ブリッジ, フランク(1879-1941)
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当盤収録曲のうち、一番親しみやすいのは、ピアノ四重奏の編成による「幻想曲」でしょう。フォーレやブラームスを思わせる、いかにも後期ロマン派といった濃密な書法が全編を支配しており、やや小規模な作品ながら、圧倒的な存在感を誇っています。弦とピアノの対照や融合も見事な傑作といえましょう。2曲の弦楽四重奏曲はやや辛口で、一筋縄ではない凝った和声が、緊張感のある美しさを醸し出しています。特に晩年の作品である第4番ではその傾向はいっそう強まり、積極的に不協和な音程を多用したり、ポンティセロ奏法を用いたりと、耳障りに成りかねない響きが、巧みに操られており、その優れた作曲技術には驚かされます。(2005/05/01 発売)
レーベル名 | :Naxos |
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カタログ番号 | :8.557283 |
イギリスの作曲家ブリッジは、かのブリテンの先生として名高い存在です。このアルバムでは、彼が弦楽四重奏のために書いた作品を集めました。どの曲からもそこはかとなくイギリスの田園の空気が感じられ、その暖かさから内包する憂鬱までしみじみと描いています。特に幻想四重奏曲は優れ、抒情性と深い感情が劇的要素を含めて結びついた傑作といえるでしょう。なお、「ダニー・ボーイ」でおなじみの「ロンドンデリーの歌」では、この名旋律を素材に幻想曲風の拡大がなされており、なかなかの聴きモノとなっています。(1987/10/01 発売)
レーベル名 | :Naxos |
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カタログ番号 | :8.553718 |
20世紀イギリスを代表する作曲家の一人、ブリッジのオーケストラ作品から、自然を題材にした表題的要素の濃い作品を集めてみました。「海」はその手の中でも定番中の定番、ドビュッシーやグラズノフなど、ライヴァル作品は多々ありますが、ブリッジ作品も一歩もひけをとりません。もちろん「嵐」も期待通り、スペクタクル的大迫力のオーケストレーションを魅せてくれる一方、決して大味にあることもなく、むしろ繊細です。「夏」は、日差しの強さにぐったりとした感があり、日本人の我々にも通ずる季節感かもしれません。また晩年の大作「春の始まり」は、春の来訪を壮大に謳い上げるもので、その壮大さには圧倒されます。(2004/09/01 発売)
レーベル名 | :Naxos |
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カタログ番号 | :8.557167 |
1904年に作曲されたブリッジのピアノ五重奏曲。重苦しい雰囲気と循環形式が用いられている点で、およそ20年前に書かれたフランクの五重奏を思わせる力作です。同じ年に書かれた「ノヴェレッテ」は3つの部分で構成された性格的な小品集。各々の曲の性格は違いますが、ブリッジは共通の主題を導入することで曲の調和を図っています。1928年の「トリオ、ラプソディ」はモダンな作品。ブリテンの師としてのブリッジの先進性が顕れたシュールな曲です。他3曲も含め、作曲家の名を冠した「ブリッジ弦楽四重奏団」による演奏です。(2019/06/28 発売)
レーベル名 | :SOMM Recordings |
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カタログ番号 | :SOMMCD087 |
イギリスの作曲家フランク・ブリッジ。彼が活躍した当時のイギリスでは民謡由来の旋律を用いて曲を作ることが流行していたのにもかかわらず、独自の作風を貫いた人でした(その先鋭的な作風は弟子であるブリテンにも受け継がれています)。晩年になるに従い十二音を用いた作品が増えてきますが、このアルバムに収録されている曲はどちらかというと初期の作品で、多くはロマン派風の穏やかな曲調を保っています。第1曲目の「朝の歌」から気怠い雰囲気が漂う不思議な曲調、重厚なチェロ・ソナタも静かな美しさを湛えています。(2019/01/18 発売)
レーベル名 | :SOMM Recordings |
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カタログ番号 | :SOMMCD229 |
数多いイギリスの作曲家の中でも「独自の前衛音楽」を書くことに拘ったとされるフランク・ブリッジ。その理由は、他の作曲家たちがイギリス民謡に依拠しても、彼はヨーロッパの新音楽を好み、こちらから着想を得ていたからだとされているようです。しかし彼の作風が前衛的になったのは、第1次世界大戦の後のことであり、若い頃はスタンフォードやブラームスなどの影響がよくわかる極めてロマンティックな作品を書いていました。このピアノ五重奏もそんな作品の一つで、全編抒情的で、時にはラフマニノフを思わせるような力強いロマンティシズムが漲っています。ブリッジと同じ年に生まれたシリル・スコットは、生前あまり顧みられなかった人ですが、最近になって評価が高まっていることで知られています。彼の作品はどれも控えめな美しさに満ちていて、幾分ドビュッシーを思わせる印象派風の和声があったりと、なかなか侮れないものばかりです。この「ピアノ五重奏曲」も冒頭では静かな水面を思わせる音楽なのですが、曲が進むにつれ、少しずつ不可解な世界が形成されていきます。この境目はとても曖昧で、いつしか迷いの森に足を踏み入れてしまったかのよう。神秘的なものを愛したという作曲家の、好みの片鱗が見えるような極めて豊かな音楽です。(2016/01/27 発売)
レーベル名 | :Naxos |
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カタログ番号 | :8.571355 |
イギリス近代の作曲家ブリッジは、同時代の作曲家たちのように自作に民謡の要素を取り入れることはせず、あくまでも前衛主義を貫いたことで知られており、彼のピアノ曲も、どちらかというと気難しく難解な雰囲気を持っています。しかし、2006年3月、セント・ジョン・スミス広場で開催された“イギリスのピアノ・ソナタ・シリーズ”のコンサートで、ベッビントンがブリッジのソナタを演奏したところ、評論家たちに高く評価されたとともに、難解とされたこの曲が聴衆にも親しみを持って迎えられました。以降、ベッビントンはブリッジの作品を集中的に録音。作品の普及に一役買っています。(2019/05/24 発売)
レーベル名 | :SOMM Recordings |
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カタログ番号 | :SOMMCD056 |
ロマン派風だったり、印象派風だったりと、折衷的な作風とも評されるブリッジですが、これらの模範的としか言いようのない、ピアノ小曲の数々に耳を傾けると、むしろ「いいとこ取り」という表現がぴったりと思われてきます。前述のように、用いられている語法は多彩ですが、幻想的でメルヘンチックな雰囲気はいずれの曲にも共通していて、多くの曲につけられているタイトルは、曲想にピッタリとマッチしています。演奏効果抜群なのに、過剰な技巧の駆使もなく、アマチュア演奏家にとっても喜ばれる存在といえましょう。もっと多くの音楽家、音楽愛好家に愛されて欲しい、素敵な楽曲の目白押しです。(2006/06/01 発売)
レーベル名 | :Naxos |
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カタログ番号 | :8.557842 |
ブリテンの師であった、ブリッジのピアノ曲集第2集です。ブリッジは第一次大戦頃から無調的、先鋭的な書法を追求するようになりました。その大戦で若くして戦死した友人の作曲家、アーネスト・ファーラーへの追悼として書かれたピアノ・ソナタは、高度なピアノ技法と辛口の和声に彩られており、何とも物憂い雰囲気に包まれていますが、まさに聴き応え十分の大作といえましょう。左手のための3つの即興曲は、第一次大戦で右手を失ったピアニスト、ダグラス・フォックスのために書かれた作品で、静謐な第1、2曲と、打って変わったように快活で技巧的な第3曲が好対照をみせる、美しい小品集です。(2007/08/01 発売)
レーベル名 | :Naxos |
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カタログ番号 | :8.557921 |