サルキシャン, アルタヴァスト
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【奥深い人間味が滲むバリトン版ウェルテル。仏歌劇界の名歌手たちと才人指揮者の名演!】1892年2月にウィーンでドイツ語台本によって初演され、同年末にジュネーヴで仏語版初演を迎え、フランス近代歌劇史に不滅の地位を築いたマスネの傑作《ウェルテル》。評判はすぐ欧米諸国へ及び、ドビュッシーの歌劇《ペレアスとメリザンド》が初演を迎えた1902年には、作曲家の拠点パリから遠く離れたサンクトペテルブルクでも上演されています。この時主役を歌ったのは「イタリアの栄光」の綽名で知られた名歌手マッティア・バッティスティーニ。しかし彼の声域はバリトンで、マスネはこの時バッティスティーニに合わせ、本来テノール向けのタイトルロールをバリトンに移し替えた特別版を作成しました。その後ウェルテルを当たり役に持つテノールの名歌手たちが続々登場したためバリトン版は歴史に埋もれてゆきましたが、20世紀末にトーマス・ハンプソンなど何人かがこの稀少なヴァージョンを取り上げ、恋に悩む若者の思いを細やかに綴った19世紀音楽ならではのドラマが際立つその魅力に光を当てています。知られざる19世紀音楽の発掘紹介に熱心なロマン派フランス音楽センター(Palazetto Bru Zane)は今回この稀少版の主役に現代屈指の19世紀音楽解釈者タシス・クリストヤニス、ウェルテルが想いを寄せるシャルロット役に今を時めくヴェロニク・ジャンスを迎え、ラモー以前の古いフランス音楽の蘇演で高い評価を博してきたハンガリーの指揮者ジェルジ・ヴァシュヘージと共に新録音を制作。時にピリオド奏法も意識しながらのオーケストラが繰り出す緩急自在の高雅な響きと共に、ドラマティックかつ深々とした味わいに満ちた「バリトンのウェルテル」ならではの魅力を最大限に味わわせてくれます。Bru Zaneレーベルの常で図像史料満載のブックレット(仏・英語)も充実。傑作の魅力の秘訣を思わぬ角度から深く知ることのできる、歓迎すべきリリースと言ってよいでしょう。(2024/05/24 発売)
レーベル名 | :Bru Zane |
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カタログ番号 | :BZ1056 |
19世紀末のフランスで活躍したオペレッタ作曲家、シャルル・ルコック最大のヒット作となった《アンゴー夫人の娘》が初演されたのは1872年のブリュッセル。翌1873年2月にはパリで上演され大きな評判となりました。1916年には《マダマンゴーの娘》として、浅草オペラのレパートリーにもなっています。ストーリーは孤児のクラレットと裕福なランジェ、歌手のピトゥと床屋のポンポネ、銀行家ラリヴォディエールたちの恋のさや当てに、王党派と共和派の対立を絡ませたもの。現代フランス・オペラの花形たちを惜しげもなく揃え、アダン《ロンジュモーの御者》の映像(NYDX-50098)で高い評価を受けた記憶も新しいセバスティアン・ルーランが、洒脱で躍動的な音楽を聴かせます。(2021/10/22 発売)
レーベル名 | :Bru Zane |
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カタログ番号 | :BZ1046 |
「ウィリアム・テル」というと誰もが思い浮かべるのが、りんごを頭に載せて弓で射る場面。ではロッシーニ(1792-1868)の歌劇「ウィリアム・テル」というと、あの有名な序曲のみ。しかし、どちらもほんの一部でしかありません。このロッシーニの歌劇、もともとはシラーの戯曲を基にしたフランス語の台本によって書かれているので、歌唱は全てフランス語。そもそもタイトルも「ギョーム・テル」が正しく、エピソードがふんだんに盛り込まれた全4幕の4時間を越える作品です。物語は14世紀のスイス、指導者メルクタールの息子アルノールと敵対するオーストリアの王女マティルデの恋を軸に、政治的駆け引きをはさみながら物語が進んでいきます。弓の名手であるテルは伝説の人物であり、アルノールの友人です。彼はオーストリアの総督ジェスレルと敵対し、広場に飾られたジェスレルの帽子に敬礼することを拒み、その報復としてジェスレルは、テルの息子ジェミの頭上のりんごを弓で射抜くことを命ずるのです。もしかしたら、序曲とこの場面(第3幕)まででもオペラは成立するかもしれません。そう考えた周囲の人は、ロッシーニの同意を得て、第4幕を削除し、いくつかの曲を変更、追加して3幕版を作りパリで初演しました。しかし、どちらが良いのかは結局のところ永遠にわからないのです。このアルバムには、2曲の変更されたナンバーと、1831年に作られたパリ版(3幕短縮版)のフィナーレを含んでいます。(2015/04/22 発売)
レーベル名 | :Naxos |
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カタログ番号 | :8.660363-66 |
17世紀のヴェネチア。戦いに勝利した将軍ファッリエーロは、かねてから思いを寄せていた元老院議員コンタレーノの娘ビアンカにプロポーズします。しかしビアンカは裕福なカペッリオとの政略結婚が決まっていました。気が進まない結婚式に臨むビアンカ、式に乱入するファッリエーロ、大混乱となりますが…/1819年-20年の謝肉祭の季節に、ミラノ・スカラ座で少なくとも39回の上演が行われたというロッシーニの歌劇《ビアンカとファッリエーロ》。ロッシーニがこの劇場のために書いた最後の歌劇で、超絶技巧を駆使したアリアの数々は、当時の聴衆を魅了しました。初演時にはファッリエーロをカストラートの歌手が演じましたが、現在ではメゾ・ソプラノが歌うのが一般的です。しかしこの華麗なアリアを歌える歌手を見つけることが困難だったため、演奏の機会に恵まれず、1980年代まで忘れられていたことでも知られています。ヤローヴァヤとフォルテの2人の名歌手を揃えたバランスの良い演奏です。(2017/09/29 発売)
レーベル名 | :Naxos |
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カタログ番号 | :8.660407-09 |
1825年に挙行されたフランス国王シャルル10世の戴冠式のために、ロッシーニ(1792-1868)が作曲した「ランスへの旅」。フランス国王の紋章を暗喩した「黄金の百合亭」というホテルに集まったヨーロッパ各国の人々が繰り広げるちょっとしたドタバタコメディです。当時活躍していた名歌手を集め、カンタータ形式で初演が行われ大好評を博しましたが、このような機会音楽はどうしても人気が長続きせず、劇場のレパートリーとして定着することもありませんでした。ロッシーニは一部のアリアを「オリー伯爵」に転用しましたが、結局、本編のスコアは散逸、結局、この作品が復興されたのは、1970年代の「ロッシーニ・ルネサンス」を迎えてからでした。1984年にロッシーニ・フェスティヴァルで上演された(クラウディオ・アバド指揮)のものが、ブームの火付け役。以降、優れた演奏が数々出現し、現在では高い人気を誇るまでになっています。この演奏は、ロッシーニ財団とリコルディ社による批判校訂版が用いられています。(2016/07/27 発売)
レーベル名 | :Naxos |
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カタログ番号 | :8.660382-84 |