スクリャービン, アレクサンドル(1872-1915)
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ピアニスト、小菅優が2007年から取り組むコンサート・シリーズ「Four Elements」(四元素/水・火・風・大地)。すでにCD化された第1作「Water」(ORC10092/NYCX-10037)では、変幻自在に姿を変え、人々の感情に入り込む「水」の様々な姿を描き出し大好評を博した彼女、第2作では「火」をテーマに、またもや多彩な作品に命を吹き込んでいます。「火」と言えば、真っ先に連想されるのが神話に登場するプロメテウスであり、神を無視して火を盗み人類に分け与えた存在とされています。小菅はリストの交響詩「プロメテウス」(L.シュタルクによるピアノ編)を取り上げ、プロメテウスに対する神の怒りまでをも存分に表現しています。また、このアルバムには第一次世界大戦中に書かれた曲が中心に収録されているのも聴きどころの一つ。この時代の人々が抱いた不安と感情を根底に置きながら、炎の持つ神性と悪魔性を描き分け、大胆な感情表現で音による「火(戦)」を描き出します。最後に置かれたストラヴィンスキーの「火の鳥」抜粋では、まさに大地と大空全てを舐めつくすかのような音による巨大な炎を感じることでしょう。(2019/11/29 発売)
レーベル名 | :Orchid Classics |
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カタログ番号 | :ORC100108 |
2001年生まれの若きピアニスト、ロベルト・ノイマンのデビュー・アルバム。4歳からシュトゥットガルト音楽学校でモニカ・ジュルジュマンに師事、8歳のときにはシュトゥットガルト放送交響楽団でオーケストラ・デビューを果たし、数多くのドイツ国内外の青少年コンクールで優勝するとともに、2017年インターナショナル・クラシック・ミュージック・ディスカバリー・アワードを受賞。各誌で「並外れた才能」「最も有望なピアノの才能の一人」と評されています。このアルバムでは古典派から後期ロマン派までの4人の作曲家の作品を演奏。圧巻は南西ドイツ放送交響楽団をバックに従えたラフマニノフの「パガニーニの主題による狂詩曲」。技巧と音楽性を兼ね備えた確かな才能を確信できる1枚です。(2024/01/12 発売)
レーベル名 | :SWR Classic |
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カタログ番号 | :SWR19101CD |
アメリカのピアニスト、オリオン・ウェイスによる4つの作品集。バッハでの落ち着いた風情がスクリャービンになると一転、炎のような情念を燃やす様が見事です。すべての曲が驚異的なテクニックに支えられており、厳格なる完璧主義で曲が構成されていますが、時として溢れるが如く感情が表出。そのギャップもたまらないピアニストです。アメリカの評論家、マイケル・ファーマーは彼の音楽性を名指揮者グスタヴォ・ドゥダメルと比較して論じていますが、さて聴き手の耳には、この若き才能の音楽がどのように感じられるでしょうか。(2013/03/20 発売)
レーベル名 | :Yarlung Records |
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カタログ番号 | :YAR78873 |
ロマン派以降、ピアノを弾くことはブルジョアジーの子女に教養としてもてはやされ、ショパンやリスト、アンリ=エルツなどは無数のそういった子女たちを弟子として教えました。才能を見込まれた一部の者は、コンサート・ピアニストとして、あるいはサロンで演奏を行ったり、教鞭をとったりしました。とはいうものの大部分は泡沫ピアニストで、ピアニストとして確たるキャリアを築き、それを維持していった者はほんの少数でしかありませんでした。しかしながら限定された範囲内において魅力的であった女流ピアニストも少なからずおり、このCDに残された録音を聞くと、彼女たちが自分に適した小品を生き生きと弾いていることがわかります。(2006/09/01 発売)
レーベル名 | :Naxos Historical |
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カタログ番号 | :8.111121 |
幅広いレパートリーで知られるトルコの名ピアニスト、イディル・ビレット。このアルバムは彼女が名プロデューサー、イルハン・ミナログルとともにFinnadarレーベルへ多くの録音を重ねていた時期のものです。主に電子音楽や現代音楽を中心としたLPレコードをリリースしていたレーベルですが、ビレットはウェーベルンやブーレーズ、ブークーレシュリエフなどの意欲的な作品を録音する傍ら、ショパンやプロコフィエフなどの「標準的な」レパートリーも録音し、これらも高い評価を受けたのでした。また、このディスクは、当時「最も音の良い」録音方式であった「direct-to-disc」を採用したものとしても知られるものです。(2012/08/22 発売)
レーベル名 | :Idil Biret Archive |
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カタログ番号 | :8.571275 |
トルコ、イスタンブール出身のプロデューサー、イルハン・ミマログルに見出されたイディル・ビレットは、Finnadarレーベルのために様々な曲を録音しました。それはベルリオーズ=リストの「幻想交響曲」からテープとピアノのための作品集(8.571276で聴けます)まで多岐に渡っています。さて、このアルバムに収録されているのは1978年から1979年にかけて録音されたミャスコフスキーを中心とした6つの作品です。ミャスコフスキーのソナタは、どちらも彼の初期の頃の作品で、第2番では有名な「怒りの日」のモティーフが印象的に使われています。単一楽章で書かれていて、スクリャービンの影響も感じさせる技巧的な曲です。リストの2つの曲は無調を感じさせる晩年のもので、静かな音の中に凝縮した世界が描かれています。スクリャービンは短いながらも印象的な作品であり、ラフマニノフは最近注目の華やかな曲。どれもが聴きどころたっぷりです。(2011/12/14 発売)
レーベル名 | :Idil Biret Archive |
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カタログ番号 | :8.571281 |
モーツァルト、ベートーヴェンはもちろんのこと、どんな作品でも完璧に弾きこなすトルコの女性ピアニスト、イディル・ビレット。初期のNAXOSレーベルの立役者でもあった彼女は、現在、各レーベルに散らばっている自らの録音を集約し、「イディル・ビレット・アーカイヴズ」として世に出しています。そんなビレットが最も得意としているのはなんと言っても「現代の作品」であり、デビュー直後からブーレーズやリゲティ作品をバリバリ弾きこなすことで評判を取っていたことでも知られています。この15枚組には、バルトークからストラヴィンスキー、そして前述のブーレーズやリゲティまで、1950年代から2010年代までの演奏が収録されています。彼女の恩師であるヴィルヘルム・ケンプの「バッハ編曲集」や、トルコの作曲家サイグン自身が指揮してバックを務めた協奏曲など、興味深い作品が並んでいます。(2016/07/27 発売)
レーベル名 | :Idil Biret Archive |
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カタログ番号 | :8.501504 |