と密接な関係を保つとともに自身の発言力も強めていったのです。王の寵愛を一身に受けたリュリは自らのオーケストラを結成し、ヴェルサイユ宮殿で行われる舞踏会での演奏を行うなど、17世紀の宮廷音楽に大革命を起こしました。代表作の一つである《ロラン》はリュリが確立した「抒情悲劇」の1曲であり、初演時から高い人気を獲得するとともに、周辺の作曲家たちに強い影響を与えた作品です。このアルバムで聴くことのできるムッファトとマレの組曲からも影響は感じられます。バルトルト・クイケンは各々の曲の特徴を捉え、華やかな解釈を施しています。(2018/11/28 発売)
レーベル名 | :Naxos |
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カタログ番号 | :8.573868 |
【英国の新世代アンサンブルが奏でる、太陽王の宮廷の一日】2021年、英国のBBC Radio 3とロンドン王立音楽大学(RCM)が共同推薦するニュー・ジェネレーション・バロック・アンサンブルの輝かしき初代団体に選ばれたアンサンブル・モリエールによる、トリオ・ソナタ編成でルイ14世お気に入りの作曲家たちの名作を辿るアルバム。ヴェルサイユの各所に楽隊を配し、朝から晩まで音楽漬けで政務を続けた王の一日を辿るかのように、序曲から室内楽、正餐時のBGM、宮廷劇場の音楽、そして就寝時の音楽へと続くプログラムで構成されています。ルイ14世に最も愛された作曲家リュリはもちろん、その歿後に王室関係者のため音楽を綴り続けたシャルパンティエ、王室鍵盤教師も務めたクープラン、王室におけるリュリの実質的後継者ド・ラランド、そしてルイ14世の中央集権が決定的になった頃に王自らが太陽の寓意像を演じた《王の夜の舞踏劇》を経て、就寝時に奏でられたというマレ初期の傑作曲集に収束するその展開は、バロック・ファンならずともつい先へ、先へ……と聴き続けてしまうに違いありません。ロンドンを拠点に活躍するチェンバロ奏者サトコ・ドイ=ラック(土井聡子)の手で声楽曲や管弦楽曲が室内楽編成に凝縮された巧みなアレンジも聴きどころ。バロック・バスーンの参加で室内楽的な親密さにオーケストラ風の広がりも加わり、フランス・バロック特有の高雅さを多彩な響きの中で楽しめる1枚です。(2024/03/22 発売)
レーベル名 | :Linn Records |
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カタログ番号 | :CKD738 |
【フランス・バロックの貴族社会を彩った恋の歌。名手たちが当時の傑作器楽曲を交えて伝える機微】文化百般に通じた絶対君主ルイ14世のもと、前世紀以来の高雅な宮廷歌曲(エール・ド・クール)が発展、王室音楽総監督リュリもフランス語の韻文を鮮やかに音楽化し傑作フランス語オペラを続々発表した17世紀フランス。しかし上流階級の人々はそうした堅固な芸術様式ばかりでなく、他愛ない恋物語を短くシンプルな詩句に歌い込んだ、より軽く短い歌も喜んで愉しんでいました。古代の理想郷に暮らす羊飼いの青年が「栗毛(ブリュネット)の君よ」と歌いかける設定の歌が多いためブリュネットと総称されるようになったこの曲種は、王室勅許のもと楽譜出版を任されていたバラール出版局から3度にわたり集大成的曲集が編まれたほど人気があり、今に伝わります。このアルバムはクープランやマレなど同時代の王室周辺で活躍した名手たちの器楽作品を交え、ブリュネットの名品の数々をフランス・バロック後期の宮廷音楽世界に文脈づける試み。さまざまなバロック・オペラや教会音楽・歌曲の解釈にすぐれ人気絶頂の名歌手ファン・メヘレンを中心に、器楽ではジャン・ロンドーのアンサンブルであるネヴァーマインドで活躍する横笛奏者アンナ・ベッソン、バッハの無伴奏チェロ組曲をフランス式にヴィオールで録音したミリアム・リニョルら4人の俊才が機微鮮やかな演奏を聴かせます。驚くほど巧みなアンサンブルで彼らが支えるファン・メヘレンの美声にも酔いつつ、知られざるフランス・バロックの素顔に迫れるALPHAならではの好企画盤です。(2022/05/27 発売)
レーベル名 | :Alpha |
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カタログ番号 | :ALPHA833 |
2018年に結成30周年を迎えたエルヴェ・ニケ率いる「ル・コンセール・スピリチュエル」と、こちらも30周年の「ヴェルサイユ旧王室歌劇場」によるコラボレーション・アルバム。フランス・バロックの知られざる名作からレシ(イタリアでいうレチタティーヴォ)とエール(同じくアリア)を抜き出して再構成し、新たな物語を紡いでいます。そのあらすじは以下のようなもの。「魔女が姫と同様に王子に恋をして、どっちをとるかと民からも詰め寄られているなか、王子が戦争に出なくてはならなくなります。ハラハラさせる戦争の音楽をへて王子がぶじ勝利して帰還、姫といい関係になって魔女が怒るところまでが第1幕。魔女が鬱々と復讐を誓う第2幕をへて、第3幕では魔女の力で嵐になり王子も他の人と同じく流されてしまいます。それで激しく後悔した魔女は入水して自らの運命を決し、かたや姫は生き延びて王子(生きていた)と再会、めでたしめでたし...。」いかにもニケらしい凝った選曲で楽しませてくれる内容ですが、なんとジャケットには往年の名ドラマ「奥さまは魔女」のサマンサとダーリン、そしてママが。このアルバムに登場する3人に引っかけた遊び心溢れる装丁です。(2019/01/25 発売)
レーベル名 | :Alpha |
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カタログ番号 | :ALPHA442 |
【ヴィオールの名優、上村かおりのソロ第2作。人間の感情を伝える音楽の不思議へのオマージュ】日本語の固有語である「かがみ」は、「神(かみ)」が「我(が)」を囲んでいると読み解くこともできる。鏡を見ると、そこに映るのは神性に囲まれた我である、と。わたしは、音楽が内にある感情を鏡で見るように浮き上がらせ、その伴奏をしてくれることを思い、この物語のタイトルを「かがみ」とした。このCDはまた、バロック時代の作曲家たちが、音楽を、神による天地創造を映し出す鏡であるだけではなく、人間の感情を「フィグーラ」(音形の上行や下行、また跳躍、調性、フラット、シャープなど)によって表現し、「アフェクト」(特定の感情を喚起する作用)を生み出し得るものと考えていたことへのオマージュでもある。 ――上村かおり(解説より)ベルギーのブリュッセルを拠点に、リチェルカール・コンソートやレザール・フロリサン、ル・ポエム・アルモニークといった幅広い世代の第一線古楽アンサンブルで中心的なメンバーとして活躍を続けるヴィオール奏者の上村かおり。長く充実したキャリアを経て2021年に満を持してリリースされた初のソロ・アルバム『優 Yuu』(『レコード芸術』誌特選)は、ヴィオールという楽器ひとつで驚くほど豊かな世界が紡ぎ出される無伴奏作品集でしたが、今回新たに届けられたアルバムは世界中に共演者を持つフランスのチェンバロ奏者アリーン・ジルベライシュと、やはりベルギーやフランスで多忙な活躍を続けるリカルド・ロドリゲス・ミランダという頼もしい演奏仲間との室内楽。17~18世紀の英仏独さまざまな地域のヴィオール作品を自在かつ入念に配したプログラムは3幕仕立ての演劇風に編まれ、冒頭の無伴奏曲から静かに動き出すその音楽物語は起伏に富んで変幻自在、まさに数百年前のヨーロッパで、客席と親密な距離感の舞台に心を吸い寄せられるような静かな求心力に満ちています。18世紀半ばに活躍したドレの珍しい曲集やマレ、クープランなどフランス宮廷流音楽の見事な演奏もさることながら、美しい陰翳を感じさせる鍵盤の低音に続いて主旋律がヴィオールで描き出される「イタリア協奏曲」の緩徐楽章や、パーセルの傑作歌劇《ダイドーとイニーアス》の名場面から紡ぎ出された坂本龍右の編曲による思わぬ独奏など、知っていたはずの曲が思わぬ装いで登場するトラックも実に魅力的。演奏者の上村自身が書き下ろした日本語解題とともに、擦弦と撥弦の交錯に深く引き込まれるアルバムです。(2023/08/25 発売)
レーベル名 | :Ramee |
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カタログ番号 | :RAM2204 |
“太陽王”ルイ14世(1638-1715)。72年間王位に就き、フランス王朝の最盛期を築いた王として知られています。最も影響力の大きかったのは1680年代であり、巨大な富を投じて建立したヴェルサイユ宮殿では毎夜瀟洒な舞踏会が開催され、多くの貴族たちが踊りに明け暮れました。王自身も「芸術の庇護者」としてリュリをはじめとした多くの音楽家たちを擁護していました。また舞踏も巧みで、メヌエットを宮廷舞踊に取り入れたことでも知られています。このアルバムは、ルイ14世の王宮で活躍していた音楽家たちの作品を集め、バロック様式の芸術が表現しようとしていた人間の感情の深みを探求、親密な世界の音を再現します。17世紀後半から18世紀前半の雰囲気を伝えるトラヴェルソ、ヴィオラ・ダ・ガンバ、テオルボの柔らかい音色も魅力的です。(2018/01/26 発売)
レーベル名 | :Naxos |
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カタログ番号 | :8.573814 |
【ALPHAレーベルの豊富なカタログから、クリスマスにちなんだ作品を集めて。飛び出すツリーの仕掛け付き!】ラザレヴィチらによるフランスの古いクリスマス曲を集めたアルバムを中心に、伝統的なクリスマスの曲で編成されたDISC1と、クリスマスをイメージさせるクラシック作品を集めたDISC2の2枚組。美しく聴きやすい内容ですが、演奏しているメンバーはALPHAが誇る超一流のアーティストたちばかりです。開くとクリスマス・ツリーが立ち上がる可愛らしい特殊ケース入りで、プレゼントにもぴったり。プレス切れ久しい南フランスの17世紀クリスマス曲集(Alpha117)からのトラックや初収録「きよしこの夜」など、DISC1は特にAlphaならではの内容となっています。(2019/11/22 発売)
レーベル名 | :Alpha |
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カタログ番号 | :ALPHA571 |
【かの国王が眠るまで奏でさせた名品を、ヴェルサイユに集う精鋭たちの絶品解釈で】ルイ14世は洗練された文化人たちを王室に集め、建築や美術、練兵や服飾のみならず音楽においても最高級の粋に囲まれました。しかもその宮廷生活を公に披露し、衆人見守るなか絢爛な音楽を奏でさせ食事をしたり、寝室に向かったりしています。そして最後はマレやド・ヴィゼーらごく数人の秀でた楽人たちだけを寝室に連れ、眠りに落ちるまで音楽を奏でさせたそうです。本盤はそこで王が聴いたであろう、昔日の栄光と安らぎを演出する楽曲を入念に選曲。フランス語圏の古楽界で多忙な活躍を続けてきた実力派たち(トラヴェルソのヴァレリー・バルサやヴァイオリンの川久保洋子など多くの一流アンサンブルで見かける奏者ばかりです)が本気で「昔日の安らぎ」を追求した演奏を、Alpha初期の名盤群で知られる自然派録音技師ユーグ・デショーによるエンジニアリングで生々しく収録しました。結果それが王者の豊かさで快眠をもたらすか、むしろ脳を刺激されて聴き入ってしまうかはあなた次第……ヴェルサイユ・バロック音楽センターの碩学トマ・ラコントによる充実解説(英独訳付)のほか、絢爛の極致ともいうべき史跡ヴェルサイユ宮殿でのライヴを収録したDVDが添えられているのも嬉しいところです。(2021/01/15 発売)
レーベル名 | :Château de Versailles Spectacles |
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カタログ番号 | :CVS029 |
【新鮮!近代フランスの歌を自然に紡ぐ古楽器の響き、古のフランスの響きに馴染むアコーディオン】16~17世紀のエール・ド・クールやフランス各地に口承で伝わってきた民衆歌など、ルイ14世の時代よりもさらに古いフランス音楽を高雅で自然に現代に蘇らせ、世界中から熱いまなざしを集めてきた21世紀のユニークな古楽グループ、ル・ポエム・アルモニーク。イタリア・バロックでも実績を示しつつ、中心メンバーの母語であるフランス語を歌詞とする音楽への適性はやはり抜群で、詩句の味わいを最大限に引き出す新鮮で薫り高い演奏解釈はどの時代の作品でも出色の仕上がりを誇ります。その親和性が「古楽」の枠に縛られないことを立証するユニークな選曲のアルバムが登場。彼らと同じくフランス民衆世界の古謡を得意とするレ・リュネジアンの『うんざりだ、冬ってやつは』(ALPHA887)でも絶妙な妙声を聴かせたステファニー・ドゥストラックの味わい深い歌い口は、さりげなく織り交ぜられたバロック宮廷音楽と近代シャンソンを易々と行き来し、無理なく即興的な音を紡いでゆくアコーディオンと共に、時にはシャンソンを古楽のように、また古楽をシャンソンのように聴かせる巧妙さ。古楽器アンサンブルをバックバンドとして、サティやトゥルーズ=ロートレック、モディリアーニらが生きた1900年前後から20世紀中盤までの、古き良きフランスの芳香に満ちたシャンソンの名曲群をしなやかに歌いこなすそのセンスは、もはやクロスオーヴァ―やジャンル越境などといった表現が陳腐に思えるほど、圧倒的に自然な「フランスの息吹」に貫かれています。聴くほどに惹きつけられるその魅力に、主宰者デュメストルが学究性に閉じこもらないセンス抜群の古楽プレイヤーであることを改めて強く認識する1枚です。(2023/08/25 発売)
レーベル名 | :Alpha |
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カタログ番号 | :ALPHA988 |