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ピエタリ・インキネン氏、2016年9月より日本フィル首席指揮者就任決定!



2016年6月に創立60周年を迎える日本フィルは、更なる飛躍を目指し2016年9月からピエタリ・インキネン氏を首席指揮者に迎えることを決定しました。

4月22日、日本フィルハーモニー交響楽団/ピエタリ・インキネン指揮「シベリウス:交響曲全集」がナクソス・ジャパンより発売となりますが、それに先立ち、日本フィルハーモニー交響楽団の記者会見が行われ、ピエタリ・インキネン氏の首席指揮者就任(2016年9月~、任期:3年)が発表となりました。以下、記者会見の模様をお伝えします。

● 日本フィルハーモニー交響楽団記者会見

日本フィル:平井理事長より
現在、シベリウス作品の演奏で良い関係を築いているピエタリ・インキネンさん(現・首席客演指揮者)とは、これまでに数多くの共演を重ねています。なかでも、2013年9月に行った「ワーグナーの世界」ではワルキューレの第1幕を演奏会形式で上演するなど、素晴らしい成果を収めています。

シベリウスと伝統を引き継いでいることは大きな意義ですし、シベリウス生誕150周年を迎える2015年に新たな全集を発売できたことは大きなマイルストーンになることでしょう。

ワーグナー作品は、マエストロが最も関心を抱いている作曲家であり、これまでにもイタリアなどで「指輪」を上演し、高く評価されていますが、日本フィルではあまりワーグナーを演奏していないのでとても楽しみです。

日本フィルとインキネンさんが目指すサウンドは
ロマン派・・・ワーグナー、ブルックナー、メンデルスゾーンなどの音楽の持つ透明性+宗教的なシリアスさ、重厚さであり、古典派の音楽はオーケストラの基礎をなすものです。

日本フィルでは「コンサート」「エデュケーション(学習的な)・プログラム」「リージョナル・アクティビティ(地域活動)」を3本の柱として、活動していきたいと思っています。

インキネンさんは、現在プラハ交響楽団の首席指揮者であり、またミュンヘン、ベルリン・ドイツ管などでも活躍しています。彼と歩んでいくことはとても嬉しく誇らしいもので、オーケストラとしてより洗練された個性を持ちたいものです。

現在、首席指揮者であるアレクサンドル・ラザレフは今後桂冠指揮者&芸術顧問として、ロシア音楽(ショスタコーヴィチ、グラズノフ、ストラヴィンスキー)を演奏していただく予定です。

ピエタリ・インキネン氏より
今回の首席指揮者決定は、とても誇りに思っています。日本フィルとの促進を楽しみにしています。

2016年からは日本フィルとプラハ交響楽団の首席として、演奏に力を注ぎ、日本フィルについては国内外での活動を高めていきます。たくさんの若い演奏家との共演、九州ツアーだけでなく、北海道ツアーなどもやりたいと思ってます。もちろん中核となるサントリーホール、横浜のお客様も大切にしながら、若いファン層も増やしたいです。

シベリウスについては、これまでの渡邉暁雄氏(日本フィル初代常任指揮者)の構築してきた世界を大切にしながら、もっと芸術性を高めるために音のスタイル、タッチ、音色を付け加えていきたいと思っています。

今回、次のステップとしてドイツ系のレパートリー・・・ブラームス、ブルックナー、ワーグナー、リヒャルト・シュトラウスを積極的に演奏し、日本フィルの醸し出す音に、さらに深みと奥ゆかしさを付け加えたいのです。

また「エデュケーショナル・システム」については、才能ある若手奏者を探し出し、指導を受けさせるプログラムを構築したいと思っています。ゆくゆくはサントリーホールで共演できるようなシステムを作りたいのです。

私は若い頃から奏者として恵まれた環境にありましたので、そのような環境を若い人たちに与えたいのです。

素晴らしい指揮者は奏者から生まれます。演奏家の人たちにも指揮をする環境や、指揮者もいくつかの楽器を演奏することが良い経験になります。今後のパートナー、もしくは次の小澤征爾が現れると良いのですが。

今後は2016年9月17日に就任記念演奏会を開催し、2017年1月から本格的に首席指揮者として活動していきます。
ワーグナーの演奏会では、再度サイモン・オニールを招聘したいと思っています。


●質疑応答 返答はインキネン氏
Q.1年の登場回数は?
A.現在1年に2回ですが、2017年からは3回となります。

Q.滞在日数は増えますか?また、アカデミーの関与は?
A.まだ未定なので具体化していませんが、コミットする意欲は100%あります。

Q.数々のオーケストラの中から日本フィルを選んだ理由は?
A.日本フィルとは最初の共演から共鳴していました。だから自然の流れです。音楽的な絆が深まっていますので、これからもっと良いものができるでしょう。日本の国が大好きですし、スタッフをはじめとした人々の優しさ、ホールの素晴らしさも挙げられます。

Q.ニュージーランド響との実績はいかがですか?
A.「指輪」のツィクルスが大反響を呼びました。また国際的なツアーも評判が良かったです。ムジークフェラインでのスタンディングオベーションも印象に残っています。

Q.シベリウスやマーラーなど、作曲家の全作品を演奏することが主流ですが、ワーグナーはどうでしょうか?日本フィルでワーグナー全作品は難しいように思いますが。
A.ツィクルスで演奏することは、非常に大変ですが、作曲家の手法を学ぶことができます。お客様にとっても興味深いことでしょう。ただ、ワーグナーは現状1幕のみ、もしくは演奏会形式での上演になるでしょうね。

《平井理事長》
現在の日本フィルの財政状況を説明し、一番よいやり方を探っていきます。もちろんみなさまにスポンサーもお願いします(笑)

《インキネン氏》
1シーズンに1作品は取り上げたいです。サントリーホールで聴けるワーグナー・サウンドをお届けしたいと思います。

Q.聴衆とのコミュニケーションについてはいかがでしょう?日本フィルを聞きにきましたというお客様のためのアイデアはお持ちですか?
A.ラザレフ氏が培ってきたこと・・・彼はとてもこういうことが上手かった・・・プレトーク、アフタートークを含め、そのほかを考えていきます。指揮者との交流も考えていますし、若い人のためにテクノロジーを使うことも必要でしょう。オーケストラのありかた、地域との交流、イメージアップなどたくさんあると思います。

●最後に
《平井理事長》
現在、オーケストラ、またクラシック業界は岐路にあると思います。
日本フィルは被災地への訪問を続けており、170回を越える小さなコンサートを開催しています。
音楽団体の存在意義は「活動」にあり、小さな世界にとどまらず、社会全体に呼びかけていくことが重要です。
音楽の持つ力がおきな影響を与えます。これを伝えていくことが使命だと思っています。芸術性の追求や、採算だけの世界ではないのです。

《インキネン氏》
音楽は国境のない言葉です。素晴らしい作曲家、作品の前では皆が平等です。
コンサートホールで音楽に心を委ねる機会は大切なものであり、生演奏の力強さを意欲的に伝える情熱を持てば、きっと何かを感じてもらえると思います。
その瞬間の経験は二度とないものであり、これが音楽の素晴らしさです。


2015年4月20日 ANAインターコンチネンタルホテル東京 バンケットルーム「オーロラ」にて

インキネン指揮 シベリウス:交響曲全集

日本フィルハーモニー/インキネン指揮 シベリウス:交響曲全集[4枚組]

発売日:2015年4月22日(水)
品 番:nycc-27286
価 格:5,184円(税抜価格4,800円)※CD価格
仕 様:CD/音楽配信
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