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New Releases - 2025年05月 発売タイトル
Search results:25 件 見つかりました。
自然や神秘主義の傾倒など、個性的な作風で知られたエイノユハニ・ラウタヴァーラの作品集。ヴァイオリン協奏曲は1969年に構想され、1977年に完成しました。第1楽章は幻想的、第2楽章は情熱的な性格を持っています。彼が国際的な名声を得たのは1990年代後半で、1999年の「秋の庭」はBBCプロムスのための管弦楽曲。第1楽章はオペラ《太陽の家》のテーマを基にした自然の景観美を追求した庭園を思わせる音楽、第2楽章はシベリウスの交響曲第6番を思わせる荘厳な響き、終楽章はサラバンドの調べで締めくくられます。最後の完成作品「愛する人へのセレナード」は、ヒラリー・ハーンのために作曲されました。ヴォーン・ウィリアムズやシベリウスの後期作品に通じる、美しく親密な趣のある作品です。(2025/05/16 発売)
レーベル名 | :CPO |
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カタログ番号 | :555559-2 |
30歳で作曲家の道を選んだエミーリエ・マイヤー。この決断は当時の女性としては異例でしたが、シュテッティンでカール・レーヴェ、ベルリンでアドルフ・ベルンハルト・マルクスに師事。ウィーン楽派の影響を受けながら、数多くの作品を残しています。アルバムに収録された交響曲第6番は1853年の作品。第1楽章は抒情的な弦楽器の響きが美しく、続く第2楽章は断片的な葬送行進曲として、瞑想的な雰囲気を漂わせます。第3楽章は陽気で遊び心のあるスケルツォで、終楽章は各楽器の響きが精巧に絡み合い、力強い結末を迎えます。1851年の交響曲第4番はオリジナルのオーケストラスコアが現存しておらず、アンドレアス・N・タルクマンが残された4手ピアノ版をマイヤーのオーケストレーションの特徴を考慮して管弦楽版に編曲しました。彼の編曲は19世紀当時の自然倍音を重視した金管楽器の使用が特徴であり、シューマンのオーケストレーションも参考にしつつ、マイヤーのソロ楽器を大切にするという作曲意図も反映されています。ロ短調という悲劇的な調性が用いられるも第1楽章の冒頭から堂々とした表現が生かされており、ニ長調に転ずる第2主題は「まるで賛美歌のように独創的である」とタルクマンが高く評価しています。第2楽章はホ長調で書かれ、ヴァイオリンが主導するメロディーが管楽器の音色と溶け合い、美しい情景を描きます。第3楽章は、急降下するヴァイオリンの旋律で始まり、管楽器が加わって対位法を駆使した展開となります。第4楽章では、ロ短調の主題が再登場し、活発で爽快な終結を迎えます。(2025/05/16 発売)
レーベル名 | :CPO |
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カタログ番号 | :555615-2 |
3人の世代を超えた女性作曲家による室内楽作品を収録したアルバム。2025年に没後150年を迎えるルイーズ・ファランクは、芸術家の家庭に生まれ、両親は女性が芸術的な職業に就くことを自然に受け入れていたため、彼女は優れた教育を受けることができました。15歳でアントン・ライヒャから作曲を学び、17歳でフルート奏者アリスティード・ファランクと結婚、夫は彼女の作曲活動を支援し、ヨーロッパ各地でツアーを行い作品を広めました。彼女のピアノ五重奏曲はフンメルから影響を受けたもので、巧みな作曲技法と繊細かつ憂鬱な主題が聴衆を魅了し、シューベルトの「ます」を思わせる完成度を誇る作品です。かたや、1858年生まれのメラニー・ボニス(ボニ)は作曲家として表立って活動することが困難でした。このピアノ四重奏曲変ロ長調は結婚や出産などの激動の時期に書かれたものです。陰鬱な第1楽章、浮遊感のある第2楽章、深い悲しみを漂わせた第3楽章が続き、情熱的なフィナーレで劇的に締めくくられています。1950年レニングラード生まれのエレナ・フィルソヴァは、ソフィア・グバイドゥーリナと並ぶ現代ロシアの主要な作曲家の一人。モスクワ音楽院で作曲を学び、作曲家ドミトリー・スミルノフと結婚。共に音楽界で重要なパートナーとして活躍し、彼女たちの指導者であるエディソン・デニソフの支援を受け、西側でも作品が演奏されるようになりました。フィルソヴァは音楽と愛を人生の究極の要素と捉えており、このピアノ四重奏曲第1番は2016年にオーストリアの室内楽コンサートシリーズ「Pforte」から委託され、大成功を収めました。金川真弓が参加していることも注目です。(2025/05/16 発売)
レーベル名 | :CPO |
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カタログ番号 | :555624-2 |
フェルディナント・ヒラーはフランクフルトの裕福な実業家の家に生まれ、10歳からワイマールでヨハン・ネポムク・フンメルに師事しました。1829年から36年までパリで過ごした後、メンデルスゾーンと親交を結んだライプツィヒを中心に指揮者として活動しました。1850年にケルンに定住し、ケルンではギュルツェニヒ管弦楽団の指揮者を務め、ライン音楽祭を12回開催しました。彼の作品は一時期顧みられることはありませんでしたが、現在は再評価が進んでいます。ここに収録された2つの交響曲は激しくドラマティックな作風を示しています。交響曲ホ短調「それでも春は来るはずだ」はヒラーの唯一の出版された交響曲であり、最も成功した作品です。初演は1849年で、ニューヨークでも1858年に演奏されましたが、1871年のドイツ帝国統一後は忘れられてしまいました。19世紀の詩人エマヌエル・ガイベルが1841年に発表した詩「希望」からインスパイアされ、冬から春への移行が表現されています。ベートーヴェンやワーグナーの影響を受けつつも、独自の表題音楽のアプローチを試みたことを示しており、交響曲の伝統の中で重要な位置を占める作品と言えるでしょう。交響曲ヘ短調は、1832年10月に完成し、1833年12月に初演。批評家からは、第1楽章の風変わりな展開が批判されたものの、リズムが印象的な第2楽章や、牧歌的な雰囲気を持つのどかな第3楽章、ソナタ形式とロンド形式が融合した終楽章など、個性豊かな作品として仕上がっています。(2025/05/16 発売)
レーベル名 | :CPO |
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カタログ番号 | :555625-2 |
ハンガリー出身のエマヌエル・モールはコンサートピアニストとしてアメリカにわたり演奏活動を行い、1888年に結婚後イギリスに移住しましたが、ピアニストとしての熱意が薄れたため作曲に専念。コンサート活動から退き、ヨーロッパを広く旅しながら200曲以上の作品を書き上げています。第一次世界大戦後には楽器の発明に注力し、手鍵盤を上下2段に重ねたエマヌエル・モール式ピアノフォルテ(デュプレックス・カプラー・ピアノ)など新しい楽器の設計を試みています。このアルバムに収録された3つのピアノ三重奏曲は、モール熟練の作曲技法が見事に展開されており、明瞭で表現力豊かなメロディー、独創的なハーモニーが特徴です。ニ長調 Op. 74は明快なテーマから始まり、スタッカートが多用された軽快な第2楽章を経て、活力に満ちたフィナーレを迎えます。最初の妻アニタに捧げられたハ長調 Op. 81は、荘厳なメロディーの第1楽章、瞑想的なラルゴ楽章を経て、ダイナミックなアレグロで締めくくられます。変ロ長調 Op. 89はパブロ・カザルスに捧げられた作品。穏やかなメロディーから始まり、軽快なスケルツォ、抒情的なアダージョ、活動的なアレグロで終わります。1995年に結成されたストリオーニ三重奏団の演奏で。(2025/05/16 発売)
レーベル名 | :CPO |
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カタログ番号 | :555629-2 |
1727年イタリア南東部の町ビトントに生まれたトンマーゾ・トラエッタは、ナポリでニコラ・ポルポラらに師事し、オペラ作曲家として名を成した後に、パルマ宮廷の楽長となっています。当地では、ラモーらフランスの作曲家たちの音楽悲劇(トラジェディ・リリク)の様式を取り入れ、大成功を収めました。この成功により、ロシアのエカテリーナ二世から招かれて、宮廷楽長として厚遇を受け、オペラ・セリアや宗教音楽を数多く作曲。しかし、ロシアで体調を崩し、その後、ロンドンを経てイタリアに戻り、ヴェネツィアで没しています。オラトリオ「ソロモン王」は旧約聖書の『列王記』第1章をベースに、ソロモン王とモーゼの十戒の石板が収められた「契約の箱」を題材とした作品で、1766年にヴェネツィアのデレリッティ慈善院(通称:オスペダレット)の合唱指揮者に就任したトラエッタにとって、当地でのデビュー作となったものでした。ソロモン王の他、シバの女王、アビアタル、司祭ツァドク、アモン人のアドンといった登場人物は、オスペダレットの優れた女性歌手のために、すべて女声の音域で書かれています。このオラトリオは大成功を収め、初演以降何度も上演されたことが記録に残っています。1776年の上演に当たっては音楽と台本に変更が加えられましたが、この演奏はこの時の版を基にしています。壮麗さと優美さを兼ね備えたアリアが各場面に1曲ずつ各役柄に与えられ、特に主役であるソロモンのアリアには力が入っており、作品の聴きどころとなっています。少ないながらも効果的に加えられる合唱(女声三部)も注目点でしょう。この録音は、2023年のインスブルック古楽音楽祭においてクリストフ・ルセの指揮で行われた公演を収録したもの。サリエーリやグルックといったバロック以降の18世紀の作曲家たちの貴重な劇作品を演奏・録音してきたルセの卓越した指揮の下、古楽作品やバロック・オペラを得意とする若手実力派女性歌手たちが素晴らしい歌唱を披露しています。テレジアは「女帝」マリア・テレジアの名を冠して2012年に結成されたピリオド楽器オーケストラで、世界約40か国から集められた若手奏者から成り、古典派時代の作品を主要レパートリーとしています。現在では、ヨーロッパ全域に活動の幅を広げ、CPOレーベルから、気鋭の指揮者たちと18世紀の貴重な作品の録音をリリースしています。ジャケット絵画:ジャンバティスタ・ティエポロ派「ソロモン王の前のシバの女王」(1760年)(2025/05/16 発売)
レーベル名 | :CPO |
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カタログ番号 | :555654-2 |
トーマス・ミュンツァーは、16世紀ドイツの農民戦争の指導者として知られる宗教改革時代の宗教者。1519年にマルティン・ルターと知り合い、すぐにその信奉者となり、ツィヴィッカウで説教者となりました。しかし諸侯との融和を図っていたルターと次第に対立するようになり、やがてドイツ農民戦争の指導者として諸侯連合軍と戦いますが、その末に捕らえられ、処刑される運命を辿りました。困窮する民衆の側に寄り添い、その救済のために戦い、敗れ、命を落としたミュンツァーの処刑(1525年)から500年の記念の年に、この録音がリリースされます。ここには、ミュンツァーが教会の典礼改革の一環として創作した2つの作品が収録されています。これらは1523年と1524年に楽譜付きで出版されました。ミュンツァーは聖書の言葉や典礼のテキストをラテン語からドイツ語に翻訳して用いています。そのテキストを伝統的なコラールの旋律に乗せたシンプルで民衆にも親しみやすい典礼音楽となっています。トーマス教会の合唱団出身のメンバーで1992年に結成された5人組の声楽アンサンブル、アマルコルドは、ドイツにおける男性声楽アンサンブルの代表的存在。優れた声楽技巧と魅力的なステージパフォーマンスで世界中で高く評価され、これまでに世界15か国で2500回以上のコンサートを行ってきました。RaumklangやCARUSといったドイツのレーベルから数多くのCDをリリースし、国際的な賞も獲得しています。この録音では、高い技術と表現力、抜群のアンサンブル能力を誇るアマルコルドの歌唱が、ミュンツァーの素朴な音楽に色どりを加え、深い瞑想感を与えています。ルターと敵対したことで「悪魔」と呼ばれ、激しく非難され、忘れ去られていたミュンツァーの典礼音楽が500年の時を経て蘇ります。CDジャケット絵画:「説教するミュンツァー」(1527年に出版されたヨハン・リヒテンベルガーの著作「予言」所収の挿絵)(2025/05/16 発売)
レーベル名 | :CPO |
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カタログ番号 | :555700-2 |
幼少期からピアノに親しみ、学生時代には8手ピアノのための作品にも触れ、ピアノ・デュオの表現にも親しんでいたドビュッシー。彼は作曲する際、オーケストラ作品のピアノ版を作ることがしばしばありました。「放蕩息子」はその一例で、ローマ賞応募作のカンタータとして作曲した後、2曲をピアノ連弾用に編曲しました。同時期に作られた「ディヴェルティスマン」は連弾用のオリジナル作品で、出版されたのは2002年のことです。彼の代表作の一つ、マラルメの詩に基づく夢幻的な作品「牧神の午後の前奏曲」の2台ピアノ版からは、オーケストラを思わせるサウンドが随所に聞かれます。1880年代に作曲された「管弦楽組曲第1番」は楽譜が紛失したとされていましたが、20世紀に連弾版とオーケストラ版の自筆譜が発見されました。ロマン主義的な響きと舞台音楽的な構成を持っています。「春」はボッティチェリの絵画からインスパイアされ、2台ピアノと合唱のために作曲されましたが、当時のパリ芸術アカデミーに受け入れられず、1904年まで正式に出版されることはありませんでした。その後に作られたオーケストラ版は彼自身の編曲ではありません。「リンダラハ」は、ドビュッシーが2台ピアノのために作曲した最初のオリジナル作品で、スペイン風のリズムやギターのような和音を取り入れた色彩豊かな曲です。曲名はアルハンブラ宮殿にある「リンダラハの中庭」に由来し、異国情緒あふれる響きを特徴としています。演奏するジェノヴァ&ディミトロフ・ピアノ・デュオは、世界的に高い評価を受けるピアノ・デュオ。1995年の結成からわずか2年の間にARDミュンヘン国際音楽コンクールなどで優勝、一躍注目を集め、以降世界中で活躍しています。(2025/05/16 発売)
レーベル名 | :Oehms Classics |
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カタログ番号 | :OC1740 |
好評シリーズ、フェルディナント・リースの交響曲全集。第3集には第3番と第8番の2曲が収録されています。交響曲第3番は、ロンドン・フィルハーモニック協会からの委嘱作で1815年5月15日にフィルハーモニック協会で初演されました。第1楽章の第1主題では変ホ長調が現れますが、すぐに転調し続く第2主題は珍しくハ長調が現れるなど聴き手を混乱させます。再現部で第2主題が変ホ長調に転調されるまで、主調は不明瞭なままです。コンパクトな編成による第2楽章、第3楽章のメヌエットでは、フルートの活躍やソロ・ヴァイオリンによる室内楽風の中間部が印象的です。第4楽章では、第1楽章の第1主題の変化形が随所に用いられ、作品全体が緊密にストーリー化されています。第8番とされる変ホ長調の交響曲は彼の生前には出版されず、作品番号も付されていません。作曲時期や出版に関する混乱があり、1825年のニーダーライン音楽祭で初演された可能性が高く1834年にも演奏されたとされています。第3番と似た雰囲気を持っていますが、楽章間の統一性が強調され、特に半音進行によるテーマの関連が顕著です。この作品でリースはベートーヴェンに匹敵する交響曲作曲家としての技術的成長を示しています。ニソネン盤は曲が内包する爆発的なエネルギーと色彩の面にフォーカスしており、転調の繰り返しを巧みに生かした非常にエキサイティングな演奏となっています。今作でも城代さや香(きのしろさやか)が第2ヴァイオリンをリードしています。(2025/05/16 発売)
レーベル名 | :Ondine |
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カタログ番号 | :ODE1465-2 |