フルトヴェングラー, ヴィルヘルム(1886-1954)
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巨匠フルトヴェングラーによる2つの対照的なベートーヴェンをお聴きください。まだ世相が安定しなかった時期に、何かにせかされるかのように録音された名演として知られるものです。エドウィン・フィッシャーを迎えた1951年の「皇帝」の堂々とした佇まい。曲自体の説得力を最大限生かしきった名演として知られています。これは第1楽章のオーケストラによる提示部を聴いただけでも、その素晴らしさにうち震えることでしょう。まるで巨木のようにどっしりとした安定感のある響きは、まさにドイツ的。そして本格的にピアノが入ってくると、その凄まじさに更に感動するはずです。終楽章での白熱の戦いには、思わず手に汗を握ります。かたや、ベートーヴェンの交響曲の中でも地味な部類に入る第4番。こちらの入念な音楽作りにも心打たれます。(2010/08/18 発売)
レーベル名 | :Naxos Historical |
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カタログ番号 | :8.112025 |
神童メニューインはわずか8歳にして、古今東西で最も知られているメンデルスゾーンの「ホ短調」協奏曲を弾き、22歳で初録音をしました。生涯4回の録音を残しましたが、このCDに収録されているのは2回目のものです。エネスコ指揮の1回目の録音に比較的高い評価がなされていますが、このフルトヴェングラーとBPOという重鎮オケと若いメニューインとの組み合わせも名高く、特に第3楽章での熱のこもり方が聞き逃せないでしょう。同じくメンデルスゾーンの、珍しい「ニ短調」も取り上げられていますが、これは同じ神童の佳作へのオマージュかもしれません。ブルッフの第1番は天かけるヴァイオリンともいうべき好演で、ミュンシュとの唯一残された録音です。(2005/07/01 発売)
レーベル名 | :Naxos Historical |
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カタログ番号 | :8.110991 |
第二次大戦後いち早くドイツを訪問したメニューインと、「非ナチ」の裁決を勝ち取り楽団に復帰したフルトヴェングラーの邂逅記念碑として、47年にベートーヴェンの協奏曲は録音されました。31歳のメニューインはまだ体調を悪くする前の時期、若き疾走感と技巧を誇っていた頃で、これにフルトヴェングラーの融通無碍なタクトによるオケが乗っており、両者の息の合わさり方は、この協奏曲の演奏の手本ともいえる絶妙なものです。モーツァルトの40番はその速さから物議を醸しましたが、決して性急なだけではなく、精緻に磨き上げられた演奏であるところから、「モーツァルトが楽譜で指示した速度を完全に守った」と評価されたテイクです。(2006/07/01 発売)
レーベル名 | :Naxos Historical |
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カタログ番号 | :8.110996 |
音楽のメトロノミカルな進行を嫌い、旋律(メロス)の微妙な息づかいに集中したフルトヴェングラーは、ワーグナーの流れを継ぐ最後の巨匠でありました。凡庸な音楽家の場合、旋律線に注意を傾けるあまり全体のまとまりがばらけてしまうケースが見られますが、フルトヴェングラーを偉大たらしめたのは、楽曲を包括的に組み立てる能力に秀でた点でしょう。彼が意図せずして使っていた、クライマックスに向けてほんのわずかにアップされるテンポの揺らぎ、第1主題と第2主題の強弱のコントラストなどの技法が、モーツァルトの作品に於いて明瞭に発見することが出来ます。(2006/03/01 発売)
レーベル名 | :Naxos Historical |
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カタログ番号 | :8.110994 |
フルトヴェングラーの初期録音集の第4集です。まだ各々の作曲家たちの影が色濃く残っていた時代の録音であり、とりわけR.シュトラウスは当時まだばりばりの現役でもあったためか、フルトヴェングラーの「ティル」の解釈には並々ならぬ愛情が感じられます。軽妙なはずの「こうもり序曲」にさえ、ちょっぴり深刻なムードを漂わせているのも面白いところです。ここで胸震わせる程に重厚な「トリスタン」を聴かせた彼は、後の1952年にあの有名な全曲盤をものにしていることも忘れてはなりません。もう幾度となく復刻されている伝説の名演を、マーク・オーバート=ソーンによるこだわりの音で。(2010/01/27 発売)
レーベル名 | :Naxos Historical |
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カタログ番号 | :8.111005 |
フラグスタートが本来歌うべき2幕の冒頭のハイCが、実はシュヴァルツコップフの代役によるものと判明して大きな物議をかもした、フルトヴェングラー盤「トリスタン・・・」。そのスキャンダルにもかかわらず、今なお高く評価されているのは、音質のよさと、何より総合的な仕上がりの見事さによるところが大きいでしょう。無限旋律を操るフルトヴェングラーの厳しいタクトさばきに、並み居る出演者がたゆまず協調し、緊密な構築力の元、愛の死で圧倒的なクライマックスを作り上げていくそのさまは圧巻です。(2004/06/01 発売)
レーベル名 | :Naxos Historical |
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カタログ番号 | :8.110321-24 |
数多い録音が残されながらも、フルトヴェングラーは録音に重きを置く指揮者ではありませんでした。しかし1952年に収録した「トリスタンとイゾルデ」を聴き、ようやくスタジオ録音の価値を認識し、やがてHMVプロデュースの元、ウィーン・フィルと共に「ニーベルングの指環」の全曲録音に着手します。しかしこのワルキューレを録音した後、病に倒れ、その夢は叶わぬものとなりました。死の直前のものとはいえ、彼のトレードマークである緩急をつけた脈動感あふれる演奏は健在で、うなりをあげんばかりの「騎行」のスリリングさは、ワルキューレの録音史において、永遠に名を残すものでしょう。(2006/11/01 発売)
レーベル名 | :Naxos Historical |
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カタログ番号 | :8.111056-58 |
指揮者としても有能であったワーグナーは、おそらくリストから影響を受けた「指揮の自在度」という要素を極めて重要視していました。その点において、フルトヴェングラーはワーグナー流派の継承者であるといえます。重厚でありながら、自在な指揮により、ワーグナーの音楽の特徴であるライト・モチーフは千変万化し、うねり、圧倒的なクライマックスが築かれています。さらに華を添えるのが、録音史上、ワーグナー・ソプラノとして不世出の存在であるフラグスタートです。戦後、活動復帰して間もなかった未だ彼女の声に衰えの兆しはない頃の録音で、伝説的録音とも評されている劇的な歌唱です。(2006/11/01 発売)
レーベル名 | :Naxos Historical |
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カタログ番号 | :8.110997 |
フルトヴェングラーの圧倒的名演と言われるワーグナー管弦楽集です。なかでも最後の年の録音である、「ローエングリン」と「指環」からの2曲の求心力の凄まじさは、聴く人全てを圧倒します。また1952年録音のフラグスタートとの「ブリュンヒルデの自己犠牲」も名演として知られているものです。フルトヴェングラーとフラグスタートは1950年にも同じ曲を録音したものが残っていますが、練られた表現を望むのなら、やはりこちらの演奏がベターです。由緒正しきワーグナーがここにあります。(2010/05/19 発売)
レーベル名 | :Naxos Historical |
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カタログ番号 | :8.111348 |