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オスカー・ワイルドの同名の戯曲を原作として、ツェムリンスキー自身が台本を書いた歌劇《フィレンツェの悲劇》。重厚で華麗なオーケストラを縦横無尽に使いながらも、登場する歌手はたった3人のみ。内容はフィレンツェの商人シモーネとその妻ビアンカ、そしてビアンカの恋人グィード・バルディの三つ巴の争いというヴェリズモ風のもの。ただし、この物語は他のヴェリズモ・オペラとは一線を画しており、最後は愛人を手にかけてしまった夫に対し、妻が「あなたがこんなに素敵だったなんて」と惚れ直すという異色の幕切れです。ド・ビリーは、まるでリヒャルト・シュトラウスの《サロメ》のような凝縮した内容を、緊張感途切れることなく流麗に演奏しています。(2018/01/26 発売)
レーベル名 | :Capriccio |
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カタログ番号 | :C5325 |
ウィーン生まれの作曲家ツェムリンスキー。指揮者としても高く評価されましたが、ユダヤ系であったため、ナチス・ドイツに追われ1938年にはアメリカに亡命しました。しかし、先に移住していた義弟シェーンベルクの励ましにもかかわらず、彼はアメリカで成功を手にすることができず、孤独のうちにこの世を去っています。ツェムリンスキーは、1913年に作曲した「メーテルリンク歌曲集」に格別の思い入れを持っており、社会情勢が不安定な時期である1934年に書かれた「シンフォニエッタ」にも歌曲集からの主題が引用され、その歌詞「Wohin gehst Du?=どこに行くの?」は、自身の「自己疑念」と「ウィーンへの別れの気持ち」が込められているとされています。未完成に終わった《カンダウレス王》は官能と死生観が織り交ぜられた晩年の彼らしい作品。初演を担ったアルブレヒトの演奏をお楽しみいただけます。(2020/04/10 発売)
レーベル名 | :Capriccio |
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カタログ番号 | :C5377 |
19世紀から20世紀にかけて「頽廃音楽家」とレッテルを貼られながらも、素晴らしい活躍をしたた三人の作曲家の三重奏を集めたアルバム。この時期特有の豊穣な響きと抑圧された心情、そして各々の作曲家たちの屈折した感情、これらが反映された悩ましくも美しい作品は、書かれた当時よりも100年以上の時を経た現代の方が多くの人に受け入れられやすいように思います。なかでも、コルンゴルトの三重奏曲は彼の12歳の時の作品であり「天才の証」ともいえる曲です。(2015/01/28 発売)
レーベル名 | :Capriccio |
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カタログ番号 | :C5221 |
最近、いくつかのレーベルから立て続けにアルバムがリリースされるウィーンの作曲家カール・ツェルニー(1791-1857)の弦楽四重奏曲集です。多くの人は悩み多き「練習曲の作曲家」として、また一部の人は「ベートーヴェンの愛すべき弟子」として認識されているこのツェルニー。生前に800曲を越える作品を残したにもかかわらず、現在ではほとんど演奏されることもなく、そのまま埋もれているのは何とも残念なことと言えるでしょう。彼の弦楽四重奏曲は全部で20曲以上あるとされでいますが、どれもがウィーン楽友協会で保存されていて、現在7曲ほどが録音されているようです。まさにハイドンの伝統を、ベートーヴェンを経て、メンデルスゾーンへと受け継いでいくものであり、奥深い表現と音楽を奏でる喜びに溢れたものなのです。(2015/04/22 発売)
レーベル名 | :Capriccio |
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カタログ番号 | :C5234 |
若く才能ある演奏家のアルバムをリリースするCapriccioレーベルのシリーズ「Premiere Portraits」から、韓国の若手ピアニスト、フランツィスカ・リーのアルバム第2弾の登場です。前作(C3006)ではフランス近代作品で、その繊細な感性とテクニックを披露していた彼女ですが、今回のアルバムでは近現代のイギリス作品を採り上げています。戦争の合間、つかのまの休日を楽しむブリテンの穏やかな「休日の日記」、第二次世界大戦開戦前夜に作曲されたティペットの「ピアノ・ソナタ第1番」など、あまり耳にすることのない作品にも光をあてた選曲が聴きどころです。フランツィスカ・リーはソウルで音楽を学び、大学では学年最高位を獲得、2011年にドイツ学術交流の奨学金を得てドイツに留学しカールスルーエ音楽大学を卒業。世界中でコンサート活動を行う傍ら、後進の指導にも積極的に取り組む俊英です。(2021/11/05 発売)
レーベル名 | :Capriccio |
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カタログ番号 | :C3010 |
ハンブルクの音楽一家(いとこは有名なオペレッタ作曲家、ジーン・ギルバート)に生まれたデッサウは、初期はシェーンベルクの影響を受け、オペラ指揮者としても活躍、1920年代からは映画音楽を手掛け、初期のディズニー映画の音楽も担当しています。1933年にナチスによる追放を受け、1939年に渡米。ここでブレヒトと親交を結び多くの劇場音楽を作曲しました。またドイツ民主共和国のプロパガンダのための音楽も多く書きましたが、彼自身は社会主義リアリズムを推進し、ヘンツェやシュニトケなどの前衛音楽の紹介に力を尽くしました。彼の音楽は実際に聴いてみると予想外に親しみやすいことがおわかりになるでしょう。例えば「歌と踊り」や「エグザメン」。これはもしも、アニメ映画で使われていたとしても、全く違和感のなさそうな楽しい曲だったりします。(2009/05/27 発売)
レーベル名 | :Capriccio |
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カタログ番号 | :C5019 |