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BBCフィルハーモニー管弦楽団

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    マックスウェル・デイヴィス:交響曲第2番/セント・トーマス・ウェイク(BBCフィル/マックスウェル・デイヴィス)

    現代的な手法と神秘主義、これらの相反する観念を見事に音楽上で結びつけることに成功したイギリスの作曲家マクスウェル・デイヴィス。このアルバムでは彼の「海の交響曲」と呼ぶべき第2交響曲を存分に楽しむことが可能です。彼自身がこの作品のために数多くの示唆的な言葉を寄せています。自宅の窓から見える海について、また海を渡る風について、波の波形について・・・。もちろん彼はそんな目に見える事象を忠実に音楽でなぞるわけもなく、独特のフィルターを通して、全く別のものとして再現します。しかし出来上がった音楽には巨大な波や、点在する岩など、海以上の物を感じられます。まさに自然への畏怖が感じられるのではないでしょうか。もう1曲の「聖トーマスよ、目覚めよ」は作曲家が第ニ次世界大戦中の記憶を呼び覚ましたという、不穏なパロディです。曲が進むにつれ「フォックストロット」(舞曲の一種)と名付けられた意味がわかることでしょう。(2012/06/20 発売)

    レーベル名:Naxos
    カタログ番号:8.572349

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    マックスウェル・デイヴィス:バレエ音楽「キャロライン・マティルダ」組曲/チャット・モス/オーハイ・フェスティバル序曲(BBCフィル/マックスウェル・デイヴィス)

    このバレエ音楽「キャロライン・マティルダ」は1991年に初演され、高く評価された作品です。物語はイギリスで生まれ、デンマーク王クリスチャン7世に嫁いだ王妃マティルダ(デンマークではカロリーネ・マティルデ)の悲劇的な逸話をもとにしたものです(このお話は映画化されたり、オペラ化されたりと、比較的良く知られています)。夫に愛されることのなかったマティルダと、王の侍医であったストルーエンセの関係が描かれており、精神的に綻びのあったクリスチャン7世に取り入ることで、権力を握ったストルーエンセと彼に惹かれたマティルダという2人の関係は半ば公のものでしたが、このようなスキャンダルが反感を買わないわけもなく、結局ストルーエンセは逮捕され、マティルダはハノーファーに亡命、ここで病を得て生涯を閉じます。実に23歳という若さでした。さて、こんな物語にデイヴィスがつけた音楽は皮肉たっぷりであからさまなものでした。まるでバロック時代と間違うほどの曲から、孤独に震える終曲まで、音だけ聞いていてもお腹一杯になるはずです。(2015/02/25 発売)

    レーベル名:Naxos
    カタログ番号:8.572358

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    マックスウェル・デイヴィス:ベルテーン・ファイヤー/ターン・オブ・ザ・タイド/サー・チャールズ・ヒズ・パヴァーヌ(BBCフィル/マックスウェル・デイヴィス)

    このアルバムはマクスウェル・デイヴィス(1934-)の1990年代の様々な作品を収録したものです。「ベルテンの炎」は1995年の作品で、当初は「振付詩」と銘打たれたBBCフィルと作曲家のコラボ作品ですが、この初演は失敗に終わってしまいました。様々なアイデアが盛り込まれた意欲的な作品でしたが、どうもたくさんのことを盛り込みすぎて難解になってしまったようで、それが失敗に終わった原因の一つなのではないかと推測したくなる作品です。このベルテンというのは、ヨーロッパに古くからある「火祭り」のことで、ストラヴィンスキーの「春の祭典」のように、春の女神を讃え、多産と土地の豊饒を祝うものです。曲は穏やかさと暴力的な面をかわるがわる示しながら、素晴らしい盛り上がりを見せてくれます。うって変わって「潮の変わり目」は環境汚染の脅威を訴えるものであり、少年少女たちの無垢な声を用いて、静かな警鐘を鳴らすというものです。他、いつものようなマクスウェル・デイヴィスの軽めの作品もお楽しみに。(2015/01/28 発売)

    レーベル名:Naxos
    カタログ番号:8.572362