ミラノ・スカラ座合唱団
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「リゴレット」は、タイトル・ロールがバリトンであることからわかるよう、通常主役となるソプラノ、テノール以外の役にも、重責が担われるオペラです。父性と娘の愛が招く悲劇を緊密に作り上げるには、選りすぐりの歌手たちが求められます。このCDに出演しているのは、最盛期のディ・ステファノを始め、美声あるいはドラマティックな表現に秀でた選ばれしスターたち。チェプラーノ伯爵夫人といった脇役までもが、味のある歌唱を聞かせます。ポピュラーなオペラゆえ録音は数多く存在しますが、ひたすら歌に耳を傾けるだけでも満足できる稀有の名録音です。オバート=ソーンの復刻による、音質のよさも特筆できるでしょう。(2007/03/01 発売)
レーベル名 | :Naxos Historical |
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カタログ番号 | :8.111242-43 |
作曲家として音楽活動を始めたデ・サバタは、のちに指揮者としても活動を開始し、トスカニーニの後任として1953年までスカラ座で音楽監督を務めました。体調不良のため同年引退し、67年に死去するまでの14年間のうち、2回だけ指揮をとりました。一回はこの54年に録音されたヴェルディの「レクィエム」、2回目は57年の「トスカニーニ追悼コンサート」の時でした。長い沈黙のはざまの演奏とは思えないほどのエネルギーほとばしる演奏で、単に彼の集中力の強さが衰えていない証拠であるばかりでなく、歴代の名盤としても数えられています。現役時代の「ローマの噴水」では、オケを制御する巧みさをうかがわせ、静謐な音楽世界を見せています。(2006/09/01 発売)
レーベル名 | :Naxos Historical |
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カタログ番号 | :8.111049-50 |
40代半ばを過ぎたジーリは、生来の柔らかい歌い口に加え、力強さと円熟した充実感も増し、まさしく黄金の声を響かせていました。このCDではカンツォーネなどのポピュラー名曲を多く収録、当時圧倒的な人気だったジーリがいかにイタリア国民を熱狂させていたかを改めて思い起こさせてくれます。また「ジョヴィネッツァ」と「ローマへの讃歌」というファシスト党に利用された歌もジーリ人気を当てこんだもの、大戦前夜の空気を今に伝える貴重な時代の証言でもあります。(2005/07/01 発売)
レーベル名 | :Naxos Historical |
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カタログ番号 | :8.110270 |
テノールのベニアミーノ・ジーリ(1890-1957)は役柄の選択にとても慎重な名歌手でしたが、その彼が若いときから好んで歌ったのが《アンドレア・シェニエ》の主役シェニエでした。新しい歌劇場に出るときには、名刺のようにこの作品を歌うことが多かったそうです。このCDはジーリによる唯一の全曲盤となったSPの覆刻で、彼が51歳のときの録音です。ヒロインを歌うのはマリア・カニーリャ(1905-79)で、ジーリとのコンビで他にも全曲盤をいくつも残しています。なお余白には、ジーリと同時代の名歌手たちの録音が収められています。(山崎浩太郎)(2003/12/01 発売)
レーベル名 | :Naxos Historical |
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カタログ番号 | :8.110275-76 |
《アンドレア・シェニエ》の史上2つめの全曲録音とされるものです(最初は1921年)。マッダレーナ役のリーナ・ブルーナ=ラーザ(1907~84)は病気のため30代前半でキャリアを終わらせた悲運の歌手ですが、作曲家マスカーニがその才能に惚れこんだ歌手として知られ、1930年代のスカラ座で大活躍したソプラノです。実際の舞台でも録音前年の30年4月にこの役を歌っています。このときはバリトンのカルロ・ガレッフィ(1882~1961)も同じくジェラール役で出演しました。彼も戦前のイタリアを代表するバリトンです。シェニエ役はルイージ・マリーニ(1885~1942)です。(山崎浩太郎)(2001/04/01 発売)
レーベル名 | :Naxos Historical |
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カタログ番号 | :8.110066-67 |
《蝶々夫人》の主役は軽いリリコから重いドラマティコまで、さまざまな声質のソプラノ歌手によって歌われます。この全曲盤の特徴は、コロラトゥーラ・ソプラノとしてイタリアで絶大な人気を誇った、トーティ・ダル・モンテ(1892-1975)が歌っていることです。スカラ座での《ランメルモールのルチア》や《リゴレット》で名声を博したダル・モンテは録音が少なく、全曲盤はこの《蝶々夫人》が唯一のもの。現代ではまず聴くことのない声質で、貴重な遺産です。ジーリのピンカートン役もお見事。余白にはダル・モンテのアリア集も収められています。(山崎浩太郎)(2002/08/01 発売)
レーベル名 | :Naxos Historical |
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カタログ番号 | :8.110183-84 |
カラヤンの指揮による初回の蝶々夫人の録音として知られるこの盤は、モノラルによるカラスの録音の最上盤でもあります。CD1トラック4「この空! この海!…あと少しで着くわ」のアリアでは、ハイD♭をなんなくクリアしており、音程の安定感一つとっても、彼女が技術的にも最高のコンディションにあったことがうかがい知れます。登場からピンカートンと結ばれるまでの可憐さ、一抹の不安を感じながら期待しつつ夫の帰りを待つ心情、そして破局へと向かう覚悟という心模様の変化を、表層的なテクニックではなく、微妙な声の演技によって表出しており、聞くものを悲劇の中へと引き込まずにいられません。若々しいゲッダが、お気楽なアメリカ人を演じながら、最後に一転して残す悲痛な叫びも耳に残ります。(2006/04/01 発売)
レーベル名 | :Naxos Historical |
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カタログ番号 | :8.111026-27 |
EMIが1953年に製作した《トスカ》の商業録音は、ヒロイン役のマリア・カラス(1923-77)をはじめとする3人の主役たち、そして指揮者とオーケストラの理想的な顔合わせが実現した決定盤として知られています。モノラル録音ですが、その価値は半世紀をへた現在でもまったく減じていません。しかし残念なことに、マスターとなる磁気テープは次第に劣化するため、音質については以前のままといかないのです。そこでこのCDは、初期に発売された鮮度の優れたLPを音源として、初発売当時の新鮮で生々しい響きを再現しようとするものです。(山崎浩太郎)マーク・オバート=ソーンによる制作後記 この古典的名演が、これまで制作されたオペラ全曲盤の中で最も優れたスタジオ録音であることはほぼ間違いありません。過去半世紀に渡ってカタログから消えたことは一度もなく、様々なメディアに形を変えて幾度も再発売されています。しかし、マリア・カラス研究者ロバート・E・セレツキー博士が指摘しているように、これまでリリースされてきたソフトには、EMI最新の「グレート・レコーディング・オブ・ザ・センチュリー」(※注 その後、さらに別規格での再発あり)シリーズ中のCDも含めて、マスターテープと編集作業に起因する問題点が残されています。 オリジナルのLPレコードには、盤面ごと、また同じ盤の中でさえもピッチの不一致がありました。編集ミスもあり、唐突に目立って現われる音量のばらつきもあります。EMIの三種類のCD復刻盤では、こうした問題のいくつかが、あるエディションでは訂正されていても次のエディションでは元に戻っていたり、また、別の新たな編集上の問題が混入したりしています。(例えば、最初の「カラス・エディション」盤CDでは、第一幕でトスカが「マリオ!マリオ!マリオ!」と歌う部分で音質が変化しています)最新のGROC復刻では、こうした問題点を、著しくピッチの平準化をすることでかえって悪化させています。比較的短いオペラであるのに一分半近くも演奏時間が伸びてしまい、聴き手がテンポと歌手の音色を感じ取る際にも(悪)影響を及ぼします。 今回のNAXOS盤復刻のために、私は10セット以上の「トスカ」LP盤を組み合わせ、8週間の大部分を復刻作業、試聴、比較に費やし、私が満足する結果が出るまで、何度もプロジェクトをやり直しました。(2004/03/01 発売)
レーベル名 | :Naxos Historical |
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カタログ番号 | :8.110256-57 |
この1957年のマノン・レスコーの驚くばかりの音の良さ。もともとクリアな音質でしたが、復刻の名手マーク・オーバート=ソーンはその音に更に磨きをかけました。当時34歳の世紀の歌姫、マリア・カラスの歌声も瑞々しく蘇っております。とりわけ第2幕「時は美しく楽しうございます」の正確な歌唱と艶やかな声をお聴きください。必ずや陶酔の境地へと達することでしょう。余白に収録されたディ・ステファノのアリア集も秀逸です。頭の芯を揺さぶるような光り輝く美声です。(2010/03/17 発売)
レーベル名 | :Naxos Historical |
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カタログ番号 | :8.112031-32 |