BBC交響楽団
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ピアノ音楽の解釈において、現代につながるアプローチ上に位置するソロモン、しかしその演奏はいわゆる「原典主義」という理屈が陥りやすい、無味乾燥な演奏とは一線を画するものでした。奇をてらわない、楽譜に忠実な演奏でありながら、ベートーヴェンの第2楽章のラルゴの品格ある美しさは、ゆがみのない、最上の解釈の一つといえるでしょう。第1楽章で彼があえてクララ・シューマンによるカデンツァを選択したのも、彼なりの古典的アプローチの表明とみることも出来ます。また珍しいブリスのピアノ協奏曲は、現代的音響の中にも、擬古典的側面を色濃くうかがわせる作品で、ソロモンの十八番であった曲の一つです。(2002/07/01 発売)
レーベル名 | :Naxos Historical |
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カタログ番号 | :8.110682 |
伝説的指揮者レオポルド・ストコフスキー(1882-1977)の貴重な記録を収めたアルバム。1964年のロイヤル・アルバート・ホールでのファリャ:バレエ音楽『恋は魔術師』の演奏、1952年のサンフランシスコ交響楽団との『恋は魔術師』およびベルリオーズ序曲「ローマの謝肉祭」のリハーサル、1959年のBBCでのインタビューが収録されています。1964年の『恋は魔術師』はモノラルながら鮮明な音質です。レオポルド・ストコフスキーのユニークなスタイルといえば、効果的な音響を求めてオーケストラ内の配置を変更し、中でも今日では「通常配置」と呼ばれる1stと2ndのヴァイオリンを並べる形(ストコフスキー・シフト)を提唱したほか、弦楽器奏者それぞれの自由なボウイングを尊重する柔軟性、イングリッシュホルンやホルン等のソロパートのヴィブラートや音色への強いこだわり、そして指揮棒を使わない独自の指揮技法などが挙げられ、これらは彼の人気と独特な豊かなサウンドを形作る要素となっていました。本アルバムに収録されたリハーサルでは、ストコフスキーの創造的なプロセスを垣間見ることができます。アルバムに収録された『恋は魔術師』の演奏は、彼のカリスマ的な音楽作りを象徴する例です。30分にわたるインタビュー「フランクリー・スピーキング 率直に言って」(英語)では3人のインタビュアーの質問にストコフスキーが答えるというスタイルで、演奏旅行先でのウィーンの印象から、ツアーで訪れたドイツ、イタリア、ポーランドでのコンサートについて、また音楽を演奏する喜びを語り、ベートーヴェンの作品の演奏を例に挙げ、音楽を解釈する重要性を説いていきます。そしてディズニーとの会話、ポーランド移民であった父と幼少期の思い出、音楽に対する姿勢などを明快に答えていきます。「音の魔術師」の異名を持つストコフスキーの飾らない表情が窺えるインタビューです。(2025/02/21 発売)
レーベル名 | :SOMM Recordings |
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カタログ番号 | :ARIADNE5035 |
チェロという楽器の特性を前面に出し、その技巧と旋律美の融合を図り、華麗なる独奏者として立たせたのは、おそらくボッケリーニが最初でしょう。近年この9番のオリジナル版も演奏されるようになりましたが、グリュッツマッハーの優れた編曲がこの作品を流布する助けになったのは否めません。カザルスは技巧を惜しみなく披露しながら、持ち前の旋律線を浮き上がらせる力量を持って、この録音を名盤として残しました。ハイドンの協奏曲は第3楽章が欠落していますが、SP盤では発売されなかったテイクです。(2005/12/01 発売)
レーベル名 | :Naxos Historical |
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カタログ番号 | :8.110305 |
クラシック音楽には稀な「宇宙」をモチーフとした組曲である「惑星」。現代の宇宙のイメージが反映されてか、スペクタクルな映画音楽的要素が盛り込まれている演奏が多いですが、ホルストの自作自演を聞くと、彼はこの組曲を音楽としてむしろ思索的で堅牢なイメージを描いていたのではないかと思われます。「木星」といえども決してけばけばしくならず、きりっと抑えたものとなっています。対照的に、RVWによる自作自演の4番は極めて劇的な色調を持つ演奏で、長らくこの作品の録音の傑作と評価されてきたものです。第1・2次世界大戦の間の不安な世相を反映したともいわれる、あまり取り上げられることのない4番が、作曲者自身の演奏で残されているのは極めて幸運ともいえましょう。(2006/09/01 発売)
レーベル名 | :Naxos Historical |
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カタログ番号 | :8.111048 |
ベニ・モラは、アルジェリアを訪れたホルストが、ストリート・ミュージシャンが同じフレーズを延々と繰り返しているのを聴いて感銘を受けて書いた作品。3つの楽章からなり、8つの音からなるモチーフが163回も繰り返される最終楽章はミニマル・ミュージックの先取りと評されることがあります。合唱交響曲はリーズの音楽祭の委嘱で書かれたもので、プレリュードとそれに続く4つの楽章から成り、第3楽章にスケルツォを置くなど、伝統的な器楽交響曲の形式を意識した作りになっています。ホルストと親交があり、『惑星』を2度にわたってセッション録音しているマルコム・サージェントの指揮。ベニ・モラはHMV BSD 754(LP)からの復刻、合唱交響曲はBBCの放送音源からのCD化です。(2025/04/25 発売)
レーベル名 | :SOMM Recordings |
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カタログ番号 | :ARIADNE5040 |
ドイツの偉大な指揮者ルドルフ・ケンペ(1910-1976)。彼は1952年から1954年までバイエルン国立歌劇場の音楽監督を務め、1954年にはメトロポリタン歌劇場を振ります。バイロイト音楽祭でも1960年から1963年まで4回の「指環」ツィクルスを指揮するなど素晴らしい活躍を続けました。1961年にはビーチャムの後継者としてロイヤル・フィルハーモニー管の首席指揮者として任命され、一時中断するも、再任となってからは1975年までこの地位にあったのです。その翌年早すぎる死を迎えたケンペですが、この1957年のマーラーの4番の録音はとても珍しいものと言えるでしょう。これは当時体調不良を訴えていたブルーノ・ワルターが用意していたプログラムを、結局ケンペが引き継いだものであり、この演奏は高く評価されたのですが、今まで世にでることはありませんでした。ドイツ系のレパートリーに並々ならぬ意欲を持ち、とりわけリヒャルト・シュトラウスの作品に素晴らしい名演を残した彼ですが、どうもマーラーは意に添わなかったのか、録音も極めて少なく、他には1番、2番、5番と「子どもの不思議な角笛」がある程度でしょうか。この録音でケンペのマーラーを評価することは難しいでしょうが、何よりマーラーファンには、一つの素晴らしい録音が贈られたということを喜びたい1枚です。(2013/12/18 発売)
レーベル名 | :ICA Classics |
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カタログ番号 | :ICAC5117 |
英国の録音史において貴重な役割を果たしたRichard Itter-リチャード・イッター(1928-2014)。彼はもともと録音に対して興味を抱いており、1951年に開設された英国の放送局“BBC Wrotham transmitter”の放送(1955年からはVHF/FM放送が開始された)を私的使用するためだけに、当時最高級の機材を用いて録音していました。1952年から1996年まで、およそ1500点にのぼる放送録音は、貴重なコレクションとして現在も大切に保存されています。また、イッターは1959年にプライヴェート・レーベル「Lyrita Recorded Edition」を設立し、こちらは大手レーベル(HMV、Deccaなど)がリリースしなかったアイアランドやフィンジなど「英国の知られざる作曲家」を積極的に紹介し、1960年代における彼らの作品普及に大きく貢献しています。1970年代になると、さらにバックス、モーラン、オルウィン、ブリッジ、ローストーン、ラブラなどの交響的作品や協奏曲の初演録音を追加、こちらの音源の多くは現在“Nimbus Records”にライセンスされ、流通しています。ICA CLASSICSは、BBCと12年間の交渉との末、ようやく契約がまとまり、イッターの膨大な録音の中から40タイトルをリリースします。これらは前述のとおり、これまでに市場に出たことのない貴重なものです。1939年、50歳代半ばで病に倒れ、一時は指揮者として再生不能とまでされたクレンペラーですが、第二次世界大戦後には完全復帰、世界各地のオーケストラを指揮し名声を高めます。そしてロンドンでの客演が評判を呼び、これを聴いたウォルター・レッグが(ちょうどカラヤンの後任を探していた)1952年に彼と契約を結んだことは良く知られています。以降、クレンペラーとフィルハーモニア管の関係は良好となり次々と名盤が生まれましたが、この録音はEMIからはリリースされなかったもの。ブルックナーやブラームスなど、クレンペラーらしい厳格な演奏が並んでいます。また、モーツァルトの協奏曲でソロを務めているのはブロニスワフ・ギンペル。クレンペラーお気に入りのヴァイオリニストで、1937年から1942年には当時ロサンゼルス・フィルハーモニックの指揮者を務めていたクレンペラーはギンペルをコンサートマスターに迎えたほど、彼の演奏を高く評価していましたが、録音はあまり残されておらず、こちらも貴重な記録です。(2018/01/26 発売)
レーベル名 | :ICA Classics |
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カタログ番号 | :ICAC5145 |
英国音楽の録音を積極的に行い、知られざる作曲家の発掘にも貢献した「Lyrita Recorded Edition」レーベル創立者、
リチャード・イッター(1928-2014)。彼が当時最先端のプロ用機材を用い、1952年からエアチェックしていたというBBC放送の音源を集めた、貴重なコレクションからCD化するシリーズ第4弾。
モントゥーが自国フランス音楽のスペシャリストというのは誰もが認めるところですが、ことブラームスへも深い愛情を注いでおり、公式の録音は残していない交響曲第3番のほか、初出となる2つの協奏曲が入っているのは嬉しいところです。フランクの「交響的変奏曲」は長い友人であるカサドシュとの共演で、今回初登場のライヴはモントゥーがこの作品を指揮した最も古い録音となります。ドビュッシー「映像」とショーソン「交響曲」は、モントゥー唯一のライヴ音源。またボーナスとして、同じフランスの指揮者であるミュンシュが振ったハイドンの102番を収録しています。これは彼がこの作品を指揮した唯一残っている録音で極めて貴重なものであるうえ、演奏もアグレッシヴで素晴らしいものです。ソースは磁気テープや、イッター氏が編集後録音し直したアセテート盤から取られており、入念にリマスタリングされ、50年代のエアチェックとしては非常に良い状態の音となっています。(2018/10/17 発売)
レーベル名 | :ICA Classics |
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カタログ番号 | :ICAC5150 |