細川俊夫(1955-):管弦楽作品集 第4集
さくら/トランペット協奏曲「霧のなかで」
ヴァイオリン協奏曲『ゲネシス』(生成)/渦
準・メルクル(指揮)&ハーグ・レジデンティ管弦楽団
イエルーン・ベルワルツ(トランペット)…2
ポール・ホアン(ヴァイオリン)…3-9
録音:2023年3月14-17日Amareコンサートホール、ハーグ(オランダ)
6月28日発売
《CD》NYCX-10459(日本語解説付/¥2,200)
1. オーケストラのための「さくら」(2021)*
2. トランペット協奏曲「霧のなかで」(2013)
3-9. ヴァイオリン協奏曲「ゲネシス」(生成)(2020)
10. オーケストラのための「渦」(2019)*
*…世界初録音
ヘルマン・ヘッセの同名の詩からインスピレーションを得たトランペット協奏曲「霧のなかで」は、孤独に歩くトランペッターが世界に歌いかけていく情景を描いた作品。独奏は世界的な奏者イエルーン・ベルワルツが担当。これまでにもこの曲をはじめとした細川作品を幾度となく演奏してきたベルワルツが堂々とした演奏を披露します。ヴァイオリン協奏曲「ゲネシス」(生成)は初演を担ったヴァイオリニストの出産祝いとして作曲されたもので、細川は「ソリストは人、オーケストラはそのソリストを取り囲む自然、宇宙」と捉えているということです。冒頭からオーケストラは、いのちを育む羊水をイメージする波動を反復し、対立の中で調和を見つけるという普遍的なドラマが表出されます。この録音では、ソロを担う若手奏者ポール・ホアンの卓越した技巧が聴きどころ。笙から影響を受けたという「渦」は楽器が生み出す螺旋状の響きが効果的に用いられた作品。冒頭の「さくら」は日本で最も愛されている曲の一つを細川がオーケストラ用に編曲したものです。細川が全ての録音セッションに立ち会っており、彼の友人にして良き理解者の準・メルクルが指揮するハーグ・レジデンティ管弦楽団は、ドラマティックな抑揚と繊細な音色を巧みにいかし、作曲家のイメージを余すことなく伝えます。
|