~「身近にプーランクの音楽と魂を感じる生活を送ってきた」……プーランクを愛してやまないピアニスト・戸室玄がおくる、優美で奇抜なピアノ曲集~
1989年生まれの戸室玄。幼少期より海外で生活した体験を反映させた、洒脱な演奏を聴かせるピアニストです。このアルバムは彼が最も愛する作曲家プーランクの作品集。「3つのノヴェレッテ」で始まり、アルバムの中心に置かれているのは1932年に作曲された「15の即興曲」。練習曲風でもありながら、プーランクの心情が丁寧に描かれたユニークな曲集になっています。なかでもプーランクが心酔した歌姫のために書いた第15番の「エディット・ピアフを讃えて」 は、彼の洒脱さをよく示す作品と言えるでしょう。作曲年代の幅広い3曲で構成された「ナポリ」も華麗な音階が散りばめられた美しい作品です。
──2019年はフランシス・プーランクの生誕120周年に当たり、今まで私 が勉強をしてきたフランス音楽の中で最も好きなプーランクの作品のCDを作りたいと思いました。これはデビューCDであり、プーランクの数多いピアノ曲の中から一番思い出のある曲を選びました。 10年以上パリで生活し、フランシス・プーランクとも交流のあったピアニストのフィリップ・アントルモンに音楽を学び、当時の華やかなフランス文化の真髄に触れる事ができ、それを私も受け継いできました。他にも プーランクと交流のあった方々に接し、身近にプーランクの音楽と魂を感じる生活を送ってきました。 彼の素晴らしい音楽をたくさんの方に聴いて頂ける様にこれからも演奏を続けて、録音も手がけたいと思います。(戸室玄より)
【記事】「身近にプーランクの音楽と魂を感じる生活を送ってきました」──ピアニスト・戸室玄 デビュー・アルバム&レポート
e-onkyo music/mora
■レコーディング
2018年8月21日、8月22日、11月22日
セント・マークス教会、シティー・オブ・ウェストミンスター、ロンドン
■戸室玄(とむろげん)
東京に生まれ、6歳からサンフランシスコ、ボストン、パリで育つ。2007年ウォールナットヒル芸術高校卒業、ニューイングランド 音楽院プレパラトリーディヴィジョン最優秀賞を得て終了。フォンテンヌブロー城の音楽祭でフィリップ・アントルモン氏に見いだされパリに渡仏。2008年サル・ガヴォーにてコンチェルトデビュー。その後ベルギー国立管弦楽団、サントドミンゴ管弦楽団、パー ムビーチシンフォニー、テアトロジーリオ管弦楽団、パリ国際大学都市管弦楽団及びパリ管弦楽団などと共演。2012年シャネルピグマリオンデイズ参加アーティスト。2013年にジェラール・プーレ、菅野博文両氏とピアノトリオを組み数々の演奏会を行う。 2014年に英国王立音楽アカデミー修士課程在学。2017年はフランス、イタリア、イギリス、日本で演奏活動を行い、2018年に英国ロイヤルアカデミーにて修士課程を最優秀の成績で卒業。パリではフィリップ・アントルモン氏に師事。