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New Releases - 2024年05月 発売タイトル

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    ギャラント・ナイト・フィーヴァー - フルート、弦楽と低音のための四重奏、三重奏と二重奏曲集(WIGソサエティ・チェンバー・ミュージック・アンサンブル)

    【先入観なく捉え直される古典派室内楽のみずみずしい魅力】ハイドン中期以降の近代型弦楽四重奏曲が普及するより前、ギャラント様式と呼ばれるメロディ中心のわかりやすい音楽様式が流行した1770年代近辺の、フルートと弦楽器のための室内楽曲を集めたアルバム。現代では多くの場合フルートと弦楽三重奏による、いわゆるフルート四重奏の形態で演奏される曲が大半ですが、優れた古楽奏者が多く活躍するベルギーのブリュッセルで結成されたWIGソサエティの演奏家たちはルーティン的な解釈を離れ、チェロ・パートと明記されていないこれらの曲の低音部にコントラバスを使用、さらに(18世紀後半にも現役で使われていた)チェンバロを通奏低音楽器として導入し、驚くほど瑞々しい音響世界を描き出してゆきます。楽器の選択や細部の装飾音などが演奏者に委ねられていた当時の楽譜の読み方として適切でありながら、導き出される音の印象は一般的なフルート四重奏とは全く違う新鮮さ。高音部と離れたコントラバスの音の動きも、チェンバロのみならず各パートが繰り出す機知に富んだ装飾音も絶妙です。世界初録音の知られざる逸品を多く含む選曲もポイントで、早世した初期古典派の才人アイヒナーや若きハイドンにも影響を与えた世代のピフル、サリエーリと同い年の実力派シュテルケルなど、他の録音物でもキラリと光る名作に出会える作曲家たちの世界に触れられるのも嬉しいところ。18世紀音楽のイメージを一新する技あり古楽器録音です。(2024/05/10 発売)

    レーベル名:Arcana
    カタログ番号:A563

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    分かち合うチェロ~チェロのための現代作品集(イティエ)

    【柔軟に新しい音を模索する、1990年代生まれ世代のチェロ音楽】古楽と現代音楽を中心に、フランス音楽シーンの最前線で刺激的なプログラムの演奏会を披露しつづけているロワイヨーモン修道院で、レジデント・アーティストを務めるチェロ奏者マリー・イティエによる、彼女に捧げられた新作チェロ作品群初演の様子を収録したアルバム。3人の作曲家はいずれも1990年代生まれで、実験音楽的な音響構築とロックやテクノなど21世紀の多様なジャンルを境なく行き来できる世代ならではの、生楽器の活かし方に三者それぞれのアプローチが光ります。無伴奏作品での広範な表現に加え、名手ツェートマイアーを音楽監督に迎えたフランス国立オーヴェルニュ=ローヌ=アルプ管弦楽団(旧称オーヴェルニュ室内管弦楽団)の弦楽セクション、多様な新作初演で知られるアンサンブル・シラージュらの共演も頼もしいところ。最後を飾るバスティアン・ダヴィドの作品では、フランス前衛音楽シーンを支えてきた知る人ぞ知るaeonレーベルに名盤の多いベルギーの俊才チェロ奏者アルヌ・ドフォルスも加わり、触知しやすいリズム感のなかで楽音というものの概念を最大限に追求してゆく、多様な音響体験を味わわせてくれます。拍手入りのライヴ収録で初演現場の空気を追体験できるのも嬉しいポイント。「幼いころからあらゆる騒音に耳を傾け、自分で新しい言語を創造するのが好きだった」と語る演奏者イティエ自身へのインタビュー(仏・英語)も一読の価値があります。(2024/05/10 発売)

    レーベル名:B Records
    カタログ番号:LBM061

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    ブルックナー:ミサ曲第2番/モテット集/音楽への道(バイエルン放送合唱団/ミュンヘン放送管/ダイクストラ)

    2024年のブルックナー生誕200年を祝して制作された2枚組のアルバム。CD1にはペーター・ダイクストラの指揮によるバイエルン放送合唱団とミュンヘン放送管弦楽団によるブルックナーの宗教作品の演奏を収録。これは、2023年10月28日のシーズン開幕コンサートと連動して行われたスタジオ録音で、合唱指揮者の第一人者として高く評価されるダイクストラならではの高い統率力に支えられた合唱と、ミュンヘン放送管弦楽団の管楽器メンバーのアンサンブルによる荘厳なミサ曲第2番を中心に、無伴奏合唱のための5曲のモテット、3本のトロンボーンのためのエクアーレ2曲を聴くことができます。ブルックナーのミサ曲第2番はリンツの新大聖堂の奉献式のために依頼されて1866年に完成しましたが、大聖堂の工事が遅れたためブルックナーの指揮による初演も1869年9月に行われました。作品は8部からなる混声合唱と管楽アンサンブルのために書かれており、新しい礼拝堂で演奏するには合唱の規模が大きすぎたため屋外で演奏され、大好評を得ました。その後ブルックナーはこの曲を1882年に改訂し、それを1885年10月4日にリンツの旧大聖堂で初演、こちらも目覚ましい成功を収めました。「ブルックナーは演奏中にオルガンの前に立ち、大聖堂の天井をじっと見つめ、言葉にならない祈りを発した」と当時の様子が伝えられています。当盤で演奏されているのは、こちらの改訂版です。併録のモテットもブルックナーの聖歌隊員、オルガニストとしての経験が生かされた美しい作品です。CD2に収録されたマルクス・ファンヘーファーによる「音楽への道:ブルックナーの世界」では、ミサ曲第2番を中心に、宗教音楽作曲家としてのブルックナーの物語を朗読(ドイツ語のみ)と音楽で楽しめます。(2024/05/10 発売)

    レーベル名:BR-Klassik
    カタログ番号:900940

  • シャミナード/ショーソン/ドビュッシー/リーム:声楽作品集(ハスラー)

    スイスのソプラノ歌手ヴィヴィアン・ハスラーと、彼女の長年の友人であるピアニスト、マレン・ガンパーが初めてコラボレーションしたアルバム。19世紀末のフランス歌曲の曲間に、リームによる3つの「オフィーリアの歌」を1曲ずつ挿入するという凝った企画です。アーンの有名な「クロリスに」などを含むフランス歌曲で聴かせる美しい声と隅々まで豊かに歌い上げる表現力、かたやリームで聴かせる超絶技巧、ハスラーの高い歌唱力を存分に味わうことの出来るアルバムです。(2024/05/10 発売)

    レーベル名:Carpe Diem
    カタログ番号:CD-16334

  • チマローザ: 《オリンピーアデ》

    【古典派時代の名匠チマローザの真価、劇的起伏が映える古楽器演奏で!】古典派時代のナポリ楽派を代表する大御所チマローザはサリエリより1歳年上で、同じ1740年代生まれのパイジェッロやハイドン世代のピッチンニらと共に活躍しました。19世紀以降も根強く愛された彼のオペラは20世紀以来イタリアのライヴ収録を中心に数多く全曲録音され、今世紀に入っても山田高誌氏による史料研究など日本含め世界で研究も進んでいますが、古楽器による全曲録音はきわめて貴重。バロックから古典派にかけての重要なイタリア・オペラ作曲家たちの復権に尽力するクリストフ・ルセ率いるレ・タラン・リリクは今回、チマローザのキャリア躍進期に巨匠メタスタージオの有名台本を用いて作曲されたオペラ・セリア《オリンピーアデ》を全曲収録、その類稀なるメロディセンスと絶妙なドラマ展開の魅力を18世紀当時の魅力そのままに伝えます。古代のオリンピア祭をめぐる男たちの友情と一人の女性をめぐる恋の物語を扱った同作の台本は、他にもヴィヴァルディやミスリヴェチェクなど多くの作曲家による作例がありますが、1784年に北イタリアのヴィチェンツァで初演されたチマローザの作品はロンドンやミラノ、ヴェネツィア、リスボン、トリノなど当時の欧州屈指の歌劇の本場で続々とりあげられ、遠くロシア皇室に及ぶ彼の名声拡大に寄与した名作。ルセの元に集まった実力派たちによる古楽器オーケストラの響きで聴けば、ハイドンやモーツァルトら同時代の名匠たちに全くひけを取らない作曲者の個性を強く実感できることでしょう。チマローザ再評価に資する注目のリリースです。(2024/05/10 発売)

    レーベル名:Château de Versailles Spectacles
    カタログ番号:CVS143

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    ユナイテッド~世界の木管五重奏曲(パシフィック・クインテット)

    【PMFから生まれた木管五重奏団パシフィック・クインテット、デビュー・アルバム!】この度、私達パシフィック・クインテットのファーストアルバム”United”ユナイテッドをリリースすることになりました。5人の国籍はそれぞれトルコ・ホンジュラス・ドイツ・韓国・日本という5カ国のメンバーで構成される異色な国際的木管五重奏です。それぞれが様々な個性と色を持っており、言語、文化が違えど、たちまち楽器を持てば一つの音楽を奏でることが出来るのが私達の魅力です。曲目は私たちのルーツであるバーンスタインのウエストサイド・ストーリーと5人の出身国の作曲・編曲家をピックアップして構成しました。日本からは日本の歌と致しまして日本の童謡メドレーを収録しました。昔からある日本の童謡は今も色褪せることなく老若男女全ての方が知っています。このCDを通じて、たくさんの人に木管五重奏の魅力を知っていただき世界の音楽を全身で体感して頂きたいです。                                                      ーー 古谷拳一(ファゴット)2017年のパシフィック・ミュージック・フェスティバル札幌(PMF)のアカデミーを修了した5人により、ベルリンで結成されたパシフィック・クインテット。ケルンWDR響首席ホルン奏者を務めるヘリ・ユー、ベルリン・フィル・カラヤン・アカデミーに所属し反田恭平率いるジャパン・ナショナル・オーケストラでも活躍する古谷拳一など若き名手揃いの彼らは、2019年にコペンハーゲンで開かれたカール・ニールセン国際室内楽コンクールで2位の実力を持ち、来日公演も既に成功させています。構造の違う5種類の楽器による木管五重奏は音色をまとめるだけでも大変ですが、音楽性を揃えるという意味でも、彼らはたくさんの練習を重ねてきたと言います。初めてのCDに彼らが選んだプログラムは、メンバー所縁の国々の特色ある作品で構成された、それぞれの思いが詰まったもの。そしてラストには、彼らが出会ったPMFの創設者バーンスタインの名曲も収録しています。高い技術と瑞々しい表現、そしてアンサンブルが一体となったグルーヴ感が実に心地よいアルバムです。(2024/05/10 発売)

    レーベル名:Fuga Libera
    カタログ番号:FUG827

  • リヒャルト・シュトラウス:歌劇《カプリッチョ》

    【1985年、ザルツブルク音楽祭に初出演したホルスト・シュタインが振ったシュトラウス晩年の名作《カプリッチョ》ライヴ録音が復活】1940年、友人で指揮者のクレメンス・クラウスとともにシュトラウスが書き上げた台本には、詩人オリヴィエと作曲家フラマンの二人から愛される未亡人マドレーヌの揺れる心と、「言葉」と「音楽」のどちらが重要か?の命題が描かれており、ここにシュトラウスは実に機知に富み、かつ趣向を凝らした音楽を付けています。とりわけ幕切れ近くの「月光の音楽」は単独で演奏されることも多い人気曲です。ホルスト・シュタインはNHK交響楽団の名誉指揮者を務めたドイツの指揮者で、1970年から3年間ウィーン国立歌劇場第1指揮者を務めたほか、バイロイト音楽祭で《ニーベルングの指環》全曲を指揮するなど、優れたワーグナー指揮者として名声を確立。1985年の《カプリッチョ》は、シュタインが初めてザルツブルク音楽祭に登場した年の演奏で、ウィーン・フィルが織り成すつややかな響きを背景に、アンナ・トモワ=シントウが歌う上品なマドレーヌを中心とした優れた歌手たちのアンサンブルが光る名演といえるでしょう。(2024/05/10 発売)

    レーベル名:Orfeo
    カタログ番号:C230152

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    啓蒙主義時代のヴァイオリン音楽(レ・プレジール・デュ・パルナッス/プランティエ)

    【妥協なき18世紀フランス音楽解釈。才人プランティエらが綴るガット弦芸術の魅力】古楽研究の世界的中心地の一つバーゼル・スコラ・カントルムでキアラ・バンキーニ門下に学んだ後、バンキーニ率いるアンサンブル415やALPHAに名盤の多いカフェ・ツィマーマンで中心メンバーとして活躍してきたバロック・ヴァイオリン奏者ダヴィド・プランティエ。今回のアルバムは2021年にリリースされ日本でも『レコード芸術』誌特選に輝くなど高く評価されたルクレールのソナタ集(RIC431/国内盤仕様NYCX-10263)の続編とも言うべきもので、大バッハと同世代のフランスでいち早く協奏曲集を出版したオベールから、グルックやC.P.E.バッハと同い年でマリー=アントワネットの時代まで活躍したドーヴェルニュまで、フランス18世紀前半最大のヴァイオリン作曲家と言うべきルクレール「以外」の重要なフランス人作曲家たちのソナタを厳選。コレッリやヴィヴァルディら本場イタリアの大家たちの様式をよく咀嚼、フランス古来の舞曲様式も織り交ぜた典雅にしてダイナミックな作品の数々が、強い求心力のあるプランティエらの美音と精妙な解釈を通じ、各曲の魅力が際立つ深い彫琢の演奏解釈で味わえます。ルクレール作品同様、重音奏法や急速なパッセージが映える曲が多いのも特徴の一つ。短調作品での哀調と熱情も強く打ち出され、通奏低音にコントラバスも導入していることによって充実した響きが堪能できるのはレ・プレジール・ド・パルナスの録音ならではと言えるでしょう。フランス18世紀音楽が軽妙洒脱なだけではない、探り甲斐のある奥深さに満ちていたことを伝える充実の1枚です。(2024/05/10 発売)

    レーベル名:Ricercar
    カタログ番号:RIC461

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    ドビュッシー:聖セバスティアンの殉教(バーデン・バーデン&フライブルク南西ドイツ放送響/カンブルラン)

    1910年、イタリアの詩人ガブリエーレ・ダンヌンツィオが書いた『聖セバスティアンの殉教』。ドビュッシーはこの膨大な台本に、合唱曲と、オーケストラの間奏曲、アリアで構成された1時間ほどの音楽劇を作曲。翌1911年の5月にパリ・シャトレ座で初演されました。この時はドビュッシーの親友アンドレ・カプレが指揮を執りましたが、キリスト教と異教の伝統を織り交ぜた音楽に加え、ユダヤ系ロシア人のバレリーナ、イダ・ルビンシュタインがセバスティアンを演じたことで騒動に発展。パリの大司教の怒りを買い、カトリック教徒の鑑賞を禁じたのち、ダンヌンツィオの著書も教皇庁から禁書にされてしまいました。この作品を気に入っていたドビュッシーは歌劇への改作を構想していたものの、彼の死によって叶うことがなく、以降は原形での上演機会はほとんどありません。現在ではカプレによる「交響的断章」、もしくはアンゲルブレシュトによるオーケストラと声楽のみのオラトリオ版が演奏されています。このカンプルランの演奏はアンゲルブレシュト版(フランス語歌唱)によりつつ、1951年生まれの作家マルティン・モーゼバッハによる新たなドイツ語の朗読が添えられています。朗読のテキストはダンヌンツィオ作品の中心的な部分を要約したもので、原作を現代的な視点で解釈したもの。カンブルランはオーケストラを見事にコントロール、東洋風な響きも交えた繊細な和声を引き出し、ナタリー・シュトゥッツマンをはじめとした独唱陣と、コレギウム・ヴォカーレ・ヘントの合唱、デルテ・リセウスキの朗読がこの神秘的な物語を見事に描き出しています。当CDはGlor ClassicsレーベルからGC08181として発売されたものと同じ音源です。(2024/05/10 発売)

    レーベル名:SWR Classic
    カタログ番号:SWR19149CD

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    R. シュトラウス:ピアノ四重奏曲/メタモルフォーゼン(編曲:R. レオポルト)(ガリー/ヴェッキオーニ/パスカル/グーアン/トリオ・アーノルド)

    【リヒャルト・シュトラウスのアルファとオメガ、若き日と晩年の作品をカップリング】岡田修一率いるトリオ・アーノルドを中心としたリヒャルト・シュトラウスの作品集。ピアノ四重奏曲はシュトラウスが当時最新の音楽に目覚める直前21歳の頃の作品。古典的な手法に忠実に書かれながらも、若々しい意欲が随所に顔を出しています。元々23の独奏弦楽器のために書かれたメタモルフォーゼンは、81歳にして実験的な手法を駆使しつつ、戦争によって崩壊してゆく祖国への悲しみを込めて書き上げられた作品。若手の名手が揃った演奏陣は、全く違った2つの作品に深く寄り添い、それぞれの魅力を存分に引き出しています。(2024/05/03 発売)

    レーベル名:B Records
    カタログ番号:LBM060