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New Releases - 2023年11月 発売タイトル
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【リコーダーの静謐さと奥深さがチェンバロの精妙と出会う、独特のバッハ体験】鬼才スキップ・センペを中心とした実力派集団カプリッチョ・ストラヴァガンテで、長く中核メンバーとして活躍してきたリコーダー奏者ジュリアン・マルタンとチェンバロ奏者オリヴィエ・フォルタン。彼らがバッハのさまざまな独奏曲や室内楽曲から自由に作品を選び、この2つの楽器の味わいを最大限に引き出した編曲を通じて、傑作群の思いがけない美に光を当ててゆくアルバム。バッハが自作品をさまざまな編成のために編曲したことはよく知られていますが、教会カンタータや協奏曲などでも印象的な活躍の場を与えられていながら彼自身のオリジナルの室内楽曲がほとんど残されていないリコーダーが、バッハ自身も演奏を得意としたチェンバロの響きとのミニマムな二重奏で驚くほど自然な活躍をみせるのは、演奏者二人の豊かな演奏経験と並外れた音楽性あればこそのことでしょう。中音域での深々とした味わい、高音域まで一貫して丁寧な粒立ちの音でのびやかに奏でられるリコーダーの傍ら、フォルタンのチェンバロも細部までキメ細かな解釈を聴かせ、両者の対照的な響きの交錯にどこまでも聴き入ってしまうプログラム。ピエール・グアン編曲のチェンバロ独奏版で聴かれる有名なシャコンヌも、ごく自然な佇まいで壮大な音世界が繰り広げられてゆくさまがたまりません。(2023/11/10 発売)
レーベル名 | :Alpha |
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カタログ番号 | :ALPHA939 |
【2023年はドイツの公共放送100周年。これを記念した企画がBR-KLASSIKから登場】ベルリンのポツダム広場の一角からドイツの公共放送サービスが始まったのは1923年10月29日。ラジオは音楽文化の普及と発展に非常に大きな役割を果たしました。当時のドイツでは第1次世界大戦の戦後処理でハイパーインフレが経済を直撃し、社会を深刻な不安が覆うと同時に、ワイマール共和制の下で文化が爛熟していました。このアルバムには1929年に書かれた2作品を収録。キュンネッケの「ジャズ・バンドと大管弦楽のための舞踏組曲」はラジオ番組"ベルリン・ラジオ・アワー"の委嘱作品。5つの楽章は当時流行していたモダン・ダンスの形式で書かれており、初演はキュンネッケの指揮のもと、オーケストラとジャズ・バンドが共演。すぐに熱狂的な人気を獲得し、何度も再演されました。アイスラーの『時代のテンポ』はドナウ・エッシンゲン音楽祭の委嘱作。テクノロジーを妄信する人々に対する批判的な内容を、当世風のジングシュピールに仕立てた作品。(2023/11/10 発売)
レーベル名 | :BR-Klassik |
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カタログ番号 | :900350 |
【古典派時代に命脈を保ったガンバの味わいを際立たせるチェロ】17世紀の終わりにかけて音楽シーンの表舞台から徐々に姿を消していったヴィオラ・ダ・ガンバですが、この楽器が18世紀後半まで偏愛されていた地域もヨーロッパ各地にありました。このアルバムで聴けるのは、そうした地域で古典派の時代になお活発に作曲されていたガンバ音楽のうち、同じ中低音の弓奏弦楽器であるチェロとの二重奏として仕上げられた作品の数々と、2023年が生誕300年となるアーベルの無伴奏曲。使われているガンバはアーベルが活躍したロンドンで18世紀初頭に活躍しチェロも製作していたバラク・ノーマンによるオリジナル楽器で、ヴィクトール・テペルマンはこれを18世紀末に高い名声を誇ったダッド一族による弓(こちらも1800年頃のオリジナル)で演奏。ガンバ特有の伸びやかな妙音を素早いフレーズでも巧みに弾きこなし、カンタービレの味わいも豊かに引き出します。アーノンクールとビルスマに師事したゲルハルト・ダルムシュタットが弾くチェロも、低音伴奏にもなればガンバと対等なデュオ・パートナーとしても立ち回り、微妙な音の違いからくるコントラストをたっぷり楽しませてくれます。ハイドンやエステルハージ侯爵との関係でも知られるボッケリーニ世代のガンバ奏者ハンマーの作品に聴く歌心も、大バッハの末男ヨハン・クリスティアンとの共演で知られたアーベルの流麗と深遠を兼ね備えた作風も、ドイツと英国をまたにかけて活躍したリドル(リーデル)の作品のみずみずしい響きも、知らずにいては惜しい魅力的な音世界ばかりです。(2023/11/10 発売)
レーベル名 | :Carpe Diem |
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カタログ番号 | :CD-16332 |
【スクロヴァチェフスキ生誕100年を記念して母国ポーランドの貴重音源が初CD化!】指揮者・作曲家のスタニスワフ・スクロヴァチェフスキの生誕100年(2023年10月3日)を記念して、母国ポーランドのワルシャワ・フィルハーモニーのアーカイヴから1956年の録音が初CD化。正規盤の無かったモーツァルトのレクイエムや若き日の快速テンポによる「英雄」を含む興味深いリリースです。スクロヴァチェフスキはポーランドのルヴフ(現ウクライナのリヴィウ)に生まれました。4歳でピアノとヴァイオリンを学び始め、特にピアノで目覚ましい才能を発揮して11歳の時にはデビュー・リサイタルを行うほどでしたが、第2次世界大戦中に手にケガを負い、その後は指揮と作曲に専心します。1946年以降はヴロツワフ、クラクフ、カトヴィツェのオーケストラで指揮者を務め、1956年にはローマで行われた国際指揮者コンクールで優勝。2年後にはジョージ・セルの招きでアメリカ・デビューを果たしました。1956年から59年にかけて、ポーランド国内ではワルシャワ・フィルのポストを得て定期的に指揮。ここに収められた2つのコンサートでは世界へ羽ばたく前夜の指揮を聴くことができます。全6曲中、「英雄」を除く5曲にはスクロヴァチェフスキによる正規録音が無かったので貴重なリリースと言えるでしょう。スクロヴァチェフスキは1947年にカロル・シマノフスキ国際コンクールの作曲部門で入賞し、フランス政府の奨学金を得てオネゲル(とナディア・ブーランジェ)に師事しているので、自作(初演)と師の作品を組み合わせた2月11日のプログラムは師への敬意を込めたものかもしれません。後半に置かれたモーツァルトのレクイエムは作曲家の生誕200年であることにちなんだ選曲と思われますが、結果的に前年秋に世を去ったオネゲルへの追悼のような形になりました。4人のソリストと合唱団は声を張った熱唱に傾きがちで、このあたりには甚大な犠牲を出した第2次大戦から10年余りという時代の空気も感じられます。その中で意外なのはラクリモーサの結びの「アーメン」。ここは多くの場合、悲しみのどん底から救いを求めるかのような絶唱になりがちですが、スクロヴァチェフスキは柔らかな発声と控えめな音量で歌わせ、最後は消え入るように終わらせています。6月22日のプログラムでは、前半後半を通じてこの人らしい精彩に富んだ演奏を聴かせます。「英雄」の演奏時間は44分余り。ザールブリュッケン放送響盤(2005年)も読響盤(2012年)も弛緩とは無縁の充実した演奏でしたが、それらに比べると当盤の演奏時間は5分ほど短く、若きスクロヴァチェフスキの覇気が漲る演奏となっています。ブックレット(ポーランド語と英語)は表紙込みで84ページもあり、楽曲解説や演奏者の紹介に加えて当日のコンサート・プログラムの表紙写真やオーケストラと合唱団のメンバー全員の名前が掲載されるなど、丁寧な作りになっています。※※すべてオリジナル・テープからCD化していますが、ベートーヴェンの「英雄」ではマスターに起因するゆがみが少しあるとのことです。(2023/11/10 発売)
レーベル名 | :CD Accord |
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カタログ番号 | :CDAccordACD266 |
20世紀ポーランドを代表する作曲家ヘンリク・グレツキを父に持つミコワイ・グレツキの作品集。現在アメリカに在住するミコワイは、父の音楽的遺産を継承しながら、独自の美的感覚に裏打ちされた耳なじみのよい作品を多数発表しています。このアルバムには1998年から2022年までに書かれた5作品を収録。快活な曲想を持つ「序曲」以外は、どの曲も冒頭にゆったりとしたLento楽章が置かれていますが、これらはどれも、どこか彼の父の名作「悲歌のシンフォニー」を彷彿させる美しい曲です。民謡風の旋律とヴァイオリンの妙技が楽しめる「コンチェルト=ノットゥルノ」、90曲近くの作品の初演を行ったマチェイ・フロンツキエヴィチに捧げられた、郷愁溢れる旋律が印象的な「アコーディオン協奏曲」。そして静かな楽章と激しい楽章の対比が素晴らしい「ディヴェルティメント」を楽しめます。創立者ヤン・レウタクが芸術監督を務めるワルシャワ・フィルハーモニー室内管弦楽団は、注目すべきポーランドの室内楽作品の紹介を積極的に行っています。(2023/11/10 発売)
レーベル名 | :CD Accord |
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カタログ番号 | :CDAccordACD324 |
【アンナ・フェドロヴァ、ダナ・ゼムツォフ、そしてその父親たちの4人で巡る、自分たちのルーツ】メキシコ・シティ生まれ、ロシアにルーツを持つヴィオリストのダナ・ゼムツォフ。ウクライナに生まれ現在はオランダを中心に活動するピアニスト、アンナ・フェドロヴァ。その父親たちもそれぞれヴィオラとピアノの名手です。今回はそんな4人が集い、彼らのルーツにまつわる音楽を奏でるアルバムを作成しました。フェドロヴァの父ボリス・フェドロフは教育者、作曲家としても活躍しており、冒頭では彼が郷愁を込めて書き下ろした新曲を娘たち2人が演奏。続いてはダナ・ゼムツォフの父ミハイルの父親(ダナの祖父)で、ロシアで活躍した作曲家イェフゲニーの作品をミハイルとアンナ・フェドロヴァが演奏というように、4人で様々な組み合わせでのパフォーマンスを聴かせてくれます。最後は4人全員にダブルベースを加えて、ミハイルによるタンゴを演奏。彼らの親しさやそれぞれのルーツに対する慈しみが伝わる、暖かいアルバムです。(2023/11/10 発売)
レーベル名 | :Channel Classics |
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カタログ番号 | :CCS44523 |
モスクワ出身のチェリスト、指揮者アレクサンドル・ルーディンとウラル・ユース交響楽団によるミヤスコフスキー。2つの大戦間の後期、実験的な作風から離れ古典へと寄っていく時期に書かれた2つの交響曲を収録しています。45分ほどの比較的大規模な中に、不安や焦燥感、重々しさと大きなクライマックスなど、ミヤスコフスキーらしさがふんだんに盛り込まれた傑作第17番。逆に明るさと郷愁に満ちミヤスコフスキーの別の側面を聴くことの出来る25分ほどの第20番。長年ミヤスコフスキーにこだわり続けてきたというルーディンはウラル・ユース響を自在に操り、繊細さと力強さを併せ持つ力演で作品を内面から描き上げ、その高い完成度に比して不当に知られていないとされるその作品の真価を問います。(2023/11/10 発売)
レーベル名 | :Fuga Libera |
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カタログ番号 | :FUG820 |
【スコットランド室内管創立50周年、エメリャニチェフとの「スコットランド」「宗教改革」】スコットランド室内管弦楽団と首席指揮者マキシム・エメリャニチェフにより、その就任前に録音されたシューベルト「グレート」(NYCX-10112/CKD619)は、「同曲の最もスリリングな演奏」(BBCマガジン)など各所で絶賛されました。2024年1月に迎える楽団創立50周年を記念すべく今回録音されたのは、メンデルスゾーンがスコットランドを旅行中その自然に触発されて構想してから10年以上、彼の一生の半分近い歳月をかけて手を加えられ、生涯最後に完成させた交響曲となった第3番「スコットランド」。そして、若きメンデルスゾーンが試作的な第1番に続いて2つ目の交響曲として完成させた、ルター派のコラール「神はわがやぐら」を引用する第5番「宗教改革」を併せて収録しています。どちらの作品でもヴィブラートを抑えた少人数の弦の透明感が印象的。「スコットランド」は各パートをよく鳴らし、メロディの歌謡的な美しさのみならず、オーケストレーションの面白さも前面に出す快演となっています。「宗教改革」も力強くオーケストラを歌わせ、エコーのような効果も心地よく生かしつつメロディを伸びやかに表現し、この作品の素晴らしさを十二分に発揮。なお古楽鍵盤奏者としてピリオド奏法に造詣の深いエメリャニチェフらしく、第4楽章では本来の指定通りにセルパンを使用しています。(2023/11/10 発売)
レーベル名 | :Linn Records |
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カタログ番号 | :CKD667 |
【声楽の大家ラッススの絶大な人気をしのぶ、名手マスカルディらの入念な選曲と妙演】16世紀の多声音楽の大家オルランドゥス・ラッスス(オルランド・ディ・ラッソ)の曲を、リュート独奏や二重奏、三重奏などによる編曲で縦横無尽に味わうアルバム。ラッススはネーデルラント出身ながらミュンヘンのバイエルン選帝侯家に仕え、イタリアへも度々訪れて活躍、さまざまな教会音楽およびフランス語やイタリア語の世俗声楽曲を数多く残しました。ローマのパレストリーナと並ぶルネサンス最大の作曲家の一人で、その名声は生前からきわめて高く、楽譜はオリジナルのほか様々な編曲の形でヨーロッパ中に残っています。16世紀当時、知識人たちが好んで独奏あるいはアンサンブル演奏した楽器リュートのための楽譜も少なくありません。ここでは独奏からアンサンブルまで多様なスタイルで活躍を続けるイタリアの名手エヴァンジェリーナ・マスカルディが、16~17世紀当時に作られた編曲版を中心に、曲によっては当時の出版譜・筆写譜などをもとに自分自身も編曲を手掛け、声楽向けの多声音楽を歌い手ぬきに独奏や重奏で味わった昔日の音楽愛好家たちの喜びの粋を現代に蘇らせてゆきます。テルツィやノイジードラー、アドリアーンセンらリュート音楽の文脈でも有名な作曲家たちの作品に加え、遠く英国で活躍したダウランドの作品にまでラッススの影響を見出しているのは驚くべき発見。刺激に満ちたプログラムの深さを裏切らない、欧州最前線の古楽シーンのクオリティを十全に感じさせる名演をお楽しみください。(2023/11/10 発売)
レーベル名 | :Musique en Wallonie |
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カタログ番号 | :MEW2305 |
【時代の最前線をゆくカット・サークルが示す、ジョスカン芸術の精髄】2003年にアメリカで結成され、北米はもちろん大西洋をまたにかけヨーロッパでも演奏活動を展開、着実に成果を挙げてきたカット・サークル。創設20周年となる2023年、ついに満を持してフランドル楽派の最重要作曲家と言っても過言ではないジョスカン・デ・プレの作品集をリリースします。ジョスカン作品だけのアルバムは、この時代の音楽に高い適性を示してきた彼らにとっては意外にもこれが初。教会音楽ばかりに光が当たりやすいジョスカンですが、その驚くべき多声書法は俗世向けの歌、なかんずくフランス語の詩句による短い重唱歌曲(シャンソン)でも発揮されており、ここではその双方での実績を探求すべく、恋愛をテーマにした曲が多い分野であるシャンソンと教会向けのモテットを初期から晩期まで幅広く選曲。最古の楽譜史料があるジョスカン最初期の作「アヴェ・マリア」(アルバム冒頭曲)からおそらく最後の作と言われる1520年の「天にまします我らが父よ」まで、幅広い作品を通じてCD1枚でジョスカン芸術の粋を解き明かしてゆきます。各パート1人ずつの編成ならではの見通しの利いたポリフォニー体験をさらに盛り上げるのがライナーノート。音楽学者でもある指揮者ジェシー・ローディンの音楽愛に満ちた明快な解説(英・仏・独・蘭語)に加え、多くのカラー図版で写本の実例や同時代の装飾画なども味わえ、時代の空気と共にジョスカン随一の精妙な音作りをじっくり味わえるアルバムに仕上がっています。(2023/11/10 発売)
レーベル名 | :Musique en Wallonie |
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カタログ番号 | :MEW2307 |